好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

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2009年 07月 18日

事故の後付け批判

北海道の大雪山系で中高年ツアー客10人が
死亡するという事故が起こった。
旅行を主催したアミューズトラベルのホームページを見ると、
チベット、ネパールなど、私には馴染み深いが、
一般観光客にとっては“マイナー”なエリアのツアーが、
なぜかいっぱい載っている。

それを見て、なるほどと思った。
そっか。だからネパールに中高年団体ツアー客がいたのかと。

GWにネパールに行った。
カトマンズでおいしいそば屋に行き、そばを食べていると、
60~70歳ぐらいの男女15人あまりが店に入ってきた。
ネパールなんかに中高年の日本人旅行客って珍しいなと思ったが、
「カトマンズの無事帰還おめでとうございます!」
と乾杯をはじめた。
どうやらエベレストが間近に見える山に、
登山をしてきて無事にカトマンズに戻ってきたらしいのだ。

それとは別にもう1人、30歳後半ぐらいの男性がいて、
その人はエベレストベースキャンプまで行って、
やはり無事にカトマンズに戻ってきて、
そのお祝いにおいしいそばを食べたいとのことで、 この店に来たようだ。
高山病で大変だったという話で、
その男性とツアー客は意気投合していた。

チベットもエベレスト周辺も簡単に行ける時代となった。
行けるものなら行ってみたいと思うのは人間の心情だろう。
ましてや個人ではなくツアーなら安心という心理も働く。

行きたいのであれば行った方がいいと思う。
写真で見るのと実際に見るのとでは、
感動の度合いは比べ物にならない。
その場に立ち、自分の五感で感じられる旅の素晴らしさを思えば、
多少の危険を冒してでも、
旅に出たいという気持ちは、私も旅好きだけによくわかる。

しかしこの手の事故はなんともいいがたい。
結果たまたま大惨事になれば、
ツアー企画会社が悪いとか、ガイドの判断が甘かったとか、
登山者の認識が甘かっただとか、 日程が厳しいとか、装備が不十分とか、
いかようにでも非難を浴びせることはできる。

でもそれって事故が起きたから後付けで言えることで、
事故が起きる前にそのような警告を発した人は少ないんじゃないか。
事故が起きれば、 「ほれみたことか、だから危険だといわんこっちゃない」
と自慢げに俺は賢いんだという輩はたくさんいるだろうけど、
本当に賢い人は、事故が起きる前から警告しているだろう。

ただ認識しておいた方がいいのは、
ツアーだから安全、個人だから危ないとか、
どこの国は安全でどこの国は危ないとか、
年寄りは危険で、若い人は危険じゃないとか、
そういう先入観で旅をしてはいけないということだ。

ツアーにはツアーの危険がある。
どんなに安全な国といったところで、
思わぬ事故に遭遇する可能性はある。

事故が起きて誰が悪かったのか、
分析することは重要だとは思うけど、
誰が悪かろうが、
登山も旅も人生も、
最終的には自分の判断=責任になるということを、
認識する必要がある。

事故が起きてから「あそこは危ない場所だ」という、
地震が起きてから実は予測していましたみたいな話ではなく、
事故が起きる前に、山でどんな危険性があるか、
登山者に周知させる仕組みづくりが重要なのではないか。

今回の事故をきっかけに、
事故に巻き込まれたことを「愚かだ」「自業自得だ」
と外野から騒ぐことだけでなく、
他の山でも、また海などでも、
事故を極力減らす情報共有の仕組みができるといいなと思う。

たとえばこの山で夏でもそんなに寒くなることもあるって、
知っている人がいっぱいいるなら、
それを事前に教えてあげれば、
被害を最小限にすることだってできただろうに。

そもそも山に行ったから危険、
だから山に行かなければ安全みたいな、
人生とはそういう簡単なもんじゃないと思う。
どこにでも危険はあるし、
誰もが思わぬ場所で思わぬ事故に巻き込まれる可能性はある。
避けられる危険は避けた方がいいが、
避けられない危険は、
危険への準備をしておくことも必要ではないかと思う。

チベットは近い(チベット旅行記)
http://www.kasako.com/07tibettx.files/07tibet1.html

ネパール・カトマンズ
http://www.kasako.com/09nepaltop.html


by kasakoblog | 2009-07-18 10:36 | 一般


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