好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

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2010年 11月 12日

ミスチル新アルバム情報流出?から情報流出を考える

尖閣ビデオ流出を機に、
ネット時代における情報管理が問題になっているが、
尖閣諸島なんて、
多くの国民が正しい地図位置さえ指し示せない、
そんな「遠い話題」ではなく、
自分に関心のある身近な話題を例に考えてみると、
情報管理や情報流出、情報戦略の重要性がわかると思う。

ミスチルが12/1にアルバムを発売するわけだが、
事前にアルバムタイトルも収録曲も発表しないという、
意味不明な戦略を行っている。
ファンを喜ばすためなのか、
話題を煽るためなのか、
売上を伸ばすためなのかは不明だが、
こうしたレコード会社の戦略のせいか、
逆にネットでは様々な情報が飛び交い、
さらには「これって本当の情報じゃない?」と思わしき、
全収録曲タイトル、曲順、アルバム名の情報が出回っている。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1250201462

上記の情報が正しいのかはまったくわからない。
しかしこんな時代である。
以前だったら「ネット情報なんてウソだらけ」と、
笑い飛ばすことができたが、
今はもうそんな時代じゃないことは、
尖閣ビデオの件で明らかだろう。
本来、公開されるはずのない、
機密性の高いホンモノの情報が、
いとも簡単に流出させる時代となった。

上記の情報がホントかウソかは、
発売になってみないとわからないが、
ミスチル・ニューアルバム発売の発表が、
ホームページで行われる数時間前に、
mixiのミスチルコミュで「今日重大発表がある」
といったような書き込み者がいて、
コミュ参加者は半信半疑だったが、
まさにその日にニューアルバム発売の情報が公開された。
ウソらしき情報はホントだったのである。

ホントの情報ということは、
内部関係者もしくはそれに近しい人物が、
個人の判断で勝手に流出させたわけだ。
ファンからすればこのような気をもむ情報は、
迷惑だと考える人もいるだろう。
そもそも発売元なりアーティストの意志なりを、
無視した情報発表の仕方なのだから。

だからといってそのモラルや管理を問うても、
今や限界があるのも事実。
データがデジタル化され複製は簡単。
有名人じゃなくても大手メディアでなくても、
一個人が勝手に流出した情報は、
あっという間に全世界に広めることができる。
もはやそういう時代なのだ。

だから私は正直、今回のミスチルのアルバムのように、
タイトルや収録曲をふせるというやり方は、
はっきりいって百害あって一利なしだと思っている。
情報をふせればふせるほど、
噂や虚偽やデマがネット上に拡散する。
「収録曲が発表できないのは、
オリジナルアルバムではなくベスト盤だからじゃないか」とか。

いや別にこんなネット情報は無視すればいいし、
私も別にそんなに気にはかけていないんだけど、
たまたまネットでこうした情報が、
目に入ってしまうという、
不可抗力の“ネタバレ”みたいなことは、
こんな時代だから多いわけです。

11/17に発売されたミスチルDVDを聴いていて、
新曲「forever」を何度もリピートしてるんだけど、
「なんで歌詞つけてくれないんだろう」と思って、
でももうネットに出回っているかなと思ったら、
いくつかすでに個人ブログで聞き取った歌詞があったんだけど、
聞き取りにくい部分は人によって微妙に違っていて、
結果としてアーティストが作品にこめた歌詞の意味とは、
違う情報が事前に出回ってしまうということもある。

だから私がいいたいのは、
こんな時代だからもったいぶったやり方はかえって損だということ。
どれだけ情報管理したって、
よほど厳重管理していないともれてきちゃう。
ましてやデマ情報が多くなり混乱するもととなる。
だから情報元がいち早く公開するなり発売する。
それがもっとも情報元のあらゆる利益から、
身を守る方法だと私は思っている。

例えば新曲「forever」の音源はもうYoutubeに出回っている。
DVDから投稿したものだ。
さっさとネット配信しないで、
先に別な形で音源流してCD発売は後だから、
先にデータがネットに拡散し、
「これのデータで十分」という人が多いほど、
楽曲販売の利益を損ねている。

書籍「1Q84」を電子化したデータが出回っている、
というニュースがあったが、
出版社がいつまでたっても過去のビジネスモデルに固執し、
時代の変化に対応できず、
電子書籍も発売しないからこういうことになる。
一度流出した情報を止めることは不可能。
こうして結果、作家も出版社も損をする。
だからさっさと電子書籍版も出し、
その後で通常の書籍版も出せばいいわけだ。

そのような意味で作家・村上龍氏が、
自ら電子書籍会社を立ち上げ、
どんどん著作を電子書籍化していくというのは、
今の時代に合わせて自分の利益を守り、
消費者のニーズを満たす賢いやり方だと思う。

ただミスチルがネット配信やらずに、
CD販売などにこだわるのは、
桜井さんが手に取った物としての喜びを味わってほしい、
という思いからだろう。
それはよくわかる。
ただそうじゃない人も増えているわけで、
そんなこだわりもネットの技術は、
ラジオで流したらその音源はすぐYoutubeに流されちゃうわけで、
デジタル販売とアナログ販売の両方を考えてもいいと思う。

逆にいうとアナログ販売のCDに物としての価値が少な過ぎる。
マイラバがCDに書籍やグッズをつけた、
書籍版CDのようなものを発売してそれが結構売れたらしいけど、
それはネットでもある程度、代用できる、
単なる音源と歌詞カードだけでなく、
アナログならではの付加価値がついているからだ。

AKB48のCDがバカ売れしているのは、
やり方はえげつないが、
そこに特典が封入されているという、
音源以外の付加価値をつけているからだ。

ネット時代にアナログの物としての良さを届けたいのなら、
例えば音楽雑誌に載っているような、
メンバーのアルバムインタビュー冊子がついたCDであるとか、
そういう付加価値をつけないと意味がない。
ジャケットが多少凝っていたところで、
それほどの付加価値があるのかは疑問だ。

だからネットで流せるものは、
なるべく発売元が早くネットで公開する。
意味不明に出し惜しみしない。
どうせ流出しちゃうんだから。

その後でアナログならではの付加価値をつけた物を販売する。
そうすれば、発売元も利益を得るチャンスが二度増え、
ネットの事前流出による損失も防げ、
消費者にとってもうれしい結果になるのではないか。

新卒説明会に来た学生に、
「今日の新聞記事は何が書いてあった?」
と面接官が質問したところ、
「新聞は読んでないですけど、
ネットニュースでこんな記事がありました」
と学生が話すと、
そのニュースを面接官が知らなかったという、
笑うに笑えない笑い話がある。

速報性ではネットに勝てない。
デジタルの良さをいかせるものはデジタルに。
アナログでなければならないものはアナログに。
そういう住み分けを未だにできていない企業が多いから、
結果、ビジネスチャンスを逃し、
損をしてしまうのだと思う。

※ちなみに勝手に個人で、
内部情報を漏らしてしまうような輩は、
得てしてその仕事に間接的にしか関わっていない。
直接、その仕事に関わっている人は、
仕事にプライドを持ち、熱意を持ってやっているから、
いくら公開したくても勝手になんか公開はしないだろう。


by kasakoblog | 2010-11-12 21:48 | ネット


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