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ケータイをボロボロに使う人ほど信用できる

物があふれて誘惑が多いせいか、
道具をとことん使いこなしている人ってほとんどいない。
だからケータイをボロボロになるまで使っている人みると、
見た目なんかより機能を重視し、
買ったものを最後まで使い切る、
本当の意味での物を大事にする心を持っている人だなと思い、
なんかこの人なら信用できると思ってしまう。

本当に必要な物なんてそう多くはない。
ましてや買い換える必要などほとんどない。
でも買い換えさせることが企業にとっては死活問題であり、
買い換え需要が増えることが経済の活性化=すなわち善とされているから、
必要じゃないものでも、
今、使っている物で十分なのに、
消費者に買い換えさせようという誘惑が、
毎日のように押し寄せてくる。

でもだからといって「物を大事に使う」
という意味を勘違いしてはいけない。
いつもピカピカにして、傷つけないよう、
そっと道具を使っているような使い方は、
本当の意味で大事に使っていない。
というか道具をコレクションと勘違いしているのだ。

道具とは鑑賞するためにあるのではなく、
使うためにあるものだ。
なのに汚さないようおそるおそる使っている人をみると、
本末転倒なんじゃないかと思ってしまう。
道具を使いこなしているのではなく、
道具に使われてしまっているのではないかと。

私も比較的ボロボロになるまで、
とことん物を使うほうで、
だからあまり物を買い換えることは少ない。

先日、ここ2年ぐらいよく着ていたジャケットを捨てた。
無印用品店の店舗改装売り切りセールで、
1万円のジャケットが4000円で売られていた。
その時は安いから買っておこうぐらいの気持ちで買い、
しばらくまったく着ずに放置されていたんだけど、
ある時、着始めたらこれが便利で、
毎日のように着ていた。

会社に行く時も島猫を撮影する時も、
このジャケットを重宝していて、
暑い時なんかは平気でリュックに突っ込んだりしてたもんだから、
相当ボロボロになっていて、
さすがにそろそろ寿命だなと思って、
買い換えることにした。

リュックに突っ込んだりするからダメになるんだ、
なんていわれそうだけど、
ジャケットを大切に着るためにジャケットを着てるんじゃなく、
取材がしやすいよう、寒くないよう、
ジャケットを着ているわけで、
それが取材や寒さの邪魔になれば、
手で持って歩くよりリュックにぶっこんだ方が、
いい取材はできると思うから、
平気でリュックにぶっこむ。

私はそういう感覚で物を使っている。
道具は何か目的を実現するためにあるのであって、
目的の邪魔になる場合は、
邪魔にならないような扱い方をするのは当然だと思う。

何でもかんでもいい加減に扱えというのではなく、
自分にとって何をしたいかが一番であって、
道具は優先順位の一番じゃない。
でも道具を優先順位の一番にしてしまう人は多く、
そのためにせっかくの第一目的が達せられない、
という人も意外と多い。

カメラなんかまさにそうで、
前にも書いたことはあるけど、
私はいい写真を撮影するためにカメラを使っているのであって、
別にカメラのコレクターではないから、
カメラをきれいに使うという意識は毛頭ない。
いい写真を撮ることが第一であって、
カメラをぴかぴかのまま使うことが第一ではない。

何をするにもそうだけど、
何が一番したいか目的をはっきりさせることが大事。
優先順位は何かを明確にすることが大事。
それをはっきりしないまま、
漫然と道具を使っていると、
いつのまにか道具の奴隷になってしまう。

ボロボロになるまで道具を使いこなせるのは、
使う目的がはっきりしているから。
使う目的がはっきりしないまま、
なんとなく売り場なんかに行ってしまうと、
あれもこれも欲しくなってしまい、
新品に買い換えるんだけど、
ろくに機能を使いこなさないまま、
なんとなくまた新商品に目移りしてしまう、
といった悪循環を断ち切るようにするとよいと思う。

by kasakoblog | 2010-03-23 23:03 | 生き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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