2011年 06月 23日
福島原発20km地点の検問エリアまで行ってきた
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今、一般人が福島原発に近づける限界地点、
原発から20km地点にある福島県広野町のJヴィレッジまで、
日曜日に行ってきた。

まずいわき市の中心部から久ノ浜まで。
福島県いわき市の避難所から約30分、車で北に行くと、
津波被害で壊滅的な被害が未だに残る久ノ浜という地域がある。
ここまでは常磐線が動いている。
セブンイレブンも営業している。
ここまでは車通りはそこそこある。
ここまではボランティアもいる。

この久ノ浜で地元の人たちの交流のために、
健気に営業を続けている酒屋さんの家族写真を私が撮影したのが、
2011.5.15のこと。

地元の人を勇気づける素晴らしい行動に感動しながらも、
こんな原発の近くで営業していて大丈夫なのだろうかと不安に思った。
そこで1ヵ月後の2011.6.19。
放射線量測定器・ガイガーカウンターを持って、
久ノ浜を再び訪れた。
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1カ月前よりだいぶ瓦礫は片付いていた。
とはいえいわき市ではまだまだひどい方。
大気中は0.20~0.30マイクロシーベルト。
原発から近いにもかかわらず意外と低い。
この値なら東京や千葉のホットスポットと同じぐらいだろう。

瓦礫に近づけて図ってみたが、
ベニア板の残骸で0.50マイクロシーベルトを記録したのが最高だった。
近いけど、意外と低い。

酒屋さんに顔を出したら、
撮影して送った写真が店頭に早速飾ってくれていてうれしかった。

というわけで久ノ浜から福島原発20km地点で、
これ以上は立ち入れない検問エリアのJヴィレッジまで、
車で約15分程度か。
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ぐっと車の通行量が減る。
そして皮肉にも町が少なくのどかな緑の風景が広がる。
しかしそこですれ違ったのはテレビでよく見る映像。
白い防護服に身をまとった集団が乗るバスと何度かすれ違った。
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次第に見えてくるどでかい煙突は、
福島原発ではなく東京電力の広野火力発電所。
発電所の煙突を横目に見ながら、
ついに検問エリアに到達する。

異常な警戒ぶりで2人の警察官が寄ってくる。
「ここで引き返せばいいんですよね」
といって引き返す。
すぐそばで車を止めて、
立入禁止手前のスポーツ施設・Jヴィレッジの入口まで、
歩いていこうとする。

Jヴィレッジは、東京電力が危険な原発を建てた、
事前賠償金ともいうべき見舞金として、
130億円も出して寄贈した施設。
こうした金で地元の人たちを買収し、
原発を建てさせたわけだ。
運営会社の社長や福島県知事。副社長は東電副社長。
こうして原発という嫌悪施設の代償に、
自治体と電力会社が一体となって、
ハコモノ・バラマキをすることで、
危険な原発を喜んで誘致させるように仕向けてきた。

そんなJヴィレッジはいまや、
福島原発対策基地の最前線拠点ともいうべき場所。
ここに戻ってくれば「とりあえず安全」ということで、
ここから20km圏内に入っては戻り、
高い放射線を浴びた車を洗浄するといったことや、
家の荷物を取りに戻す“白装束”集団のバスの出発地ともなっている。

20km圏内の立入禁止ではなく、
その手前のJヴィレッジに行こうとしたら、
あわててまた2人、警官が飛んできた。
「Jヴィレッジの入口だけ一目みたい」というと、
名刺と免許証を出せという。
「なぜ立入禁止エリアに無断立入するわけでもないのに、
免許証を見せなきゃならないんだ」なんていいながら、
あんまり逆らってJヴィレッジが見れないのもいやなので、
個人名刺を差し出し、免許証を差し出そうとした時、
警官と私は敵対関係から一瞬、“同士”となったのであった。

「あれ?神奈川県警さん?!こんなところまでご苦労様です」
「あれ?横浜の鶴見から来たの?私、川崎なんですよ。
すいませんね~、免許証見るのが決まりなもんで」
と態度が一変して優しく接してくれた。
原発20km地点で地元の人に会うとは思わず、
お互いほっと心がなこんだのだ。

「この辺は放射線量高いから気をつけてくださいね」
と神奈川県警の人は声をかけてくれた。

Jヴィレッジ入口までの坂道で、ガイガーカウンターを取り出し、
放射線量を測る。
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0.90マイクロシーベルトから歩いていると次第に、
1.00、1.10、1.20、1.30、1.40まで上がった。
確かに高い。
私は家で毎日図っているが、
0.08~0.20ぐらい。
いわき市でも0.20~0.40ぐらい。
1を超えるなんてはじめて見たと思ったが、
ただ皮肉なことに原発20km地点にしては、
南にあるせいか多分そんなに高くない。
むしろ原発から遠く離れた福島市内や郡山市内の方が、
Jヴィレッジより高いはずだ。

放射線量は同じ場所でも高さや場所によってぜんぜん数字が違うので、
特に高いのではないかと思った、
草むらなどを図ってみたが1.10~1.30程度で、
ものすごい高い値は見られなかった。
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Jヴィレッジのそばまで行って1枚写真を撮影し、帰ってきた。

それにしても不思議な感覚だった。
ガイガーカウンターを持っていなければ、
何の異常もないのどかな風景に過ぎないにもかかわらず、
こんなど田舎に130億円も突っ込んで、
豪華なスポーツ施設を作るあたり、
いかに原発が危険であるかということが、
前々からわかっていたということなのだろう。

そして20km圏内は立入禁止でも、
そこから車で30分も行けば、
東京と同じように普通に暮らしている町があるのだから。

だからこそ恐ろしい。
脅威が見えない。
害悪はすぐには出ない。

見えない敵に太刀打ちできないが、
唯一、判断材料となるのがガイガーカウンター。
まだまだ今後も福島原発のトラブルや風向きなどにより、
遠くの首都圏でも高い放射線量を記録する可能性も高い。

パニックが起きて手に入らなくなる前に、
今のうちにガイガーカウンターを買っておいた方がいいかもしれない。
※値段はぴんきりだが、私は中国製の5万円のをアマゾンで買った。
http://amzn.to/j1tQnS

・久ノ浜の酒屋さんの家族写真
http://kasakoblog.exblog.jp/14795785/


by kasakoblog | 2011-06-23 01:50 | 東日本大震災・原発


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