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株と債券の違いをご存知?

金融リテラシーのない日本。
だから多くの人は金融で騙されてしまう。
そこで、随時、日記で金融のことをわかりやすく解説します。
今回は、株と債券の違い。

株と債券の違いをご存知でしょうか?
簡単にいえば、
・株はお金を返さなくてもいい
・債券はお金を返さなければならない
ということです。

株と債券は何のためにあるかというと、金を集めるためです。
世界中の投資家が投資している対象のほとんどが株と債券です。
株に投資したり、債券に投資し、
企業や国に資金を提供しています。
なぜなら儲かる可能性があるから。

<債券とは>
たとえば私がカフェ経営をしようと、
かさこ株式会社を作ったとします。
カフェ経営には数千万円のお金がいる。

普通は銀行から借金(ローン)するわけです。
でも銀行から借金したら金利は高い。
つまり返すお金の負担が大きくなってしまう。

お金を借りるなら、
誰もができるだけ低金利で借りたいと思うでしょう。
そこで、かさこ株式会社が社債=債券を発行する。

社債とは借用証書です。
銀行から借りるのではなく、
一般の投資家からお金を募るわけです。
なぜなら銀行より安い金利で、
お金を貸してもらえる可能性があるから。
たとえば「3%の利子をつけて返すから100万円貸してくれ」と。

投資家からすれば銀行にお金を預けていても、
0.1%ぐらいしか利子がつかないのに、
かさこ社債を買えば3%の利子がつく。
ならば預金よりトクだということで、
社債を購入したりするわけです。

現に金融危機以降、多くの企業が、
個人投資家向けに社債を発行しました。
なぜなら金融危機で銀行がお金を貸してくれるかわからないから。
事業を行う上でしっかり資金を確保しておきたいために、
社債を発行して金を集めたわけです。

社債というのは借金ですので、
必ず元本に利子をつけて返さなければならない。
しかし、債券というのは借用証書=紙切れに過ぎないわけです。
もし、かさこ株式会社が倒産したら、
社債は単なる紙切れになってしまうわけです。
そういう危険がある分、預金金利なんかより高くしているわけです。

債券には企業が発行するもの以外に、
国や自治体が発行するものが多い。
いわゆる国債とかそういうものです。
国債とは国の借用証書のこと。
日本国が出す債券と、かさこ株式会社が出す債券と、
どっちが信用できるかっていったら、
一般的には国なわけです。
企業は倒産するかもしれないけど、国は潰れないだろうと。

その代わり、国の方は利息が少ない。
信用がない企業ほど利息が多いとこういう仕組みになっています。

債券は何も日本に限らず、
海外企業の債券もあれば、外国の国の債券もあります。

<株式とは>
かさこ株式会社が社債を発行して、
1000万円調達できてカフェ運営が始められたとしても、
1年後に1030万円にしてお金を返さなければならない。
これは企業側にとっては大きな負担です。

そこで債券ではなく株式を発行する。
なぜなら株は債券と違って金を返さなくていいから。

かさこ株1株10万円を100枚発行して1000万円集めたとする。
かさこ株式会社は別に株を買ってくれた人に、
お金を返す必要はないんです。
債券と違って非常に便利な金集め方法でしょ。

投資家はなぜ返してもらえるかもわからない株なんかを購入するか。
儲かる可能性があるからです。
債券と違って利子が約束されているわけではない。
でも、かさこ株式会社が好業績を上げて人気の企業になれば、
1株10万円で購入した株を50万円で売れるかもしれない。
これが株のマジックです。
5倍になるなんて債券や預金ではあり得ない。

また株をずっと持っていれば配当がもらえる可能性もある。
配当がもらえて、かつ高値で転売できれば、
こんなおいしい投資商品はないわけです。

つまり株は発行する側も負担にならないし、
株を買う側も大きな魅力があるので、
だからみんな株価を気にするんです。

しかしメリットがあればデメリットが必ずあるのが、
金融の世界の常識です。
金を返さなくていい紙切れを発行して、
金を集められるというメリットがある反面、
株を買った人から口を出されるということです。

株を売るということは、
企業の所有権の一部を売ってしまうようなものです。
経営者は大株主=金主の言うことを聞かなければならない。
業績を上げられない経営者は解任されてしまうかもしれない。
株というのは、経営側にとっては、
そういう危険があるんです。

だから株式会社の中には上場していない大企業もある。
上場したら見ず知らずの人に株を買われてしまい、
その人に会社に口出しされてしまうかもしれない。
株を親戚とか知人とかにしか売らない企業も当然ある。

投資家にとっても5倍、10倍とボロ儲けできる反面、
まったくの紙くずになってしまう可能性もある。
債券は会社が倒産しない限り、
まず確実に利子がついて金が返ってくる。
しかし株は値段の乱高下が激しく、
かさこ株を10万円で買ったのに、
1年後には1万円になってしまうこともある。

これが株と債券の違いです。

今年は企業が増資(株を新たに発行すること)しまくり、
社債もばんばん出ました。
企業活動の成否を決める大きなポイントが、
いかに資金調達をするか。

企業から見た資金調達の手段としての株と債券。
投資家から見た株と債券。
金融の主要ファクターですので、
覚えておくとよいかと思います。

※私の現段階での知識でわかりやすく解説しましたが、
まだまだ勉強途上のため、
違っているところがあればご指摘いただければ助かります。

by kasakoblog | 2009-12-14 00:33 | 金融・経済・投資

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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