2009年 11月 03日
休日のご主人様電話勧誘
「ご主人様でいらっしゃいますか。
お住まいの件でお知らせがありまして」

休日になるとほぼ無用の長物と化した、
固定電話が何度か鳴る。
何かと思って出るとそのほとんどが、
マンション販売の電話勧誘だ。

未だに電話勧誘や訪問販売という迷惑商法が、
禁止されていないことを不思議に思う。
たとえば携帯電話に知らない会社から突然電話が掛かってきて、
「マンション販売のご案内がありまして」
という話がきたら、どこで携帯番号知ったのかという話から、
大問題に発展する可能性もあるだろうが、
なぜか固定電話だと許される雰囲気があるのが不思議だ。

円安バブルに浮かれた昨今の不動産バブル崩壊で、
マンションが余っているせいか、
はたまた不景気による就職氷河期で、
あやしげなマンション販売電話勧誘会社にしか、
就職できなかった若者が多いせいか、
マナーの悪い電話勧誘が多い。

売らなければ会社が危ない。
売らなければ自分の給料が危ない。
不景気になると強引・悪質な勧誘が増えるのはこのためだろう。
金のためなら人間は何でもやるということだ。

悪質勧誘商法の広がりを受け、
電話勧誘では「再勧誘の禁止」が特定商取引法に定められている。
電話が掛かってきて「必要ない」といった断りの意思表示をした人に、
勧誘の継続および再勧誘は禁止されているのだ。

今日掛かってきた「リスペクトのキクチ」と名乗ったのは、
声や対応の感じからわりと若い兄ちゃんだった。
慣れていない感じもあったので、
もしかしたら新人なのかもしれない。

電話が掛かってきて「結構です」といって電話を切ったものの、
なんとすぐにまた電話を掛けてきた。
今までにそんな会社はほとんどない。
「2点だけどうしてもご案内したいのですが・・・」とすがりつく。
「再勧誘の禁止」違反である。

「オタクは法律違反だろうが!」
と言って電話を切ったがまた掛けてきて、
あまりにしつこいので電話に出るのをやめた。

国民生活センターにでも報告しようかと思ったが、
多分、そうした対策のためだろう。
電話は「非通知」でどこの会社だかわからない。
ネットで調べてもそれらしきものは出てこなかった。
ようは自分たちが悪いことをしている確信的犯罪企業なんだろう。
だから非通知なのだろう。

マンション販売に限らず不景気になると、
自分の金欲しさに悪質商法がまかり通る。
だからこそ「消費者庁」なるものができたんだろうけど、
私は前々から公正取引委員会を公正取引省にして、
悪質商法や悪質勧誘の企業や社員は、
もっと厳罰に処すべきだと思っている。

ただこういう電話営業をしている人たちを、
「かわいそうだな」と思うこともある。
なぜならこういう電話を掛ける人は、
社会のからくりをあまり知らない若者ばかりだからだ。

自分のやっていることがどういうことか、
よくわかっていない。
就職したこのような企業が、
社会の常識のように“洗脳”させられる。

前にマンション電話販売会社を取材したことがあるが、
会社に入ると異様な光景が広がっていた。
スーツを着た若い男性がみんな立って、
電話を掛け続けているのである。
椅子がそもそもない。
机と電話だけだ。

聞くところによると気合いを入れるためと、
座っている暇なんかないということらしい。

この光景を見ただけで、
社会経験が多少なりともあれば、
「こんな会社には絶対に入ってはいけない」
と思うが、他の会社を知らなければ、
はじめはおかしいなと思っても、
これが当たり前だと思い込まされ、
おかしいと思っても自分の生活費を得るために、
変なことでも堂々とやるようになってしまう。

電話勧誘している若者も、
ある面では社会の「被害者」で、
かわいそうだなと思ってしまう。

先日、女性社員にコマネチを強要したというニュースがあった。
机の上にスカート姿で足を広げて立たされ、
男性社員の前で「コマネチ!」という言葉を、
40回以上も絶叫させられたというのだ。

なぜこんなことを?と思うかもしれないが、
記事によると別に特殊な性欲を満たす目的ではなく、
「恥やプライドを捨て職務に当たるため」の、
気合い入れみたいなものだったらしい。

少し前には、遅刻した社員を反省させるため、
駅で反省文を大声で読んだ姿を動画で撮影させ、
ネットで公開させるという会社があったのも記憶に新しいところ。

このような極端な例を見れば、
「頭おかしいんじゃないの?」
「こんな会社、絶対におかしい」
「言われてやる方もおかしい」と普通の神経の持ち主なら思う。

しかし社会の経験が少ない若者が、
変な会社に最初に入ってしまい、
しかも容易には転職できない経済状況にあれば、
多少おかしなことでも、
自分の生活のためにはやらざるを得ないと思ってしまう。

不景気による就職氷河期ゆえ、
自らの生活を守るためには、
多少変な会社でも働かざるを得ず、
多少悪質な商法だろうが、
自分の給料を稼ぐためには、
やむを得ないと思ってしまう若者たち。

先日私は「若者が損する社会」という日記を書いたが、
だからといって変な会社に就職したり、
おかしなことを強要されても文句を言わなかったり、
悪質な商法をすることは明らかにおかしい。

石田衣良著「Gボーイズ冬戦争」を最近読んだ。
そこにはいわば「損をした若者」が、
その損を取り戻すため、
振込詐欺や悪質絵画販売にのめり込む姿が描かれていた。

誰かが損をすることで、
自分が得をするような商売は商売ではない。
誰かが迷惑する方法で商売を行うのは商売ではない。
本来、商売とは、誰かが喜ぶことをして、 その対価を得るものだ。

自分が「被害者」だからといって、
「加害者」になってはいけない。
時代や社会が悪いからといって、
おかしな仕事をすることを正当化しないよう、 気をつけてほしいと思う。

社会経験が少ない若者が、
「被害者」から「加害者」にならないよう、
社会の実態を知り、 情報武装できるような日記を今後も書いていきたい。


電話勧誘販売のルール(特定商取引法・経済産業省)
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/tokushoho/gaiyou/denwa.htm

石田衣良著「Gボーイズ冬戦争」


by kasakoblog | 2009-11-03 20:58 | 一般


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