2011年 03月 05日
音楽業界は死んだのか?
この10年でCDの生産数量は半減。
音楽のネット配信も頭打ち。
音楽業界は“死んだ”のだろうか?

音楽業界が大きな変革期を迎えている。
CDの生産数量は2000年に4億1405万枚だったが、
2009年では2億1005万枚となり半減となった。

でも最近は有料配信が補っているのではないかと思うかもしれないが、
実際にはそれほどでもない。
2009年の音楽配信の売上は910億円で
CDなどの音楽ソフトの売上と合わせても4075億円。
1998年は6075億円だったので、市場規模は33%減だ。

いや音楽配信はこの先、伸びるのでは?
と思うかもしれないが実はもう頭打ち。
2005年に343億円、2006年に535億円、2007年に755億円、
2008年に905億円、2009年に910億円まで伸びたが、
2010年は860億円で前年比減となった。

わずか約10年で市場規模が30%以上も減るなんて、
むちゃくちゃ厳しい業界だ。
音楽業界ははっきりいって斜陽産業といってもいい。

音楽ソフトの売上が急減しているのは、
気に入ったアーティスト以外の曲を、
わざわざ買うのはバカらしいという環境が整いつつあるからではないか。

Youtubeを見れば違法・合法を問わず、
プロモーションビデオ付きの新曲が大量アップされている。
CD発売前や音源配信前にアップされていることも多数ある。

CDアルバムに3000円もお金を払って買わなくても、
レンタルで300円で借りてくれば、
歌詞カードは手元にないが、音源はすべてコピーできる。
いやそんなことしなくても、
友達にCDを貸してもらえば無料で音源が手に入る。

リスナーにモラルを説いたところで、
もはや手遅れというか時代錯誤な感さえある。
よっぽど好きなアーティスト以外のCDを、
リスナーが買わなくなったのは当然の行動と言えるだろう。

こうした新しい時代に移り変わりに、
既得権益を持つレコード会社、レコード店などは対応しきれていない。
だから余計に売上が下がる。

一番わりを食っているのはアーティストだろう。
そもそも3000円のCDを売っても、
アーティストに入るのは定価の1~5%程度の印税。
仮に5%としても1枚売って150円の収入。
1万枚売ったら印税収入は150万円になるが、
バンドが3人なら1人年収は50万円。超貧困層だ。

10万枚売れたとしても1500万円で、
バンドが3人なら1人500万円。
普通のサラリーマン並みの年収で、
毎年10万枚もヒットを続けるCDを出し続けられるか?
しかもこんなにCDが売れない時代に、
相当なビックネームでない限り、
10万枚を売るのはもはや不可能に近い。

ちなみに「ゆず」の最新アルバムは、
15万枚に届くかどうかというところだという。
ゆずほどのアーティストで15万枚なら、
ほとんどのアーティストは食えなくて当然だろう。

でも音楽を聴く人が減ったのかといえば、そうではあるまい。
むしろ前よりも手軽に音楽を聴くようになったのではないか。
携帯音楽プレーヤーやネットの発展により、
今までより音楽を手軽に聴けるシーンは圧倒的に増えたはずだ。

CD生産額はこの10年で半減しているのに、
ライブやコンサートに行く人は倍増しているという。
CDが最も売れていた1998年のツアー入場者数は1403万人だったが、
CDの売上減とは反比例するように、その後は入場者数が増加。
2009年のツアー入場者数は2606万人になったという。

フェスブームなど一過性的な影響もあるかもしれないが、
音源を買うよりライブをイベントや旅行として、
音楽を楽しむという人は増えている。

にもかかわらず、既得権益を持つ音楽業界は、
時代に適合できず、自身の食い扶持を守ることばかりに必死になっている。
だからリスナーやアーティストから見放され、
どんどんCDの売上が減って、より自分たちのクビを締めているのではないか。

では音楽業界は死んだのか?
音楽で食っていける手段はないのか?

いや、そんなことはない。
時代の変化に対応した新しい音楽ビジネスモデルが、
まだ確立されていないだけではないのか。
CD販売に頼らない、音楽ビジネスモデルの構築――。

それについて1つの答えを出したのが、
バンド、メリディアンローグだ。
彼らがたどり着いた答えが、
メルマガ登録による音源無料配信システム、
オープンド・アーティスト・システム=OASだ。

メジャーデビューしていたメリディアンローグは、
2010年12月、所属事務所との契約をやめ、
インディーズに戻っただけでなく、
メルマガ登録による音源無料化を掲げた、
オープンド・アーティスト・システム(OAS)構想を発表。
OAS普及のために2011年2月に株式会社ワールドスケープを設立した。

OASとは何なのか?
音源無料化でアーティストは食べていけるのか?
なぜインディーズバンドが会社立ち上げをしたのか?
バンドの活動とOAS普及活動は両立できるのか?
メリディアンローグのメンバーであり、
株式会社ワールドスケープの代表取締役社長の海保堅太朗氏、
取締役の齊藤涼氏、取締役の長田秀人氏に話を聞いた。
(取材日:2011年2月23日)

音楽業界の構造改革~メリディアンローグ・インタビュー1
http://kasakoblog.exblog.jp/14395230/

・メリディアンローグの新曲がもらえる登録フォーム
http://frekul.com/artists/profile/mr

OASとは
http://meridianrogue.com/pc/oas.html

統計データ:日本レコード協会ホームページ
http://www.riaj.or.jp/data/index.html


by kasakoblog | 2011-03-05 21:19 | 音楽


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