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本当に無党派層の勝利か?

森総理大臣の辞任がいつかが取り沙汰される中、夏の参議院選挙の前哨戦として注目された、
千葉知事選挙が3/25に行われ、政党推薦のない「無党派」の女性、堂本氏が当選した。
この結果にマスコミは「無党派の勝利」と騒ぎ立てた。
しかし果たして本当にそうだろうか?

まず第一に36%という超低投票率は、はっきりいって「無党派の勝利」ではない。
選挙に行かなかった64%の人たちこそが、いわゆる「無党派」なのである。
これだけ選挙に行かない棄権者が出たということは、無党派層の支持を誰も得られなかった結果に他ならない。
投票率50%以下の選挙なんて無効にしてしまえばいいのである。
半数以上の人間は、立候補した人の中には適切な人材がいなかったということだからである。
投票率50%以下の選挙は、立候補者をすべて変えて選挙のしなおしをした方がいいのではないか。

第二に、政党推薦を受けなかったから「無党派」と言われている堂本氏だが、
何を隠そう、元社民党であり元さきがけ党だったのである。
今どこの政党の推薦も受けていないからといったって、結局は元政党員であって、純粋な意味での「無党派」ではなかったのだ。
全く今まで政党に縁がない、主婦であるとかサラリーマンであるとか、そういう人たちこそが「無党派」なのであって、
二度も政党に属して選挙を戦っている人間など、どうあっても「無党派」ではあり得ない。
極端な話、森総理が自民党を脱退して、千葉知事に当選すれば、
「無党派の勝利」なのかという言っているのと大した変わりはないのである。

そして第三に、投票数を見てみると、自民党推薦の候補とわずか2万票の差しかない。
かつ野党推薦の候補とも6万票の差しかない。
依然として政党推薦を押した人は、両方合わせると無党派の倍以上の投票数を誇っている。
これだけ森総理の問題で逆風が吹いている自民党推薦が惨敗しない。
既成政党にNOを出したというが、既成政党への投票数は無党派なんかよりはるかに多い。
たまたま僅差で勝っただけの話で、マスコミが騒ぐほどの「無党派の勝利」とは程遠いことがわかる。

確かにそれでも、今までの日本だったら自民党推薦がぶっちぎりで勝っていたところを、
こうして政党推薦無しの候補が勝ったというのは多少の意義はあるが、
残念ながらマスコミで騒ぐほどの勝利ではなかったことをきちんと認識しておかないと、あとでとんでもないことになる。
とんでもないこととはつまり、今度の選挙ではあっさり自民党が大勝し、
無駄な公共投資は減らず、返せる見込みのない国の借金は増えつづけ、
バブルに踊ったのが悪い銀行を税金で助け、官僚や企業から賄賂をもらい、天下りして多額の報酬を受け取りながら、
財政危機だとほざいて消費税を10%にする。

無党派層の勝利にはまだまだ程遠い現実をしかと見つめて、次回は本当の意味での無党派の勝利を勝ち得ないことには、
国民の理不尽な負担は増えつづけることだろう。

by kasakoblog | 2001-03-28 02:17 | 政治

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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