好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

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2010年 10月 26日

感動!ぶりぶりざえもんの物語

※この日記はクレヨンしんちゃん映画、
「電撃!ブタのヒヅメ大作戦」のネタバレを含みますので、
お気をつけください。

昨日、感動の映画を見た。
そう、クレヨンしんちゃん映画「電撃!ブタのヒヅメ大作戦」だ。

クレヨンしんちゃん映画の中でも、
大人が見ても感動して泣ける作品には、
「オトナ帝国の逆襲」と「戦国大合戦」が二大巨頭だ。
それ以外のクレしん映画はすべて見ていたけれど、
久々にまた見直しているところ。

そこで見たのが「電撃!ブタのヒヅメ大作戦」なのだが、
二大巨頭作品に負けない、素晴らしい感動シーンがあった!
もうなんとも涙と笑いと感動がつまった、
最高のシーンだったので、
ぜひみなさんも映画を見て欲しいのだが、
そうはいってもクレしん映画を実際に借りる人は、
きっと少ないと思うので、
そのシーンを紹介したい。

クレヨンしんちゃんが考案した「ぶりぶりざえもん」は、
かわいくて生意気な豚人間。
その豚人間・ぶりぶりざえもんが、
世界中のコンピュータを犯すウイルスとして登場するのだが、
そこでクレヨンしんちゃんが待ったをかける。
「ぶりぶりざえもんは救いのヒーローだぞ!」と。

悪の支配者になろうとしていたぶりぶりざえもんは、
その声に耳を傾け、救いのヒーローの話を、
しんちゃんから聞かされる。

・・・・
ぶりぶりざえもんは渋谷のセンター街で、
女子高生のパンツをのぞこうと地面をはっていた。
そこで女子高生同士が話していた、
「お宝いっぱいの山」があることに知り、
ぶりぶりざえもんは山に出かける。

山の途中で泣いているレースクイーンに出会う。
しかし先を急いでいるぶりぶりざえもんは無視するが、
レースクイーンに無理やり呼び止められたので、
「どうしたの?」と聞くと、
靴が壊れてしまったという。

そこで手先が器用なぶりぶりざえもんは、
いやいや靴を直してあげた。
するとレースクイーンからお礼にF1チケットをもらう。

再び山を登っていくと、今度は泣いているOLに出会う。
面倒なのでぶりぶりざえもんはOLに気づかないよう、
道を変えて進むもOLにつかまってしまう。
「どうしたの?」と聞くと、
部長に頼まれたコピーができないという。

コピー機に詳しいぶりぶりざえもんは、
「紙ずまりだな」と気づき直してあげると、
OLからお礼に居酒屋ドリンク無料券をもらう。

F1チケットや居酒屋ドリンク無料券をもらい、
るんるん気分のぶりぶりざえもん。
山を歩いていくと、今度は泣いている小さな女の子に出会う。

ぶりぶりざえもんは今度はまったく逃げようとせず、
真っ先に女の子のもとにかけつけ、
「どうしたの?」と聞く。
「おなかがいたい」という女の子に対して、
「助けてあげたら何くれる?」とぶりぶりざえもんは問い詰めるが、
小さな女の子は「お礼にあげるものはない」というと、
ぶりぶりざえもんは怒り心頭「じゃあダメ!」といって、
女の子を無視して立ち去ってしまう。

しばらく山を登っていくと薬局があり、
ぶりぶりざえもんはF1チケットと居酒屋ドリンク無料券で、
おなかの薬に換えてもらい、女の子を助ける。

こうしてぶりぶりざえもんはお宝の山を登りきったものの、
頂上には何のお宝もなく、
F1チケットと居酒屋ドリンク無料券もなく、
何のために山に登ってきたのだと後悔する。

しかしぶりぶりざえもんはふと気づく。
レースクイーンやOLや小さな女の子を助けたことで、
「ありがとう」とお礼を言われたことを。

こうしてぶりぶりざえもんの心の中には、
かけがえのない宝物でいっぱいになり、
「ぶりぶりざえもんは救いのヒーローとなり、
世のため人のために働きましたとさ。
でめたしでめたし」としんちゃんが締めくくる。

・・・・

いや~なんかじーんときてしまって、
このシーンを何度も見返してしまった。
なんかこう人間のすべてが凝縮しているような、
見事なシーンだと思って。
しかもそれを、ぶりぶりざえもんやクレヨンしんちゃんという、
笑いのキャラクターで描いているところがもうほんと素敵すきるのだ。

人間、いいことをするってなかなか難しい。
道徳の本みたいに、「こんなやつどこにもいねえよ!」みたいな、
100%の善人が登場し、
何の私利私欲も持たずに人助けする話って、
なんかリアリティも説得力もない。

しかしこのぶりぶりざえもんの物語には、
人間の本性がいっぱいつまっている。

仕方がなく助ける。
いやいや助ける。
でもそこに思わぬお礼がついてくると、
それに味をしめ、お礼目的に人助けがしたくなる。
でもお礼がないと知ると、
じゃあ助けるか!という気持ちもなんかすごいよくわかるけど、
でも結局、見捨てるほど冷徹にはなりきれず、
すべてのものを失ってまで結果助けてしまい、
自分のお人よしにあきれてしまう。

でも、何も物が得られなくても、
人からありがとうって言われたのを思い出すだけで、
にやけてしまうほどうれしい気持ちが、
きっとまた人の助けをしたいという思いにかわる。

そう。欲望を持った凡人でも、
「救いのヒーロー」になれるのだ、
ということをクレしん映画は見事に描き出している。

私は昔、非常に功利的(効果や利益を求める発想)主義なところがあった。
何かするのであれば、何かお返しにしてくれなきゃ、イヤだみたいな。

でも最近は「大人」になったせいなのか、
功利が一番ではなくなっていて、
お礼がもらえるとかそういうの関係なしに、
自分が誰かの役に立ればうれしいって想いの方が、
すごく強くなっている。

今でもよくぜんぜん知らない人から、
「トラベルライターになるにはどうしたらいいか」とか、
「マスコミ業界に転職したいのだが」とか、
「カメラをうまく撮るにはどうしたらいい」とか、
メールがくることが結構ある。

それに対してほぼすぐにクイックレスポンスすると、
すごくみんな喜んでくれるのと同時に、
「忙しいのになんでこんなすぐに、
丁寧に返信してくれるのですか?」という、
不思議な思いをされることもある。

でもそれはきっとぶりぶりざえもんが、
頂上に登った時の気持ちと同じ。
誰かに助けを求められ、自分がそれに答えて、
役に立ったと思われることがうれしい。
それだけのことなんです。
自分にできることならできる限りのことはしたいという。

そういうのって、はじめのぶりぶりざえもんがそうだったように、
若い頃の私がそうだったように、
はじめはできないわけです。
なんか自分が損しちゃうとか、
見返りを計算しちゃうとか。

でもそんなのぜんぜん関係なくなるんです。
役に立つことができれば。

いやだからといって私もぶりぶりざえもんですから、
道徳に出てくる善人みたいに、
自分のすべてを犠牲にして、
なんでも他人に尽くすってわけにはいかないし、
そりゃお礼をいただければ、
断ることなく遠慮なく頂戴します(苦笑)。
でも別にそれが目的じゃないし、
ありがとうっていってくれれば、
ほんとそれだけでいいっていう気持ちの方が、
だんだん大きくなってくるんです。

誰もが一歩踏み出せば、
よこしまな欲望は持っていても、
救いのヒーローになれるぶりぶりざえもんの物語。
そんなリアリティのある物語に、
私はきっと深い感動と笑いと涙を感じたのだと思う。

そんなわけで、
クレヨンしんちゃん映画「電撃!ブタのヒヅメ大作戦」、
ぜひおすすめですので見てみてください~。

クレヨンしんちゃん映画ランキング
http://www.kasako.com/sintyaneiga.html


by kasakoblog | 2010-10-26 21:28 | 書評・映画評


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