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虫酸

真の料理人とは、どこにでもある材料とどこにでもある道具を使って、
安くてうまい料理を作る人のことを言う。

<1>
デフレが続く日本経済状況の中で、未だに価格の高騰化しているのが「グルメ」である。
バブル期のグルメブームは終わったにもかかわらず、未だに日本人の意識の中には、
「高い値段のものがいいものだ」という信仰が根強くあるようである。

よくテレビに出てくる料理人やレストランは、
どこどこ産の高級食材しか使わないだとか、どこどこ産の高級調味料しか使わないといった、
自分の料理の腕で勝負するのではなく、材料の質で勝負しているのを見る。
はっきりいってこんなのは真の料理人じゃない。
ただそれは素材の良さに頼っているだけだ。
たかが料理にえっらい高い値段をつけて商売しているのは、はっきりってぼったくりだ。
その辺のスーパーで売っている安い素材を使って、いかにおいしい料理を作れるかが、料理人の真の力なのだ。

でも日本人は勘違いしているところがあって、
高い値段のものはいいものだ、みたいな思想が根強くある。
本当は料理の味などわからない庶民が、値段の高い低いを基準に、うまいまずいを決めている。
だから逆に本当におしいい店でも、値段が安いとどこか貧相に感じてしまう。
高いものに憧れる性向というのは、はっきりって田舎者だ。

たとえばいまだに流行りのイタリア料理であるが、日本だと5000円、1万円だとかでコースをだす、
ぼったくり料理店が「うまい」「グルメな」料理店としてもてはやされている。
しかし本場のイタリア料理というのはそんな高級料理ではない。
日本で偉そうに2000円近くするパスタが、500円とかでどこにでも売られている。

そもそもイタリア料理なんて高級料理でも何でもなく、
ヨーロッパの田舎国家イタリアの各地方に伝わる郷土料理に過ぎないのだ。
それをばかみたいな値段をだして、青山だとか表参道だとかお洒落な町で気取って食べて、
「グルメ」気分でいるなんて、ほんとださい田舎者のすることだ。

<2>
浜ちゃんのやっていたテレビ番組「人気者で行こう」であったように、
かっこつけた有名人が、安物のワインと高値のワインを飲み比べて、
どっちが本物かを見分けるのだが、ほとんどがことごとく外していた。
あれはまさしく日本人の実態を良く描き出していた。

高級というブランドさえ背負っていれば、よほどまずいものでないかぎり、日本人なんて味はわからない。
そんなださいやつらに高級ワインやら高級食材を出すのはもったいない。
「本場」だとか「高級」だとか「●●産」というブランドをくっつけておいて、
お洒落な町でかっこつけの内装さえあれば、もうこれだけで名店入りだ。

その辺のコンビニに売っている安ワインを出して、
「これはどこどこ産の●年もののワインで、5000円するものです」なんていったって絶対にわからないのだから。
バカにされてるのだよ。日本人は。

ああ、日本ってなんでこんな表層社会になってしまったのだろう?
未だに明治維新の時と同じように、
西欧に追いつけ追い越せとばかりに背伸びしているのだろうな。

by kasakoblog | 2001-09-09 15:35 | グルメ・ラーメン

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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