好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

kasakoblog.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2002年 01月 20日

『上海の西、デリーの東』素樹文生著

<読者からのお便り>
はじめまして、旅のページを検索していたらここにたどり着きました。
書籍の批評のページで『上海の西 デリーの東』素樹文生(偏差値35)となっているのを見ました。
僕はこの本結構好きで読んでいたのですが、かさこさんの評価はなぜ低かったのでしょうか?
文章の内容など、確かに大した文ではないかなと思うところもあるのですが、
ちょっと気になってしまったのでメールしました。

批評がなかったので、もしお手数かけないようでしたらなんでか教えてください。
個人的な批評にこんなこと言うのなんて、とってもあつかましいのですが、
どうしても評価が聞きたいのでお願いします。

<かさこ回答>
はじめまして。わざわざメールを送っていただき、ありがとうございます。
まずお詫びをしなくてはならないのは、
自分の気に入った本の評価が低かったことで不快な思いをしたら、すみません。
本の評価は全くの僕の個人的な独断と偏見に基づくものなので。

なぜ低かったのかということですが、
一言でいうならば、中国に対する文句ばかりの記述が多いことです。
僕も中国には4度、1999年にはトータルで2ヶ月近くいたので、
素樹さんの本に書いているような不快な体験を何度もしました。

確かに『上海の西 デリーの東』に書いてあるとおり、中国はひどい国ですよ(笑)。
でも中国は、そんな不快な思いがぶっとんでしまうほど、
素晴らしい遺跡や景色や料理があったりするから、旅をしてしまうのです。
そのことについての記述が、素樹さんの本には少なく、
どちらかというと、はじめ中国にはすごく良いイメージを持っていたのに、
こんなにこれでもかというぐらい裏切られたという文句ばかりが目立つような気がしました。

僕も4ヶ月もアジアをふらふらしたことがあるので、
旅は楽しいことよりもはるかに、辛い事や苦しい事やうまく行かない事だらけで、
もちろん旅先では地元の人に文句いったり「こいつらバカじゃないか」と思うこと度々です。

でもそれでも、その場所を旅したいと思う何かがある。魅力がある。
その点についてもっともっと書いてくれれば、
こんなに中国はひどい国だけど、それでも旅してしまう素晴らしいものがあるんだよという話になって、
読者も、そうか、大変そうだけど行ってみようかなと思うのではないのでしょうか。

上記の感想は僕の個人的なものなので、ご了承ください。

<書評>
中国の悪口ばかり書いてあって、旅をしたいと思えないのが評価の低い理由。
僕も中国を旅したことがあり、著者と全く同じ目にあったこともあるし時には文句も言った。
この本は中国の文句ばかり書かれている。
僕もその言っている文句はわかる。

しかし中国にはこの文句があっても、旅したいという衝動を駆り立てる魅力がある国なのだ。
素晴らしい遺跡の数々や途方もない歴史と大地の広がり。
雑多な民族と、うまい中華料理。
ほんのたまにだけど、いい人もいる。
だから中国には腹が立つけど、僕は中国をかなり長いこと旅していたしまた行きたいと思う。
でもこの本にはそれがほとんど書かれていない。
これを読んで中国に行きたいと思えるかどうか。
旅本は人を旅に出たいと思わせる力があるかどうかが、大きなポイントだと思う。
この本を読んで「僕もここに行ってみたいな」と思えること。
それが旅本の意味だと思う。


by kasakoblog | 2002-01-20 00:44 | 書評・映画評


<< 海外旅行保険は必要か      メキシコたびばな1 >>