2011年 01月 09日
電子書籍時代のかさこマガジン
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電子書籍という言葉が騒がれて久しいが、
日本ではたいして普及しないのではないか。

というかもうすでに普及しているといってもいい。
ケータイ小説だって立派な電子書籍だし、
ブログだってネット記事だってネットニュースだって、
十分、「電子書籍」だ。
だから何を今さら電子書籍なんだという気はする。

今すでにある、無料で読める無数のWebページ。
しかしそれでは金が儲からない。
だからさも新しいメディアが登場したかのごとく、
電子書籍と騒ぎたて、無料のWebページを、
なんとか有料化しようと試みているに過ぎない。

だから本来、電子書籍に不要な企業が、
日本の電子書籍を牛耳ろうとしている。
電子書籍で需要が減るはずの印刷会社。
電子書籍で著者直販で需要が減るはずの出版社。
電子書籍で売上が減るはずの書店。

本当の意味での電子書籍が普及したなら、
いらなくなるはずの古いビジネスモデルの企業連合が、
自分たちの売上を維持するために、
電子書籍の良さをねじまげ、
自分たちに金が落ちるような仕組みを、
必死になって考えている。
それが電子書籍の主導になれば絶対に普及しない。
なぜならユーザーにとってメリットがないから。

これは数年前に日本では一度失敗している。
iPadが登場される数年前から、
電子書籍リーダーなんて日本のメーカーはすでに発売していた。
しかし普及しなかった。
ユーザーにとって利便性がなかったからだ。
いくらすばらしいハードがあったところで、
コンテンツや流通、価格体系など、
ソフト面でユーザーに便利でなければ、
そんなもの、ただのガラクタに過ぎない。

アマゾンやアップルの電子書籍リーダーが流行っているのは、
コンテンツを売る仕組み、ネットサイトが充実しているからだ。
日本にはそれがない。
だからアマゾンかアップルの軍門に下ればいいわけだけど、
それを拒んでいるから普及しない。
だってみんなアマゾンで書籍買うし、
音楽はアップルストアで買っているのが当たり前なのだから。

日本で電子書籍が普及しないと予想するのは、
ケータイの利便性が際立っているからだ。
今やパソコンすら持たない人も多い。
だってケータイで代用できるから。
そう思っている人が多い日本で、
ケータイより巨大なデバイスを、
果たして持ち歩く人がどれだけいるか?
もちろん好きな人はいるだろうが、
それがメジャーになるとは考えられない。
実際に電車の中でiPadを持っている人はほとんどみない。
iPhoneを持っている人はいっぱいいるのにだ。

そうなるとケータイ小説ないし、
スマートフォン向けの電子書籍が流行るだろうが、
それだったら単に今のWebページなりブログなりで十分じゃん、
って話になりかねない。
スマートフォンで例えば500ページ以上に及ぶ、
村上春樹の「1Q84」を読むかといったら、
だったら多少割高でも書籍の方がいいんじゃないか、
って話になるのではないか。
新刊で買わなくても日本は中古市場が発達しているし、
ましてや数年経てば文庫になるわけで、
文庫の値段と持ち運びやすさと、
電子書籍が太刀打ちできるかというのはかなり微妙ではある。

もちろん、今以上に電子書籍=ネットコンテンツが充実し、
流行る可能性はあるし、
もちろん私も情報発信の選択肢として、
無料のブログ、有料の紙媒体以外に、
有料の電子書籍という選択肢をとる場合もある。
しかしすべてが電子書籍にはなりえず、
そこには、
1:無料のネット
2:有料のネット=電子書籍
3:有料の紙
という3つのすみわけができるだけだと思う。

ただ今のところ「2」の電子書籍として便利なものが、
果たしてどれだけあるかはかなり微妙だと思っている。
漫画、雑誌、短編小説、ビジネス書ぐらいが、
電子書籍には向いているが、
それ以外は、無料のネットか、
有料の紙媒体として十分残ると考えている。

昨年は電子書籍元年と騒がれ、
今年はいよいよ電子書籍普及の年と、
期待している人も多いかもしれないが、
有料の電子書籍は無料の電子書籍=Webページに完敗し、
電子書籍リーダーはスマートフォンに完敗する現状を考えると、
電子書籍に過大な期待を寄せるのは間違いではないか。

むしろどんどんコンテンツがネット化されるからこそ、
紙媒体の付加価値があがっていく。

もう私はネットで10年以上も“電子書籍”=毎日更新日記をやってきた。
そしていよいよ世の中が電子書籍に舵をとろうという今こそ、
電子書籍の選択肢ももちろん視野には入れるが、
こんな時代だからこそ紙媒体のありがたみが高まると考え、
「かさこマガジン」を作って配布した。

わずか16ページに過ぎない。
ネットで同じ内容を載せることも簡単にできる。
でもどうだろう。
ネットで見るとの冊子を見るのと。

その違いにこそ価値の源泉がある。
そこにこそビジネスとしても成り立つ要素があるはず。

というわけで電子書籍普及元年の今、
私はアナログ冊子のかさこマガジンを、
今後も出し続けられるような仕組みを考えたい。
vol2が出せるよういろいろと知恵を絞っていきたいと思います。


by kasakoblog | 2011-01-09 21:52 | ネット


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