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apフェスやらなくてもいいのでは?by桜井さん

ミスチル桜井さんと音楽プロデューサー小林武史氏が中心となった、
“環境”音楽イベント・apbankフェスの今年の開催が決定した!
しかし今回、桜井さんから、
「今回のフェスはやらなくていいのではないか?
というところまで話をしていたんですよ」
という“衝撃”の事実がキックオフ対談で明かされた。

私はまったく驚かなかった。
むしろ今年はもう開催しないのではないか。
そんな気がしていた。
だから開催しないところまで話がいっていたのに、
今回、敢えてまたやることにしたというのは、
極めて興味深いと思っている。
果たしてapbankフェスをやる意義が見出せるのかと。

私がもう開催しないのではないのかと思った理由は、
環境=エコがビジネス化され始めたからだ。
小林武史氏もキックオフ対談で語っているように、
5年前にフェスが開催した時は、
環境がカウンターになり得たが、
今は多数派どころか、ねじ曲げられたエコが、
ビジネスや政策に利用されるようになっている。

そのような中で「エコ」を叫ぶことは、かなり危険だ。
それに気づき始めたからこそ、
桜井さんは最近フェスで「環境」とか「エコ」という言葉を、
あまり全面に出さなくなった。
まあそのせいで、アンチ派からは、
「何がエコイベントなのか」という批判をされるわけだけど。

環境がビジネス化される風潮とは別に、
apbankフェス自体がチケット争奪戦が激しくなるなど、
年々過剰に盛り上がる中で、
単なる夏フェス化してしまったという問題もある。

呼ばれるアーティストも年々ビッグネーム化し、
「どこかエコなアーティストなのか」
という批判も多くなっていった。

もちろん、環境に良いことが歌詞になっていれば、
エコなアーティストなのかとかはかなり疑問なわけだし、
そもそもアーティストをエコかエコでないか、
分けることは不可能だとは思うんだけど、
初期の頃にある一定の線で配慮されていたような、
アーティストの人選が年々形骸化したように見え、
集客のためのサプライズばかりに注目が集まっていったような気がする。
その頂点が昨年呼んだ矢沢永吉だ。
多分もうこれ以上のビックネームのサプライズはなく、
小林武史氏がいうようにイベントとして一区切りを迎えた感はあった。

いやだったらもうエコなんか関係なく、
ただ、つま恋という特別な場所に、
1年に1度みんなが集まって、
音楽を奏でて楽しめばそれでいいじゃないか、
という考え方もあると思う。
でもそんな夏フェスなら腐るほどある。

腐るほどあってもミスチルが出て、
かつ桜井さんがボーカルを務めるBankBandが出ることに、
他フェスにはない特徴はあるわけだけど、
桜井さんや小林武史氏がやりたいのは、
単なる夏フェスではないはず。

何かイベントをやる以上、
音を楽しむだけではなく、音楽をきっかけとして、
何か少しでも社会の役に立つ意義のあるものにしたい、
と思っているはずだ。
だからこそ集客的に成功していても、
「今回のフェスはやらなくてもいいのでは」
というところまで話がいったのだと思う。

そこで最近では「LOVE CHECK」ということを、
新たなテーマに打ち出しはじめた。
apフェスやめて、冬に「LOVE CHECK」イベントをしよう、
なんて話も出たらしい。

でも正直「LOVE CHECK」はぴんとこない。
エイズの問題を持ち出したわけだけど、
日本で今、数百万人、感染者がいて、
大きな問題になっているならともかく、
現時点でエイズ問題って、
途上国の貧困問題の1つという感覚しか、
持っていない人が多いと思う。
それを桜井さんや小林さんも気づいているようで、
今回はそのようなイベントにはしないようだ。

では何をテーマにするのか。
対談から推察すると、
どうも若いアーティストとの共振を、
主要なテーマにするようだ。

「資本を持ったものが勝ち続ける」音楽シーンを打破したい。
だから今度はビックネームの、
グレートアーティストを呼ぶのではなく、
若いアーティストを呼ぼうと。

それはそれで素晴らしいことだと思う。
若いアーティストなら、
私が応援しているメリディアンローグなんか、
apfesに呼んだら絶対にいいと思う。
メリログが呼ばれたら、
私も再びapfesに今度はカメラマンとして参加できるかもしれない。
(08年のフェスは記者として参加)

でも若いアーティストを発掘するイベントが、
毎年やっているapbankfesという看板でいいのか、
ということには大きな疑問が残る。

それに今の音楽シーンは、
資本を持ったものが勝ち続ける時代ではなくなった。
デジタル化、配信が主流になり、
Youtubeなどでアピールできるようになり、
資本がなくてもいい音楽を奏でていれば、
ブレイクできる可能性は、これまでよりぐんと広がっている。
「資本を持ったものが勝ち続ける」うんぬんは、
ちょっと時代を捉えていないのではないかと。

そんな風に私は思っているけど、
開催中止を検討したにもかかわらず、
あえて今年も開催することで、
どれだけの意義があるのか。
その場限りの楽しさだけでなく、
イベントが終わって日常生活に戻っていった時に、
どれだけ心に何かを残せるのか。
どれだけ共振することができるのか。

桜井さんや小林さんは、
単なるただ楽しいだけの、
夏フェスをやるだけではない人だと期待しているからこそ、
果たして今年のapbankfesが意義あるものになるのか、
注目したいと思う。

それかもう無理やりテーマづけするのはやめて、
BankBandとミスチルの野外コンサートにするだけでも、
十分それはそれで素晴らしいイベントだと思う。

どうなるんだろう。
今年のapfes。

apbankfesはエコイベントか?
http://kasakoblog.exblog.jp/10640664/

キックオフ対談
http://www.eco-reso.jp/fes10_talk/

by kasakoblog | 2010-03-04 23:10 | ミスチル

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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