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成田空港は平静でしたよ~バンコクより

ただいまバンコクの空港近くのホテルで泊まっております。
明日、乗り継ぎで目的地へと向かいます。

さて、今話題の成田空港のどんな様子だったか、
私が感じたなりのレポートをしたいと思います。
(空港第一ターミナルで、私がいた14~16時ぐらいの話です)

まず、緊張感はまったくありません。
とっても平静です。
マスクをしているのは空港内で歩いている人の3割ぐらいで、
メディアで報道されているような、
物々しい雰囲気はまったくありませんでした。

ただ日本人のマスク率はかなり高く、
外国人はほとんどしていないという感じ。

でも何より驚いたのは、空港関係者のほとんどが、
マスクをしていないこと!
一乗客は空港滞在時間はわずかだけど、
ずっと空港にいて、様々な人と接する空港関係者は、
みんなマスクしてるのかと思いきや、
私が見た限り、
・飛行機のチェックインカウンターの人:誰もマスクせず
・売店、免税店、レストランの人:誰もマスクせず
マスクをしているのは、
警備員、出国検査場の係員、トイレ掃除の清掃のおばちゃんぐらい。

マスコミから報じているニュースの印象だと、
成田空港がものすごい怖い場所で、
インフルに備えて厳戒態勢のようなイメージですが、
まったく普段と変わらず、とっても平静で、
むしろ拍子抜けした感じ。

空港ではメディアのカメラマンを1人見た。
GW出国ピークの厳戒マスク大勢姿を写そうと、
カメラを構えていたが、
あまりマスクをしている人がいなかったせいか、
ろくに写真も撮らず帰ってしまった。

空港売店には大量にマスクやうがい薬が販売されていたけど、
買っている人は見ず、在庫がきれる気配はまったくなし。

毎日新聞が、「搭乗客がマスクを着けて出発を待つ中、
検疫官が防護衣姿で足早に移動し、ターミナルには緊張感が漂った」
という報道のしかたをしていたが、
そういう緊張感は私がいた限り、
むしろ拍子抜けしたぐらいなかった。

マスコミが煽っているせいか、
相も変わらず、「今、海外に行くのは危険」
と思い込んでいる人が多いことに驚く。
メキシコやアメリカに行くならともかく、
それ以外の国に行くことと、
日本でGWの最中、未曾有の高速道路渋滞に突っ込んで、
ものすごい人ごみの中に行くことと、
どちらが感染の危険があるか、
正直、イーブンではないかと思う。
(どちらもきちんとマスクをするなどすれば、
それほど過剰に反応する必要はないのではないか)

海外ばかりに気を取られすぎて、
横浜で疑い!名古屋で疑い!と報じられたように、
いつ日本の国内のどっかで、
ザル検疫の間に帰国した人が、
その辺で動き回っているか、もうわからないわけだから。

ただ今日の成田空港の平静ぶりを見るに、
国民は一部をのぞいてかなり冷静で、
このニュースを実態以上に煽っているのは、
やっぱりマスコミじゃないかと思う。
マスコミの成田空港の報道と、
私が今日実際に行って感じた成田空港の雰囲気は、
180度違うんだから。

私も記者やカメラマンとして、
メディア側に立つ機会があるからわかるけど、
結論ありきで記事を書けといわれれば、
いかようにでもそういう風にできるわけです。

さっきのカメラマンの話じゃないけど、
意外とマスクしている人が少ないのに、
その写真は撮らず、
マスクしている集団がいるところを写真に撮り、
「厳戒態勢の成田空港」とキャプションつければ、
多くの国民を簡単に「騙せる」。

逆に国民の混乱を収めたい場合は、
マスクをせずにこやかに家族で談笑する旅行客でも撮影し、
「検疫体制万全の成田空港はむしろ国内のどの場所よりも安全」
とでも書けば、ああそうなのかと思ってしまう人もいるだろう。

結局、取材・撮影・編集・報道って、
切り取り作業だから、
結論が先に決められたら、
その結論に導けるようなものしか、
取材・撮影しなければ、そういう記事が、
捏造でもなく、簡単にできてしまうんです。

そういうかなり偏った報道の中で、
われわれは情報に接しているということを、
常に考えながら行動しなくてはいけないと、
あらためて思いました。

by kasakoblog | 2009-05-03 01:56 | マスコミ

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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