アメリカに支配された方が国民は安全だった?~原発事故議事録公開
2012年 02月 22日
事故発生直後の議事録が公開されたが、
議事録もつくっていない、
ろくに避難もさせない、
メルトダウンは否定する、
放射能漏れもないという、
放射線量もろくに測らない、
日本の犯罪的対応とはまったく別次元の、
危機管理がなされたことが明白になった。
はっきりいってがく然とする。
アメリカは事故当事国ではないにもかかわらず、
いち早く事故の最悪事態を想定し、
独自ルートで情報を入手し、
危機を回避するための対応がなされている。
この議事録公開でなおはっきりしたこと、
それは日本の政治家も官僚も原子力村の人間たちも電力会社も、
幼稚園児並みの知能しかなく、
自分たちでは操ることができない原子力というおもちゃを手に入れ、
事故が起きても国民の安全を考えるどころか、
自分たちの利権を守るために、
国民を犠牲にしても構わないという姿勢でいたということだ。
事故当初、日本ではメルトダウンなんか起きていないと言い張り、
海外メディアがいち早くチェルノブイリ並みの大事故が起きた、
と報道していることを「過剰だ」と笑い飛ばしていた。
しかしアメリカでは事故当初から、
3機の原発で外部電源を失っており、
メルトダウンする可能性があることを想定し、
日本政府が20キロ圏内は避難、
20~30キロは屋内退避という状況時に、
アメリカなら80キロ圏内に避難勧告を出すと、
議事録で明らかになっている。
日本は国民の安全を無視し、被ばくさせたが、
アメリカなら安全を考え、80キロまで避難勧告を出すという、
国民安全に配慮した危機管理の徹底ぶりの違いが明白になった。
さらに原発から放射性物質が大量に漏れているにもかかわらず、
日本では事故当初、どのぐらいの線量なのか、
報道は皆無に等しかったが、
アメリカでは原発から185キロ離れた空母が、
3/13には通常の30倍の放射線が検出されていることを把握している。
なんたる日本とアメリカの違い!
さらにアメリカが原子炉建屋に壁がなく、
燃料プールがむき出しの状態になっていることを、
画像解析で事故翌日には認識し、
燃料プールの冷却の必要性を感じていたが、
東電が把握したのは3月15日になってから。
しかもアメリカに冷却方法のアドバイスをこい、
アメリカが水だとアドバイスしてから、
5日たってやっと注水を行ったというあまりの遅さ。
しかもこのあまりに違う両国の対応の違いと、
日本の信じられないひどい対応が、
日本では議事録がないためわからず、
アメリカの議事録のおかげで、
そのことがわかったという、
二重、三重の意味でいかに日本が危機管理能力がないか、
国民の安全を軽視していたかが、明白になった。
どれだけ日本の対応が幼稚であったか。
国民なんかどうでもいいと思っていたか。
そのことが浮き彫りになってしまった。
ある程度まで予想はしていたが、
正直ここまでひどいとは思わなかった。
はっきりいってここまでひどいと、
もしかしたら日本は米国に編入された方が、
国民の安全は守られたんじゃないかとすら思ってしまう。
もし日本がアメリカ統治だったら、
すぐさま危機を察知し、
80キロ圏内の国民にはすぐさま避難勧告を出しただろう。
しかし日本はアメリカではない。
だからアメリカは事故の状況を把握し、
危機対応を考えていても、
アドバイスするだけで、
それを実行するかどうかは日本に委ねられてしまう。
結果、国民はさんざんな目にあった。
ここまで腐った国家をどうしたら変えられるのだろうか?
それこそこれまで利権に群がった“原子力ムラ”の人々を、
国民反逆罪として、
一生、原発そばで廃炉作業をやらせるとか、
そのぐらいの罰と責任をとらせないと、
今後も再び事故が起きても、
国民の安全を無視する対応がとられるのではないか。
いや、これはほんとブラックユーモアだけど、
日本はアメリカの属国になった方が、
もしかしたら「幸せ」なのかもしれない。
円高・円安を気にする必要はなくなるし、
TPP問題なんて一挙に片付くし、
基地問題だって片付く。
そして公用語が英語になれば、
世界に通用する強い日本経済、国民に生まれ変わるだろう。
私はアメリカの属国になることなんて、
当たり前の話だけど望んでいないけど、
今の状況を見ると、もしかしたらよっぽどもその方が、
国民の安全に配慮した事故対応、事後対応が、
なされていたかもしれない。
そこまで今の日本というのは腐っている。
・議事録が語る原発事故の10日間
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/0222.html
・アメリカ原子力規制委員会の議事録英語原文
http://pbadupws.nrc.gov/docs/ML1205/ML120520264.html