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尖ったモノが評価される時代~無難なモノでは生き残れない

日本って空気を読みすぎるというか、
少数の批判意見を恐れすぎるというか、
誰もが口当たりのいい、
万人受けするモノばかりを目指しすぎるきらいがあると思う。

そんな尖ったもの作ったら、
どこどこから批判されるのでは?
そんな尖ったもの作ったら、
お客さんから嫌われるのでは?

そうやって本来、特徴のあった魅力ある商品を、
勘違いした民主主義というか、
誰もが無責任になれる全会一致の合議制という意思決定により、
特徴をどんどん薄れさせ、
尖ったものを丸くしてしまい、
可もなく不可もない商品やサービスにしてしまう。

昔はそれでよかった。
高度成長期でモノが少ない時代に、
尖った商品やサービスなんていらなかったし、
また今とは違って一般庶民が情報を入手できる、
メディアが少なかっただけに、
万人受けするマスなものほど受け入れやすく、
それが結果、業績の向上につながった。

しかし今はもうそんな時代じゃない。
商品やサービスはいくらでもあふれている。
物質的には満足している人が多い。
しかもネットの登場によって、
テレビCMとか新聞広告みたいな洗脳広告が、
それほどの効果を発揮しなくなってしまった。

ある経済の専門家がこんな話をしていた。
「物が売れないのは不景気だからではないし、
少子高齢化のせいで人口減少でもない。
魅力ある商品がないからだ」

日本は少子高齢化で人口減少でダメだというが、
例えばiPhoneとかは売れているわけです。
なぜなら商品が革新的だから。
今までになかったから。

ところが日本では尖ったものは嫌われる。
無難なものにしようしようと、
今までどこかで見たことあるような、
ほんのちょっとだけマイナーチェンジしたような、
他社製品にもあるような無難な商品やサービスを作る。
結果、どうなるか。
売れないわけです。
そしてどうなるか。
価格でしか差別化ができなくなるわけです。
だから体力勝負で際限のない価格競争になり、
結果、利益を減らして、働けど働けど儲からず、
いつしか潰れるだけという帰結になっている。

もう今まで通り、無難なことをやっていたのではダメだ。
誰かに批判されたっていい。嫌われたっていい。
デメリットがあったっていい。
その代わり、特定の人にはぜひ欲しい、
今までにない特徴がある、尖ったものを作ること。
そうすれば価格競争にもならず、
他社を意識する必要はなく、
特定の消費者の心をわしづかみにして、
小ロットでも高収益で生きていけるわけです。

にもかかわらず未だにその時代の変化に気づかず、
無難なもの、誰からも批判されないものが、
一番いいと思い込んでいる。
結果、どうなるか。
無難すぎて誰からも支持されない無駄なものができるわけだ。

先日、3月中旬に出版予定の被災地取材本、
「検証・新ボランティア元年~被災地のリアルとボランティアの功罪」
の出版社である共栄書房に行った時のこと。
編集者がこんなことを言ってくれたのが印象的だった。

「これをブログで書いた時には、
相当な反発や批判もあったんじゃないですか?
でもそれでいいと思いますよ。
問題に一石を投じて賛否両論、
議論になることが何より大事だと思うんです」

私が書いているブログはかなり偏っているし、
かなり過激にはっきり書いている。
その反応は両極端。
会社を辞めた時に取引先などに、
ホームページの案内を送った時その両極端ぶりが実におもしろかった。

「こんなにはっきり書いてくれていて気持ちがいい。
すべての記事に賛同するわけではないけど、
どんどんはっきり意見を書いてください!
もう建て前だけのありきたりの意見は聞き飽きたし、
それでは日本はよくならない。
かさこマガジンも送ってください」という方もいれば、
「こんなはっきり書く人なんて、
何を書かれるかわからないし、
どっかから批判されるかもしれないから怖くてつきあえない」
という人もいた。

後者の気持ちもわかる。
でももうそんな価値観では通用しない。
そうやって万人受けする無難なものを目指しているから、
誰からも支持されずモノが売れずにジリ貧になっていく。
イヤな部分は隠して美麗字句だけ並べ立てたところで、
今の消費者はすぐに本質を見抜く。
下手をすると「いいことばかりいって、
悪い部分をいわないなんてあやしい会社だ」と、
かえって顧客の信頼を失う可能性がある。
そのことにまだ気づいていないのだ。

ロングテールの時代といわれてもう数年が経つ。
未だに高度成長期のモデルを引きずり、
洗脳広告でいいことばかりを強調して、
万人受けする商品を作れば売れるなんて、
とんだ勘違いだと思う。

嫌われてもいい。
批判されてもいい。
でも特徴がものすごくあって、
少数に圧倒的に支持されるものではないと、
もはや生き残れない時代になっていると思う。

日本は変わった。世界は変わった。
あなたは変わった?

by kasakoblog | 2012-03-04 23:32 | 生き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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