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新たな成功の方程式「無料公開」という手法~路上ライブを見て

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東京の日中の最高気温は5度―
1月14日祝日、私が度々紹介している絶賛バンド、
メリディアンローグの路上ライブがJR川崎駅そばミューザ川崎前で行われていた。
寒空の中、演奏する彼らの姿を見て、私は2つのことを感じた。

1:路上ライブなどの無料公開方式による活動というのが、今後、
どんな世界でも成功する1つのスタンダードな道になりうるのではないか
2:この寒空の中であっても路上ライブを行うっていうのは、まさに、
「才能とは持続する情熱」だなと。

昨年から事務所もつき、
ライブハウスでワンマンライブを行えば、
300人程度ならあっという間に集客できる彼らが、
寒風吹き荒れる寒空の中、路上ライブをやっている。
金をとれる彼らの音楽を無料で見せて、
かつ試聴用の無料CDも路上で配布している。

路上ライブって、漫画のフリーマガジンとか、
町で配っている試供品とか、無料体験講座みたいなもので、
将来自分たちのお客様になってもらえるかもしれない人たちに、
利用してもらえる貴重な営業的チャンスなわけで、
利用する側からしても、いきなりお金を払うのは、
その対価に見合ったものなのかどうか不安なわけだけど、
無料で一度体験できるというメリットがあるわけで、
路上ライブ的無料体験機会というのは、
双方にとってメリットがある、実に賢い方法なんだなとしみじみと思った。

最近、人気のアメリカ連続ドラマ「24」や「プリズンブレイク」とかが、
ドラマの1話目を無料DVDとして雑誌の付録につけたり、
他のドラマDVDのおまけとして入れたりしてる。
これ、すごい賢い方法だなと関心していた。
1話無料で提供して、おもしろいと思ってもらえれば、
あと残り20話近くはお金を払って見てもらえるからだ。
実に賢い営業戦略なのである。

ネット時代による無料公開発、新しいサクセスストーリーも生まれている。
文章や写真、音楽や動画などをネットを通じて無料公開することで、
たとえばそれを書籍化したケータイ小説が大ヒットしたり、
動画サイトで話題になったねこ鍋が写真集化されたり、
そういうことが今いっぱい起きているわけです。

まず無料で見てもらう。聴いてもらう。
そこでいいと思ってもらう人を多く獲得したものが、商業的成功を収めていく。
昨年、ウルフルズが全米iTunes USA ブルース・チャートにて6位を獲得するという、
快挙を成し遂げたわけだけど、
そのきっかけの一つとなったのがMySpaceでの試聴だったという。
ネットによる無料体験が、これまでの成功の階段とはまったく違う、
成功の方程式の一つとなりつつあるのだ。

そういう意味でネットではないけど、
路上ライブってアナログ的なネット無料公開みたいな、
音楽的成功をするための原点なんじゃないかなって思うわけです。

メリディアンローグがどこにでもある一バンドから、
多くのファンを獲得し、事務所がつくまでになった背景には、
音楽的才能以外に路上ライブを地道に積み重ねてきたことがある。

「バンドをはじめたばかりの段階で、
ライブハウスでお金をとり、知人だけ呼んでライブを何度やっても、
自分たちのファンを大きく広げることにはならない」

自分たちの音楽を多くの人に聴いてもらうためには何をすべきか。
自分たちが思い描く夢を実現するために何をすべきなのか。
彼らが出した答えが、ライブハウスで知人・友人をかき集めることではなく、
路上で不特定多数の人に聴かせることだった。
だから彼らはここまで集客する力を得て、
音楽的成功の階段を着実に昇ってきている。

もちろん、今のメリディアンローグは、
バンドをはじめた頃とは段階が違うので、
路上ライブをする意味は当初のそうした営業的意味合いから変わってきていて、
逆に路上ライブよりここぞというタイミングを選んで、
ライブハウスで意義あるライブを行う形にシフトしてきている。
でも月に一度、こうして自分たちの原点に立ち戻るために、
また、バンドスタイルではなく、
アコースティックでの演奏スタイルの可能性も追求するために、
この寒空の中、路上ライブをやっている姿を見ると、
自分の活動に置き換えて、彼らを見習わなきゃなと勇気付けられる。

才能とは持続する情熱である

そんな彼らの姿を見て、私の好きな言葉が思い浮かんだ。
彼らの情熱が、寒風を吹き飛ばし、路上で音楽を奏で続ける。
私もカメラマンとしてまたライターとして、外での撮影や取材が多いが、
寒い季節っていうのはやっぱり面倒だなとか思うこともある。
でも好きなことだったり、思い描く夢に近づく手段であるなら、
寒さなんか関係なく、嬉々として撮影に赴く自分もいる。

他人から「よくやるねえ」とか言われるんだけど、
好きなことだったり、夢の実現のための一歩だったりしたら、
とめられたってやめられない。
だから「才能とは持続する情熱」っていうのは、実に言い得て妙だなと。
成功する秘訣を見事に表している。

日本の将来が不安だとか未来が暗いだとかいう、
悟りを開いたかのように老成した若者が増えている。
でも果たしてそうだろうか?
ネットの出現によって、
コネだとか経歴だとか年齢だとかどこに住んでいるだとか、
そんなものはまったく関係のない、
可能性がひらける時代になった今、
将来不安だの格差社会だのワーキングプアなんていって、
自分を哀れんでいる場合じゃあない。

もし自分の夢や好きなことがあって、
それを商業ベースにしたいと考えているなら、
地道な無料営業活動というのをしてみたらどうだろうか。
ネットでできるものできないものもある。
音楽のようにネットでもできるし、
路上ライブというアナログ的方法が有効なものもある。

逆に、これだけネットが興隆した時代、
「ネットなんか低能」だとか「くずの情報ばかり」とか、
バカにしている未だに頭の固い輩は、
これからの新しい時代は、
生き残れないんじゃないかなと思ったりもする。

そんな意味で私もホームページを開設していて、
写真も文章も無料で誰でも見れるようにしている。
職業クリエイターの中には、金をもらうべき自分の作品を、
無料でしかも誰が見てるかもわからないネットで公開するなんて、
バカじゃないのかって思っている人も、時々いるんだけど、
それはよほどの大作家か巨匠カメラマンになったら吐く言葉であって、
むしろ視聴者が貴重な時間を割いていただき、
数あるホームページの中から、
自分の文章や写真を見ていただいていて感謝するくらいの、
発想の転換をしない限り、
ネット時代に生き残っていけないとも思ったりもする。

昨年、インタビューした坂本龍一絶賛アーティスト、
Oozeボーカル五阿弥瑠奈さんが成功の階段を歩み始めたのも、
入学式の日にフリーペーパーと一緒に、
無料CDを配布したことがきっかけだった。

そんなわけで何か表現したいことがあるなら、
ネットや路上ライブ、無料配布といった、
無料公開によるファン獲得というのを考えてみてはどうだろうか。

ちなみにメリディアンローグの次回の無料路上ライブは、
1/18(金)、JR川崎駅そばのラゾーナ川崎で行われますので、
お時間のある方はよかったら見に来てください。

・メリディアンローグ ~LAZONA Friday Music Night
日程:1月18日(金)
時間:(1)17:30~ (2)19:30~
場所:ラゾーナ川崎・ルーファ広場グランドステージ
交通:JR川崎駅改札出て左すぐ
http://www.lazona-kawasaki.com/info/event.shtml

・メリディアンローグ・ワンマンライブは3/2(日)表参道FABにて開催!
http://meridianrogue.com/

参考リンク
・音楽でメシを食う~ドラマー海保けんたろー(メリログ)インタビュー
http://www.kasako.com/sakuhin.files/kaihokentarou.html
・坂本龍一絶賛ボーカリスト・五阿弥瑠奈(Ooze)インタビュー
http://www.kasako.com/sakuhin.files/luna.html
Oozeのライブが1/20(日)下北沢で行われます。
http://www.ooze.x0.to/

ちなみにこのライブでは他のバンド含め、
東京少女のモデルとなっていただいている方が3人出演します。
・東京少女目次
http://www.kasako.com/modelfoto.html

by kasakoblog | 2008-01-16 10:43 | 生き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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