2002年 02月 24日
「沈黙の艦隊」かわぐちかいじ
世界を舞台にしたリアリティーある近未来シュミレーションマンガ。
主人公である「天才カイエダ」はもちろん、その周囲に出てくる脇役たちの個性豊かなキャラクターが、
実に生き生きとしていることが、この物語の魅力をアップさせている。

米ソ冷戦構造の中、「核の脅威」に揺れる世界。
その中で国際的に微妙な立場に立たされたニッポンが、カイエダに刺激され、
自らの自立を図り、かつ真に世界平和の新秩序作りを進めていく。
国家や国家間のしがらみに縛られた現実世界に新しい世界システムの提案をする、興味深い作品だ。
これだけの将来ビジョンを描ける政治家や評論家、学者もそういないだろう。

国連・自衛隊・アメリカの論理・日本の政治・マスコミ・企業など、
あらゆるファクターが織り成す現実世界の未来シュミレーション物語は実におもしろい。
そのリアリティさは抜群だ。

しかしこの作品後、ソ連邦が解体し、「核の脅威論」というのはなりをひそめてしまったが、
去年はじまった「アメリカ大国テロリズムVS小集団テロリズム」の戦いが、世界各地に飛火し、
あちこちにきな臭い種子をばらまいている情勢を考えると、
このマンガのテーマ「核」を「テロ」に置き換えて読んでみると、実に示唆的な物語になる。


by kasakoblog | 2002-02-24 12:52 | 書評・映画評


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