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ささやかなる反乱

<1>
束の間の休日
一体僕は何してるんだろう?
無為な一時を優雅に楽しんでいる。まるでプ-生活に戻ったみたいに…。

月・火・水と3日間、会社を休むことにした。
先週は風邪で毎日早めに帰っていたことを考えれば、ここ最近、ムチャクチャ忙しかったということはない。
土日と合わせれば5連休。ちょっとしたバカンスだ。

「せっかくだからどこかに行こうか」
という気持ちがなかったわけではないが、やめにした。
どこかに行ってしまえばあっという間に終わってしまうから。

特にやるべきことがたまっていたということはなかった。かといって暇なわけでもなかった。
こうして会社を休んでみて思うけど、
無職の人でも、いくらでも自分でやりたいことをやっていく人と、
仕事がないと退屈しちゃう人と2種類いるんだろうなと思う。

5日間もあるのだから、あれもこれもしたいと思っていたけど、
意外に時間がなくって、あれとこれしかできなかったけど、
まあいいかなっていうか、そんな感覚だった。

「何やってたの?」
休日明けによく聞かれる質問である。
見たいビデオがあったが、レンタル屋においてなかったので、ビデオを見て時間を潰すことはなかった。
暇になったら映画「プラトニック・セックス」を見に行こうと思っていたが、暇でなかったのでやめにした。
友達に電話かけて飲みにでもいこうかと思ったけど、こんな貴重な時間は自分だけのために使うべきだとやめにした。
こんなに時間があるのだから、ホームページのリニューアルでもしようかと思ったけど、
時間がもったいないからやめにした。

「何してたの?かさこさん」
携帯ワープロに向かって、いろんな文章を書き、図書館から借りた本を読み、年末年始の旅行計画を立てる。
その合間をぬって1000ピースのパズル『バベルの塔』に取り組む。
こんなもんで平日3日間はあっという間に終わってしまった。

<2>
1日に1本は会社から電話がかかってくる。
もし何かあったら、まあいつでも会社に出ても構わんと思っていたが、そんな事態にはならなくて済んだ。
でも会社から1本掛かってくるその電話こそが、僕が唯一社会とつながれていることを感じる一瞬であって、
社会人なんだってことを思い出す一瞬であって、
それが全くなかったら、僕はなんだかドロップアウトしてしまったのではないかと思えてくる。

どこにも所属していないことへの空白感
全く収入がないことへの不安感
こんなことしていていいのだろうかという焦燥感
無職と言うのはほんとに辛いんだよな。
でも今の僕は、しっかり社会につながれたまま、ミニドロップアウトを楽しんでいる。

3日間も休んでいると、休んでいる生活こそが当たり前の日常に思えてきて、
仕事をしている生活が妙にうっとうしくなる。
旅の気分ってきっとこんな感じなんだろうな。
夢幻の自由と、無限の無責任を伴って…
平日の昼間に町を歩いて、見上げた真っ青な空を見て、ふと思う。

預金通帳の残高を記帳したら、これまで最高の預金額があった。
また金のカタルシスを求められているっていうのか?
金は使わないと腐る。金が腐るのではなく、使わない精神が腐る。
腐らせないためには、適度に使ってやるのが良い。出ないと反動が一挙に襲ってくるから。

度重なる航空機事故で、年末年始の海外航空券は安いだろうと思ったら大間違い。
年末年始料金やら、週末料金やら、ピーク料金やら、航空保険料の値上げやら何やらで、
新聞に踊っているような格安航空券は休みになる前の平日の、ちょ-乗り継ぎの悪い便だけであって、
もう他は立派な高価格をつけている。

「無駄だなー」と思いながら、精神を腐らせないために、預金をちょっと使ってやる。
でないと反動が恐ろしいから。

「かさこさん、次はどこへ行くの?」

by kasakoblog | 2001-11-16 20:07 | 生き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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