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元タイガーマスクの突然死!

おい、何やってるんだ?
川田選手がマスクに手をかけているぞ?
おお!タイガーマスクを自ら脱ぎ捨て、三沢光晴となった!!!

マスクマンが自らマスクを脱ぎ捨てるという、
あの衝撃のシーンから約20年。
私が大好きだったプロレスラー、三沢光晴選手が、
土曜日の試合中にバックドロップを受け、
頭を強打し、意識不明となり、死亡した。
46歳の若さだった。

ニュースを見てわが目を疑った。
三沢光晴死亡?
誤報じゃないのかと。

まだまだ現役として活躍していた三沢光晴選手。
最近の試合はほとんど見ていなかったけど、
1990年にタイガーマスクから三沢光晴になった頃から、
三冠王者に輝き、活躍していた全盛期は、
ほとんど彼の試合をテレビで見ていた。

そして三沢選手がエルボーを決める度に、
わがことのように興奮し、
フェイスロックやタイガードライバーなどで、
相手選手を仕留めた時は、わがことのように喜んだ。
そんな三沢選手が試合で死んでしまうなんて……。

三沢光晴の魅力。
それはあまり強そうに見えない彼が、
彼よりも強そうな外国人選手などを、
劣勢ながらも脅威のねばりと、
あっと驚く技で次々と倒していく姿にあった。

彼の試合序盤はだいたいが劣勢。
相手に攻撃されまくっている。
もうダメかと思うようなギリギリの場面になって、
相手の攻め疲れを待っていたかのように、
三沢は息を吹き返し、
エルボーを武器に一挙に試合の流れを変え、
劣勢を跳ね返して、見事な勝利を収める。
「受け身の天才」といわれる所以だろう。

トップに手が届かない、中途半端な能力しかない、
自分を含めた一般人にとって、
三沢選手は、勇気を与えてくれるヒーローだった。

上をめざすにはマスクマンではダメ。
彼の並々ならぬ決意が、
プロレス界のトップレスラーへの階段を後押しした。

生まれながらの才能や体格に恵まれなかったとしても、
三沢選手のように、技と頭脳をうまく使えば、
先天的な能力の差を乗り越えて、
トップになれるんじゃないかと……。

一番、驚いたのはパワーボム返し。
パワーボムとは主に外国人選手の決め技で、
日本人選手も多くこの技を決め技にするようになった。
相手を投げた後、しっかりそのまま抑え込むことができるため、
これをやられるとだいたい負けてしまうのだ。

ところがこのすごい決め技を、三沢選手は、
持ち前の運動能力と奇想天外な発想で、
投げられた後に床をついて回転して、
相手と体位を入れ替えて、
見事な決め技返しで相手を仕留めてしまったのだ。

相手の圧倒的パワーと決め技の力を利用して、
絶体絶命のピンチを自分のチャンスに変えてしまうというすごさ。
相撲にたとえるなら、曙を破る舞の海みたいな感じ。
不可能を可能にしてしまう、
華麗な技の数々に、私は三沢選手の虜となった。

三沢選手の戦いぶりから、
決して最後まであきらめないこと、
先天的な能力の差は後天的な努力で乗り越えられること、
パワーがなくても技や頭脳で打ち負かせることなどを学んだ。

世界最長小説のグイン・サーガの著者、
栗本薫さんが亡くなった時も大きなショックだったが、
それ以上に三沢選手の死は私の心にポッカリと穴を空けた。

まだ何の自信もなく、何をやりたいかもわからず、
他人や世の中に不平ばかり言っていた若かりし頃に、
明るい希望の光と奮い立たせる勇気をくれた三沢光晴選手。

亡くなってしまって本当に残念だけど、
三沢光晴選手の戦いぶりは、永遠に不滅だと思う。

ミサワ!ミサワ!

ミサワコールがずっと心の中で鳴り響いている。

ご冥福をお祈りいたします。

by kasakoblog | 2009-06-15 19:35

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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