2008年 01月 29日
ブラジャーが不快。異常苦情社会のなれのはて
「ブラジャーが透けるほど汗をかいた最後っていつだろう」

広末涼子のCMなのだが、「ブラジャー」が不快だという苦情があり、
「こんなに汗かいた最後っていつだろう」に変更されたという。

そのニュースを聞いて真っ先に思ったのは、
「苦情を言った奴に苦情を言いたい」ということだ。
苦情を言えばなんでも取りやめになるなら、
苦情を言った輩への「逆」苦情が多ければ、
CMは元に戻るのだろうか。

ちょうどそんな折、週刊ダイヤモンド08年1月26日号で、
「恐怖のクレーマー」という異常クレーマー特集の記事が載っていた。
それを見ると、広末ブラジャー苦情など比べ物にならないほど、
ひどいクレーマー事例が載っていた。

京都宇治市の雨水用マンホールにひらがなで、
「うすい」と書いてあったのを発見した臼井さんが
「孫の名前が踏みつけられている」と激怒し、
市内すべてのマンホールを取り替えるよう要求したという。
一度は市は断ったものの、
クレーマーの無理強いに負け、
なんと宇治市は臼井さん宅周辺のマンホールを数箇所、交換したという。
マンホール1つの交換費用は15万円もする。
もちろん臼井さん負担ではなく税金負担だ。

それ以外にも魚が生臭いという主婦だとか、
とんでもないクレーマーが紹介されている。

笑い事ではない。
2004年には何度も異常過剰なクレームをつけるしつこい客を、
牛丼屋店長が殺すという事件まで起きてしまった。

しかしここで問題なのは、
明らかにおかしい、異常な苦情を聞いてしまう企業・自治体の問題もある。
CMにせよ宇治市にせよ突っぱねればいいわけだけど、
なんせ偽装列島ニッポンである。
騒ぎを起こされおかしな報道のされ方をしたら、
企業・自治体のマイナスイメージになりかねない。
そこでクレーマー対策として、
異常要求でも聞いてしまっている。

それにつけこんだクレーマーもいて、
あることないこと文句をつけて、
企業から金をせしめとって暮らしていたクレーマーもいたという。

でもこの問題ってすごく根が深い。
おかしなクレーマーが悪い、とだけは言えないからだ。
耐震偽装、耐火偽装、食品偽装、エコ偽装などなど、
企業の尽きない偽装、悪行の数々。
金をとっているとは思えないひどい態度やサービス、物言い。
結局、企業に対する根強い不信感みたいなものが、
増長するクレーマーを生み出している一因ともなっている。

むしろ、こうした企業の悪行を許さないためにも、
正当な苦情・クレームはどんどん言うべきなのだが、
じゃあどこまでが正当な苦情で、どこまでが異常な苦情なのか、
その線引きは大変難しい。

こうなってくると苦情も言わずに我慢している方がバカらしくなる。
苦情をいえば、金をくれたり、
いい席や部屋に変えたりしてくれる。
苦情を言わずに目をつぶっている、本来の良客には、
苦情を言わないから何もしないという、
おかしなサービス不均等。
こうなったら言ったもん勝ちみたいな雰囲気になるのは致し方がない。

このどうしようもない社会を変えることは到底できないんじゃないかと、
過剰異常クレーム社会の実態を聞くとうんざりするのだが、
私が今の時点で考えうる唯一の解決策は、
法律がきちんと何が悪いことで何が良いことなのかを明文化し、
悪いことについては厳しく罰すること。
苦情があれば苦情の相手先ではなく第三者機関の窓口をつくって、
そこがその苦情が正しいかどうかを調査・判断する。
そうやって良い苦情はフィードバックし、
悪い苦情は排除する仕組みを作らなければならないのかなと。
その意味では福田君の「消費者庁」構想というのは、
中身はともかくもそう的外れなことではないのかもしれない。

話は戻って広末涼子のCM。
CM自体は最低の作りだと思うが、
出産後、まるですべての膿がなくなって、
実に美しく清楚で生まれ変わった天使のような広末涼子に、
場違いなブラジャーという言葉を発せさせる、
あのエロティシズムはなんともたまらないと思うのだが、
それを快感ととるのか不快ととるのかは、
人によって違うわけで、
放送禁止用語を言っているわけでもなく、
誰かを中傷しているわけでもないので、
別に取りやめるほどのものなのかは疑問に思う。

とはいえ、この広末出演の「からだなんとか茶」とかいうCMは、
以前に「広末涼子、浄化計画。」が、
薬事法に抵触する恐れがあると東京都に指摘され、
「気分浄々」に変更したという前科がある。
そんなCMだからこそ刺されるのは致し方がないのかもしれないが。


by kasakoblog | 2008-01-29 00:31 | 一般


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