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おもしろい本に出会える幸せ~おすすめ本2冊

おもしろい本に出会えましたので、ご紹介します!

楡周平著「フェイク」「クーデター」

両方とも同じ著者です。
共通しているのはやや前半がたるいこと。
でも中盤から後半にかけて一挙におもしろくなります!
久々にこんなにおもしろい本に出会えて、
本を読む通勤時間があっという間に感じられるほど。
というか通勤時間だけじゃ読み足りなくって、
駅を乗り越してまでそのまま電車で読んでいたい本です。
おすすめできるのでぜひ読んでみてください。
下記簡単な本の内容紹介。

●フェイク
おもしろエンタメ小説。
はじめの方を読んでいると、
どうでもいい性病に悩む主人公描写が出てきていて、
「なんでこんなつまらない本、かさこさんすすめたんだろう?」
といぶかしがるかもしれませんが、
ちょっとたるい前半を我慢すると、
いろんな物語が展開してきて一挙に盛り上がりを迎えます!

ここに散りばめられた現代社会の裏舞台ともいうべき、
ホステス、ヤミ金、競輪、株といったファクターが、
エンタメストーリーに見事に絡み合っていて、
今の社会の勉強にもなるんじゃないかなと思います。

別に重たい社会問題なんかをテーマにしているわけでもなく、
なんかこう社会に訴えてやろう的なメッセージがあるわけじゃないけど、
現実社会を舞台によく組み上げられた滑稽ストーリーは、
読んだ後にある種の爽快感もある。

ただストーリーを追っていくだけでおもしろいので、
ちょっと軽いものが読みたいなと思ったら、
ぜひこの本を読んでみてください。

●クーデター
題名通りの内容。
「フェイク」とはまったく異なり、
今の日本社会の危機はどこにあるかを突いた、
強烈な社会問題提起的な内容を、
見事に近未来シミュレーションとして仕立て上げた本。
ある種、オウムの地下鉄サリンを思い起こさせないこともないけど、
単なる「テロ」ではなく「クーデター」というほど、
大きな政治的メッセージが内包されている。

「フェイク」と同じく前半はややたるいですが、
中盤から先がどうなるかを知りたくて、
本を手放せないほどのおもしろさ。

平和ボケの国民、平和ボケの日本というけれど、
その平和ボケなるものが招くものは何なのか。
昨今の不甲斐ない政治家連中の国家運営が、
招く危機とはいかなるものなのか。

もしかしたらこの本のようなことが、
近い将来起こるんじゃないか。
そんな危機感を覚える戦慄のシミュレーション物語です。

500ページ以上あるけどおもしろくて一挙に読んでしまいました。
小説としておもしろいだけでなく、
日本の政治、社会を考える上でも、示唆に富んだ書です。

by kasakoblog | 2008-02-02 09:33 | 書評・映画評

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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