2011年 12月 12日
除染という名の国家的詐欺
「福島を最終処分場にしろ。
福島の除染は桜島の噴火が終わってないのに洗車するのと同じ」
(田中康夫氏)

こんな当たり前のことをわかっていない人があまりに多い。
「福島はかわいそうだ」とかいう同情論で、
冷静に物を見れない国民やボランティアはともかく、
除染の危険性やムダを百も承知の上で、
原発というおいしい公共事業を失った代わりに、
ボロ儲けしようとしている輩たちが、
意味のない除染に莫大な税金をむしりとり、
原発新設ができなくても、
この先、何十年も除染で金儲けしようとしている。
国民の犠牲のもとに。

除染の作業員が死亡した。
被ばくとは無関係だという。
本当のことはわからない。
しかしチェルノブイリでは、
除染作業員50万人のうち2万人が死亡し、
20万人が放射能障害に苦しんでいると指摘するブログもある。
http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-828.html

そんななか、原発から近い警戒区域の福島県楢葉、富岡、浪江の3町、
計画的避難区域の飯舘村に自衛隊員が約900人派遣され、
除染作業を強いられている。

言っておくがまだ原発事故は収束していない。
また大地震でも起きれば、
さらなる放射能汚染が広がる恐れがある。
大地震が起きなくてもまだ汚染は止まっていない。
すなわち田中康夫氏のいう、
「桜島の噴火が終息していないのに、
鹿児島市内で愛車を水洗いしている“滑稽さ”と同一」なのだ。

意味のない作業に貴重な自衛隊員が投入されている。
税金も無駄遣い。
何たる国家的詐欺。

そもそも除染というのは放射能がなくなるわけではない。
単に場所を移動させるだけに過ぎない。

「「除染」作業の現場というのは、土やアスファルト、コンクリートに
こびりついている放射性物質を再び空中や水中に解き放つということをしているわけで、
それを吸い込んだり呑み込んだりする危険が一気に増すのは自明のこと」

「付着して、ある程度安定していた放射性物質は再び拡散するから、
それを吸い込んだり呑み込んだりする可能性が増え、
除染の現場では普段より余計に被曝する。
水をぶちまけて流せば、水が流れていく場所が新たに汚染を増すだけのこと。
剥ぎ取って集められた土は、公園や空き地の隅に穴を掘ってひっそり埋められる。

表土を剥ぎ取った場所の空間線量は下がるが、
そこにあった放射性物質はどこかに移動しただけ。
もはや、どこにどれだけの汚染物質が埋められたのか、
あるいは流されたのか、分からない状態」
という。
「阿武隈(原発30km圏内生活)裏日記」
http://gabasaku.asablo.jp/blog/2011/12/04/6232466

いわば玄関の前にあった毒物を、
危険だからといって裏庭に埋めて、
「ああ、よかった」といっているだけに過ぎない。
除染で出た放射性廃棄物をどこに保管するか、
場所も決まっていないのに「除染」「除染」と騒いでいる。

「除染の際の水は如何に処理しているのか、杳(よう)として語られません」
(田中康夫氏)
除染作業は逆に被ばく拡散作業とすらいえる。
http://blogos.com/article/26355/

それでも除染で“玄関前”が安全になればいい、
と考える人がいるかもしれないが、
危険をおかして除染をしても、
放射線量が下がらない場所もある。

「政府は福島市大波地区で生産されたコメの出荷停止を決めたが、
汚染された地域の中には何度除染しても数値が下がらないところがある。
大波地区は本格除染のモデル地区に指定されたところで、
1ヶ月前には野田首相が視察に訪れた。
しかし視察から2週間後、神戸大の山内知也教授が再調査したところ、
住み続けていいレベルではないことがわかった。
この結果に福島市役所の担当者は、予想はしていたと語る。
本格除染をした3戸の家で平均すると除染率は平均2割減にとどまり、
一方費用は数千億円かかるのではないかとみられる」

~放射性物質除染の効果限定的 福島で神戸大調査~
「除染によって線量が一時的に下がったものの、
雨のたびに周辺の山林から汚染された土が流れ込む上、
コンクリートに固着したセシウムが大量に残っている可能性があるという」
(神戸新聞)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004570146.shtml

町を除染しても森林が汚染されている限り、意味がない。
「福島第一原発事故で、住民が避難した
警戒区域と計画的避難区域の大半を占める山間部の森林の除染は手付かずの難題だ。
専門家の間では「森林の除染は事実上不可能」との見方もあるが、
放置すれば流れ出る水を通じ汚染源になり続ける」
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2011090402100004.html

除染が不可能な森林を放置し、
町をいくら除染したところで、
まさに田中康夫氏の言うところの、
「福島の除染は桜島の噴火が終わってないのに洗車するのと同じ」だ。

莫大な費用をかけて除染をしたのに、
たいした効果もない場所もあるという現実。
米紙は除染ついて「最大の浪費事業になるかも」と指摘しているが、
なぜこの最大の浪費事業が行われるのか。
原発利権である。

「除染ビジネスは原発を建てた大手3社が仕切る。
鹿島、大成、大林組。建てて儲けて、壊れてからも稼ぐ利権構造」
(東京新聞)
http://heiheihei.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/12822-9e69.html

そう、ムダだろうが危険性があろうが、
なぜ除染作業が進められるか。
原発利権を守るためだ。

原発事故のために“地球温暖化対策に役立つ環境に優しい”原発が、
推進できなくなって、大手建設会社の皮算用が狂ったわけだ。
だから経団連など財界経由で「原発を再稼動させろ」
「原発がなければ経済成長ができない」と嘘八百、
国民の生命をないがしろにして、
企業が儲けるためだけに原発を推進しているわけだが、
一方で彼らはしたたか。
とはいえこれだけの事故が起きたのだから、
さすがに原発新設は無理かもしれない。
でも儲けるには除染が最適だろうということで、
莫大な無駄な作業を受注することで、
自分たちは何十年も公共事業で潤うとこういうわけなのだ。

ただやっかいなことは、
除染がムダで税金の浪費にもかかわらず、
“福島”に同情する人や、
“福島”に固執する人が、
除染作業の裏にある利権の意図を見ずに、
「福島のために除染をすべきだ」などといっていることだ。
そして除染は無駄だなどといえば、
「福島を見殺しにする気か」と非難する。

こういう愚かな同情論のおかげで、
原発利権でボロ儲けする輩は、
福島同情論を後押しに堂々と莫大な税金無駄遣いをし、
現場の作業員を危険な目にあわせて、
この先、原発が動かなくても儲かる仕組みを作り上げているのだ。

しかし高い放射線量の飯舘村の一部の人は、
こうした除染作業に対して反対の声をあげている。
除染費用を3224億円と試算するが、
「除染費用で土地を買い上げてほしい。
そうすれば2年を待たずに次の生活が始められる」

莫大な除染費用を避難費用にあてれば、
現実的にどれだけの人が救われるのか。

被ばくしてもいいからそこに住みたいという人が、
税金ではなく東電から金をせしめるなりして、
勝手に除染して住むのは構わない。
しかし何の罪もない自衛隊員が危険な除染作業を強要されたり、
意味のない作業に莫大な税金が使われるなんて、
断じて許されないことだろう。

一方、避難もできず、除染も進まない福島では、
自分たちの家族には危険だから絶対に食べさせないが、
自分たちの仕事がなくなると困るから、
うやむやにして食べ物を作ろうとしている一部農家もいるという。

~除染待てず田起こし 福島の一部 農水省は静観~
「土壌に放射性物質の蓄積が確認されている福島県の水田の一部で、
除染をしないまま、土をかき混ぜる「田起こし」が
進められていることが本紙の調査で分かった。
国などによる除染の実施時期が不透明で、
雑草が茂り土地が荒れるのを恐れた農家が行っている。
汚染は表土近くに集中し適切に除染すれば安全な農地に戻るが、
混ぜると放射性物質が拡散、除去が困難になり汚染長期化の恐れもある」
(東京新聞) 

とんでもない話だが、それは国が避難させずに、
意味のない除染に金を注ぎ込んでいるからだ。

ではどうしたらいいか。
除染に使っている莫大な費用を、
“福島”の人の避難に使えばいい。
残りたいという人は勝手に残ればいい。
しかし避難したいけどお金や住居や仕事がなくて、
“福島”に居続けなければならない人のために、
除染費用を回せば十分お金は足りるだろう。
原発利権に無駄な作業やらせて、
この先、何十年も何兆円と支払うなんて、
バカげたことしているのだから、その費用を回せばいい。
そしたら避難したい人の費用はまかなえるはずだ。

そして“福島”を廃棄物処理場にする。
全国に放射能廃棄物をこれ以上拡散させないために、
汚染された場所を廃棄物置き場にする。
残酷かもしれないがこれしか日本が生き残る方法はない。

同情論から反対し、一億総玉砕よろしく、
みんな負けるとわかっている戦いに突っ込み、
国民全員が命を無駄にするのか。
それとも一部を犠牲にして、
生き残る道を選ぶのか。

日本は「痛みを伴う改革」は必ず叩き潰される。
目先の「正義論」や「同情論」からだ。
しかしそれで全滅したら元も子もない。

これから徐々に小出しに、
いろんな健康実害ニュースが増えるだろう。
とりかえしのつかない事態になる前に、
意味のない無駄金作業はやめさせなければならないと私は思う。

書籍「検証・新ボランティア元年」


by kasakoblog | 2011-12-12 23:52 | 東日本大震災・原発


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