2010年 02月 05日

魚のうまい店・閉店危機

新橋の隠れ家的魚のうまい店が、
閉店してしまうかもしれない・・・。

e0171573_23574938.jpg40年営業を続けてきた「くいな(水鶏)」というお店。
“昭和レトロな雰囲気”といえば聞こえがいいが、
オンボロ店舗で今にも崩れそうな(笑)、昔ながらの店。
とてもふらりとは入れないような雰囲気だけど、
私は7~8年前に当時の会社の先輩に連れられて、
この店を知り、同じ「笠原」という苗字であったこともあり、
すっかりこの店が気に入って、 何度も訪れるようになった。

こんな隠れ家的な店を多くの人に紹介したいと思い、
ご主人に聞いてみると、ぜひ紹介してほしいと言われた。
「年配の常連さんがどんどん退職しちゃって、
年々お客さんが減ってるから」

e0171573_23571254.jpgそんなわけで2005年に取材させてもらい、
ホームページで紹介したところ、
「かさこワールドを見て来たお客さんが、
月に1度か2度はいるぞ!」と喜んでもらえた。

ここ最近、しばらく行っていなかったので、
今週火曜日に行ってきた。
お客さんはまずまず入っていたけど、
新橋自体が、年配サラリーマンの町・オフィス街としての、
“地盤沈下”をしているせいか、常連年配客が減り、
「もうあと1年で閉店しようかと思っている」
と言っていた。

私はこの店にいろんな人を連れてきたりして、
30回ぐらいは行ってるから、
それほど希少性は感じなかったんだけど、
「あと1年で閉店してしまうかも」という言葉を聞き、
「もしかしたらあと数回しか食べれない」と思うと、
なんだか急にいとおしくなってきた。

そんなわけで2005年に一度ホームページで紹介した店ですが、
ぜひみなさん、よかったら一度、
この店に行ってみてください。

「かさこワールドを見て来た」といえば、
きっと歓待してくれると思いますので。

・・・店紹介記事(2005年執筆)・・・
超おすすめの、まさしく隠れ家的お店を紹介します!
場所は新橋・SL広場すぐ近くにある「くいな(水鶏)」という店。
魚より肉が好きな私でも人に紹介してもらって、
大のお気に入りになったこの店は、魚の専門店です。

ここに店を構えて2005年で36年目。
笠原さん夫妻(ちなみに私の親戚関係ではありません)がやっている、
とってもアットホームな店だ。
新橋のサラリーマンがちょっといつもとは違った雰囲気で、
いい魚を食べながら酒を飲む、そんな店です。

とにかくユニークな店ではじめて来た時には
カルチャーショックを受けました。
外観からみるに到底入りにくい店。
お世辞にもきれいとはいい難い店内。
なつかしいダイヤル式電話。いまにも潰れそうな老朽化した古い店。

「ここはね、自分でビールを取るんだよ」と、
客が勝手にカウンター後方の冷蔵庫からビール瓶を取り出し飲み始める。
そして一体、この店からどんなうまいものがあるんだろうかと、
メニューを待っていると、
「ここはメニューはないんだよ」と紹介してくれた人が教えてくれる。

出てくるのは必ず決まったコース。
まず鳥の皮のからしあえがお通しとして出てくる。
これが絶妙の辛さででもまろやかな感じもあって、
ビールのつまみに最適。
お通しで口をごまかしていると、
たっぷりと盛られためごちの天ぷらが。
中がふかふかしたやわらかい白身をほくほく食べれる。
この天ぷらに驚き、やっとこの山盛り天ぷらを平らげると、
新鮮な刺身がこれまたたっぷりと盛られて出てくる。
だいたい刺身の種類は6種類。
えび、いか、いわしは定番メニューで、
あとは季節によっていいものを入れるという。
今回は生きたままのタコと白子とホタテだった。
とにかく新鮮で、これまで食ってきた刺身とは
まったく別物と思える鮮度。
下手な地方の刺身を売りにした宿なんかより、
相当いいものが出ているということがわかる。

この天ぷら・刺身で腹いっぱいになると、しめのさっぱりスープ。
刺身の残り物を使ったつみれも入っていて、
これはおかわり自由なのだ。
のどが渇く頃だから、あったかいスープが何杯でもいける。

このコースで1人3200円!
いやあ、ものすごい安いですよ。これだけのものを出して。
ほんとすばらしいです。
しかもこれが地方じゃなくって東京のど真ん中で食えるんだからすごい。

なぜコースメニューなのか?
ーそれはいいものを出すためだとご主人はいう。
「昔はね、いろんなメニューやってたの。
でもそうすると余ったりしちゃっていいものが出せなくなっちゃう。
だからね、メニューは固定、コースだけにしたの。
そしたらいいものだけ決まって必ず出せるでしょう」

毎朝、築地市場から仕入れているので朝早いのかと思いきや、
行くのは9時か10時ぐらいだという。
「朝早く行くと、昨日の残り物を売ろうとするから。
だからこのぐらいの時間がちょうどいいの」

場所柄、昔の新橋のサラリーマンのたまり場といった感じなので、
店の歴史とともに客も年をとり、ほとんどが定年を迎えた世代で、
最近はわりと空いていることが多いそうだ。
コースが決まっているとか店が汚いだとか、
カウンター席が10席ぐらいしかないといったことも、
最近の時代の流れからは
「流行らない」店になっているのかもしれないけど、
反対口にできたただ高いだけの新しいビルに入っている
テナントレストランなんかより、
すばらしいものを出し、すばらしい空間を提供してくれる。
もうご主人は66歳。「あと4、5年ぐらいかな」という。

来た客は瞬く間に顔を覚え、3ヵ月後ぐらいに来ても名前を覚えていてくれる。
話好きで、いろんなことを知っている。
特に今、凝っているのは万葉集。
万葉集の話を向けたら次から次へと詩をそらんずる。
この手の店によくいるタイプの気難しさと頑固さで妙な店の権威をつけるような、
そんな店主とは正反対の、とってもフレンドリーなご主人だ。
7つ年下の奥さんともども息のあった二人三脚でもてなしてくれる。

「昭和」の名残を残したほんまもんの店。
ぜひみなさん、一度行ってみてください。
※かさこワールドを見て来たといえば、歓待してくれると思います。

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住所:新橋2-8-14(新橋駅SL広場から徒歩3分)
電話:03-3580-3434
(予約はできませんが、店の空き状況を聞けます
※電話は客が出る(笑))
営業:17時~22時30分
休み:土・日・祝日


by kasakoblog | 2010-02-05 23:58 | グルメ・ラーメン


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