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緊急入院ドキュメント

<はじめに>
6/26に緊急入院しましたが、わけあって6/29に突然退院しました。
退院といっても一時退院で、またすぐに別の病院に転院します。
ごくわずか自宅にいる間に、緊急入院~入院生活~突然退院までのドキュメントをお届けします。
長いですが、また入院してしまうとしばらく更新できないのでご了承を。

・ドキュメント2:会社復帰~緊急入院(5/7~6/26)
・5/7~6/21: 横浜・鶴見に引越後、松葉杖からステッキで会社に通えるようになり、
そのうちステッキなしでも通えるようになった。
右足のしびれが常時あったものの、そんなに気にはならず、杖もつかず、普通に荷物を持って会社に通えていた。

・6/22: 長野県駒ヶ根に旅行。
バスに3時間半乗ったせいか、それとも痛み止めの薬が切れたせいか、
それとも3日前に風邪をひいてせきがひどく、それが腰に響いたのか、
それとも天候不順が腰痛に影響を及ぼしたのか、徐々に腰痛が増す。
・6/23: 旅行帰りは、持っていった杖をついて帰るが、時間がたつにつれ悪化。
・6/24: 翌日、腰痛さらに激化し、まともに歩けず、おじいちゃん歩き状態になる。
右足のしびれと腰・腿の痛みに加え、
そこを貫くように時折走る、電流が流れるような痛みで、眠ることができない。
会社を休み1日静養。しばらく自宅篭城になりそうなので、なんとしてでも図書館で本を借りてきたかった。
2ヶ月ぶりに松葉杖を復活させ、普通なら20分で行ける距離を、冷や汗たらしながら、
老人に抜かされながら、1時間かけて到着。
帰りはさすがにタクシーを使ったが、ほんと死ぬかと思った。
・6/25: 翌日もさらに悪化。痛みで眠れず、常時しびれが走り何もできない状態。
レーザー手術後3ヶ月で、再手術か否かの検査をするが、それを明日にしてもらう。
会社を休んで1日寝ている。 命からがら図書館から借りてきた宮本輝「花の降る午後」がおもしろかったので、
痛みを紛らわし、横になることはできた。
あまりの痛みにもうだめかもしれないとの予感もあり、念のためつぶやきかさこに、
緊急入院の可能性告知により毎日更新できない可能性を示唆。
・6/26: レーザー手術をした東京八重洲クリニックに3ヵ月後のMRI検査予定日だったが、
到底東京まで行くことができない。先生と電話で話し、レーザーの再手術は受けないこと、
自宅から近い病院で切開手術に切り替えたいことを申し出、了解を得る。
午後、診察時間外でも緊急だといって無理やり診察してもらう。
かがめてまともに歩けない様子を見て、即その場で入院となる。
痛みを取るために、麻酔課で背中に管を打ち、痛み止めをいつでも24時間常時注入できるものを装着することに。
1日に4回、さらに痛み止めの注入と、1日1回点滴と、食後の3回薬を飲むことで、 痛みを軽減させる。
そのおかげか、夜は痛みも和らぎ、眠ることはできた。

・ドキュメント3:緊急入院~一時退院(6/26~6/29)
●入院生活
6・26:1日目
突如の入院もある程度は予想していたことだったが、やはりショックではあった。
しかし何より、多少良くはなっているのではないかと思っていた矢先に、
また痛みが再発したことの方がショックが大きかった。
これまでの3ヶ月間の無意味さ。 たかが国内旅行すらいけない悲しみ・悔しさ。
とにかくここでしっかり治しておきたいという想いが強かったので、
仕事のことは考えず、入院して腰痛療養に努めることが最善と判断。
なので、入院と言われてほっとしたのが本音。

妻・実家・会社に連絡。
入院となったものの、何も遠慮することなく頼れる「妻」がいることに安心。
突然の連絡で会社も驚いたことだと思うし、申し訳ないと思うが、
こうなってしまってはどうしようもないし、何より自分の体が第一であるので仕方がない。
サラリーマンだからこんな場合でもいくらでも代えはいるが、
フリーになったらどうなってしまうんだろうと、フリー後の心配が頭をよぎる。

会社へ仕事の引継ぎをノートに記入。
ワールドカップ準決勝ブラジルートルコ戦のおかげで大分時間がつぶれた。
あとは持ってきた本1冊、桜井亜美の「Everything」だがこれがおもしろくなく、退屈しのぎに苦労した。
やはりノートパソコンだけは持っていくべきだった・・・。

最も心配していた食事。
夕食は18時過ぎで、見た目貧相。ごはん、みそ汁、魚、サラダ。
飽食・油まみれの食生活の僕にはしんどいかなと思ったが、思ったよりうまく、腹にもたまった。

6・27:(2日目)
朝6時、あやしげなチャイム&音楽とともに、部屋の電気がつけられ、強制的に起こされる。
朝早く起こされるのはいいんだけど、朝飯が8時だからなあ・・・
それまで2時間、空腹に絶え凌ぐのが絶えられない。
起こしたら食わせろって感じ。朝起きてまず食べないと、何事もやる気が起きないから。

午前中で本を読み終えてしまう。
妻が休みを取ってくれ、もろもろ持ってきてくれるのが待ち遠しい。
突然入院になったのだから、パジャマもなければタオルもない状態。
でもそんなものより何より、早くノートパソコンと新しい本が欲しい。

・水を得た魚
妻にノートパソコンを持ってきてもらう。そのおかげで退屈生活が一変。
忙しい毎日となる。
それに本もある。図書館に無理にでも行ってきて良かったな。
テレビも退屈しのぎのいい手段だし、普段めったにテレビをみないこともあり、
新聞による社会を読む目は養われても、表層のトレンドや著名人、人気番組などにうといので、
この機会にテレビを見るのもいい勉強なのだが、
なにせ800分とはいえど1000円金がかかるので、極力テレビは避けたい。

ノートパソコンと本さえあれば、いかに悠々自適な入院生活を送れることか。
作家にはたまらん空間だよな。
他に余計なもんがないから集中できるし、内科的な入院なら頭脳はぼやけてくるが、
外科的な入院なら物理的痛みはあっても頭脳にはあまり響かない。
しかし僕のような人ならいいが、他の人だったらさぞ退屈だろうな。
そうなったらやはりテレビ主体で本や雑誌になるのだろう。

6・28:(3日目)
朝6時、例のごとくあやしげなチャイム&音楽が鳴る。とにかく朝飯が待ち遠しい。
今日はいろんな人が来てくれた。
午後は話し相手に事欠かず、またたくまに時が過ぎた。
こうして来てくれる人が多いことに感謝する。
やっぱり日頃の行いとかっていざというとき大切だよなと思う。

早く手術をすべき
父親からも、妻の父親からも、妻からも、そして会社の人からも、
早く手術をした方がいいとの忠告をもらった。
早くしなければならない。
このまま一時的な痛み緩和ではどうしようもない。
早く切って早く治して早く退院する。そのためには早く手術日を決めてもらわねば。
その前にMRIだよな。どうにかならんか。
3週間のキャンセル待ちなんてなんか嘘くさいよな。
もう明日あさっては土日になってしまうので、月曜日あたりに蹴りをつけなければ。

6・29:(4日目)
朝食を食べ終え、そうだ特ダネを見ようとテレビをつけてもやっていない。
そうだ。今日は土曜日だ。旅と入院生活で真っ先に失うものーそれは曜日感覚だろうな。
今日は土曜日ということで午前中に回診が来る。
聞くとMRIは7/18までいっぱいでできないという。
あほか!
東京八重洲クリニックなら明日にでもやってくれる。
入院当初の不安が的中。
だったらすぐにMRIを取って帰ってきますよ。
それまで痛み止めをうってるだけを20日間も続けるなんてそんな無意味なことはない。
「いやあ、MRIの解像度とかの問題もありますしね。しばらくここでおとなしくしていてください」
ということでここではどうしようもないことがわかった。
MRI検査をしなければ現状の腰がどのような状態になっているかがわからない。
この検査をしてはじめて手術をするかどうかがわかる。
腰の検査の第一歩ともいうべき検査に入院してから20日間も待たなければならないというのは、
どないなことねん?!
しかもこの病院のロビーには「最新機器MRIでいろいろなことがわかります」
といったような宣伝文句があるにもかかわらずだ。
頼むよ。

ということでここにいる意味なし。
即刻退院を申し出で、スピード退院となる。

●募る病院不振
僕はたまたまはじめに行った医者やヘルニアで手術をした人のことを詳しくしっていたから、
この病院に無意味に入院することなく、退院をこちらの希望で申し出ることができたが、
もし、僕がはじめにここの病院に行っていたら、言うなりになって2カ月近くだらだら入院していただろう。
確かに病院ごとにやり方も違うだろうし、患者の症状によっても違う。
どんな選択肢が一番良かったかなんて結果論でしかわからない。

しかしあまりにもひどいよな。
入院した病院は、一番はじめにやるべき検査に20日間待たなければならないというとんでもない実態。
他の病院の実情を知らなければ、「そんなもんか」と、
おとなしく、仕事は休み、給料は入らず、入院生活で神経は参り、
家族に負担をかけっぱなしになるところだった。

今の段階では、結果的には一番はじめに行った、会社の近くの医者がすぱっと手術をしましょうということで、
それでやってしまえばよかったということになる。
そこでは極力入院期間を短縮する配慮がなされ、手術の前の日に入院。翌日すぐ手術。
手術後の安静のため10日間という短期間の予定だった。
今の病院で痛み止めをうってる間に終わってしまうスケジュールである。

でも結果的にそこにしなかったのは、あまりに簡単にすぐ手術をしましょうと言われたからだった。
ヘルニアでも切らない人が多い中、すぐに手術しようというのは金稼ぎじゃないか。
そんな邪推のために、僕はそこをやめてしまったのだ。

でも結局この一連の騒動で思うんだけど、
ようは病院というものがまったく信頼されていないってことなんだな。
はじめの病院は、あまりに簡単に手術をしようと言われたこと。
レーザーは、保険が適用されない手術だけにどこかうさんくささが抜けなかった。
そして今度の病院はMRIが混んでいるというばかばかしい理由。

じゃあどこの病院がいいかって言われても選べないですよ。
そうなったらたとえばどこそこの大学病院とか名の知れた病院に行くことになるんだろうけど、
昨今の一連の不祥事を見ていれば、名の知れた病院がいいなんてあり得ない。
だからといって小さな個人病院ではいくら先生に信頼がおけても設備では不安が残る。
大病院にいったところでその実態なんて誰もわからない。
ほんと今回の騒動で、僕は日本の医療制度のひどい実態を目の当たりにした。

病院の存在意義っていうのはどこでも同じ。
怪我や病人を治すこと。
ならば個人病院も大学病院も、全国の病院が連携して、
その患者さんにあった一番いい病院なり先生をお互いに紹介しあえばいいじゃないですか。
そうしたらMRIのために20日間待つなんてばからしいことはないし、
金儲けか成績稼ぎなのかすぐに手術をするのはあやしいという邪推もなくなる。
患者さんを治すために一番良いシステムは何なのか。
その目的さえ間違えなければ、こんなひどい病院実態にはならないはずだ。

考えてもみろ。
医者になる制度からおかしいよな。
医者になるのはいまや金持ちでほとんどが医者の息子とかそんなんばっか。
そういう医者育成制度そのものからおかしいから、どうしようもないんだな。

いま日本政治はやっきになって景気回復策だの経済政策だの考えてるけど、
怪我や病気になって日常の社会生活を送れなくなった人間を、
いかに早く治療しもとの社会に戻してやるかということの方が、
よっぽど社会の活性化、経済の活性化になるんじゃないのか。

なんか、今度のことで日本の社会システムの脆弱性がここまでひどいとは思わなかったな。
患者という当事者になってしかわからないだろう。
それで毎月バカ高い社会保険料払っておいて、本人負担を3割にあげてるんだろう。
どうしようもないよ。

しかし僕の病気はまだ治っていない。
この先、はじめの病院にうつってどうなるかは知れたものではない。

とにかく無駄な時間や金を使わせることなく、
最も適切な方法で最も早く治療ができること。
そんな当たり前のことは真の民間企業ならどこでもやってるよ。
でなきゃ潰れるよ。

病院の淘汰と病院の相互連携。
俺が総理になるにはまだ15年以上先なんだけど、作家の前に政治家になった方がいいか?
二度と使わんサッカースタジアム作るんだったら、
最新設備で技術の高い信頼のおける医者を雇った病院作ったらいいだろうに。
どうすんだ?もうワールドカップは終わるんだべ。
全国に作った意味のないスタジアム。
それを思う度に、そんな金あったら病院とかそういうところに金をかけて欲しいよな。

by kasakoblog | 2002-06-30 09:11

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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