2012年 03月 05日
独立と自由を勝ち得た360度の音楽スペクタクル~メリディアンローグ・アルバムインタビュー
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「音楽の構造改革」を掲げ、新曲音源無料配信、会社設立、
アーティストの無料配信サイト「フリクル」立ち上げなど、
2011年に音楽活動をさらに進化させたバンド、メリディアンローグが、
メジャーから独立後、初となる、
ニューアルバム「白地図と羅針盤」を発売する。

CDが売れない時代に音源を無料配信していながら、
なぜCDアルバムを発売するのか。
ニューアルバムの魅力とは何か。
メリディアンローグのメンバー3人に話を聞いた。
(取材日:2012年3月2日)

●#1:闇から光へ~“第2のデビューアルバム”ともいうべき独立後の集大成

「自分たちの音楽に“ブレーキ”をかける必要がなくなった」
(ボーカル・涼さん)

メジャーデビューした2008年~2010年の約3年間、
メリディアンローグのメンバーは、
音楽を作る価値基準と音楽活動の仕方について、
どこに軸を持ってすべきなのか、模索を続けていた。

これまで目標としてきた、
メジャーデビューを実現することができ、
事務所のサポートを受けて活動できることはありがたかった。
しかし一方で音楽業界がこの数年で様変わりし、
CDが売れずに音源で収入を得るのは難しくなってきた。

これまで音楽業界で成功するには、
多少、音楽性の個性を犠牲にしてでも、
なるべく多くの人に受け入れるよう、
わかりやすい音楽にすることが一般的だった。
しかし多くの人にCDを売るビジネスモデルは崩壊した。

音楽を作る価値基準=羅針盤について、
これまでの音楽業界の常識は、
もはや通用しなくなったのではないかと思い始めていた。

そこでメリディアンローグは思い切った決断をした。
メジャーを辞めて独立し、無料で音源を配信するという、
これまでの音楽活動の常識とは異なる活動方法をすること。
曲作りについても、たとえ曲の個性が強すぎたとしても、
自分たちがいいと思った音楽を、
尖ったままで出し続けることではないかと。

今回のアルバムに収録している曲は、
今まで以上にメンバーがいいと思った、
そのままの状態になっている。

「今まではメジャーバンドであるゆえ、
CDの売り上げ枚数という結果をどこかで気にしてしまい、
曲作りの中で、ここまで尖った曲を作ったら、
気に入ってくれない人も出てくるのではないか、
もうちょっとソフトにした方がいいのではないか、
といったことをどこかで考えていたような気がする。
でも今回のアルバム『白地図と羅針盤』に収録されている曲は、
人からどう思われるかほとんど意識しないで作った、
はじめてのアルバムかもしれない」(ボーカル涼さん)

もっと尖った曲でもいいんじゃないか。
もっとユニークな曲、マニアックな曲でもいいんじゃないか。
万人受けするポピュラーな曲より、
少数でもものすごく気に入ってくれる人がいる、
マニアックな曲、自分たちがいいと思った曲を、
自信を持って提供していくことが、
これからの時代の音楽業界の“羅針盤”になるのではないか。

メリディアンローグはこれまでの音楽業界の常識という名の“コンパス”を捨てて、
音楽業界に新たな常識を作るべく、自分たちの羅針盤を持ち、
まだ何にも描かれていない、まっさらな白地図の世界に、
自分たちがいいと思った音楽を、
1つ1つ白地図に描いていった。
そこで完成したのがこの「白地図と羅針盤」なのだ。

ここに収録されている12曲のうち10曲は、
2011年から2012年にかけて、毎月無料配信されたものだ。
毎月、新曲がタダでもらえるということにはじめは驚いたわけだが、
それよりも何よりもびっくりしたのは、
毎月毎月、新境地ともいうべき、新たな試みがなされた、
今までとは違った感じの曲が送られてきたことだった。

「今度はこうきたか!」
「おっと今度はこんな雰囲気の曲が!」

毎月新曲を配信するという頻度から考えると、
私が懸念したのはマンネリ化だった。
毎月配信せねばならないという制約があれば、
どうしても似たり寄ったりの曲調のものが増えるのではないかと。

しかしそれはまったくの杞憂だった。
というよりも毎回毎回、新たなベクトルの曲が配信され、
1ファンとして「こんなに毎回違った方向性の曲で、
1年後とかに1つのアルバムとしてまとまるのだろうか?
全部シングルのベスト盤みたいになるのだろうか?」と、
むしろそんな心配をしていた。

しかしそれも杞憂だった。
無料配信された様々なベクトルを向いた10曲に、
アルバム書き下ろしの「コドモジカン」と、
ギターソロ「Dual boot」が加わった12曲を聴いてみると、
バラエティに富んでいながら、
一本の筋とストーリーが通った、
1つのアルバムとして完成されていた。

それはきっと「今メンバーがカッコイイと思う曲」という、
白地図の中で手に入れた一つの羅針盤。
メジャーデビューという“遠回り”とも思える、
いい経験をしたからこそ手に入れた、
自分たちが心の底から信じることができる絶対基準。

「やりたいことがすぐできる、
昔のメリディアンローグに戻った感じ」とギターの長田さん。
「リスナーにどう受けるかではなく、
自分たちがしたい音楽をしているかどうかの判断基準で、
徹底的に好きにこだわったアルバム」とドラムの海保さん。

誰から何を言われようが、リスナーがどう受けとろうが、
まずは自分たちがいいと思う音楽、
自分たちが楽しいと思う音楽でなければ、
人を感動させることなんてできないという、
確固とした信念を得られたからこそくる、
自信に満ち溢れた曲群は、
白地図に色とりどりの花を咲かせたスペクタクルが広がっていた。


前例のない荒野を走り抜ける「ウェイストランド・イン・メトロポリス」。
コピペされた人が量産される無機質な現代を描いた「クローンユニット」。
方向感を失った世界の中で道標を探して彷徨う「幻想羅針盤」。
本心を隠して欺瞞の仮面を被った社会を表す「ブラインドマスク」。

こうした「暗黒の荒野」の中で、
自分たちが考える理想の音楽の形とは何か、
たどり着いた答えを提示した「サウンド・アンリミテッド」。

闇と光が混在する社会の中で、
他者の存在によって生きている意味を見出した「光と闇」。

前半6曲で闇から脱して一つの光明を見出す。

そして後半6曲。
人生のダイスの目がめまぐるしく変わったとしても、
すべては幸せを引き立てる隠し味と感じられる「アットランダム」。

今を目一杯楽しむことで、
出会ったことのない自分に出会える、
高揚を感じられる「ダンシング・ウィズ・スペクトラ」。

未来感あふれるデジタルサウンドながら、
ギターの音色が人生の悲喜こもごもを暗示させる「Dual boot」。

人生のはかなさと一瞬の輝きを描いた「カゲロウノ夢」。
忘れかけていた子供の頃の心を表す「コドモジカン」。

そして、最後に新たな人生のスタートライン、
閉塞感あふれる社会の中で、
痛快、豪快、明快に生きる道筋を提示した、
華やかな「ブランニュー・スタート」で締めくくる。

メジャーデビューから独立を経て今に至るまで、
今を生きる1つのアーティストの苦悩と希望を、
壮大な音楽絵巻物として見せた、
“第2のデビュー”ともいうべき、記念すべきアルバムだ。

今、日本社会で生きていく上で必要なことを、
1枚のアルバムに凝縮した、生きる指針となる12曲。

メンバー3人が「自分たちのこのアルバムばかり、
やたら聞いている」という自信作。

無料配信した曲群ばかりなので、
すでにメルマガ登録して音源を持っている人にとっては、
音源を買うというよりグッズとしての価値を。

無料配信でダウンロードできる音源は、
最新曲の1曲のみなので、
全部音源を持っていないという方は、
純粋に音源のCDとしての価値を。

そして今までメリディアンローグを聴いたことがない人は、
今回のアルバムの中でとっておきの一押し曲、
「幻想羅針盤」をメルマガ登録して、
無料で音源をもらって聴いてみて、
気に入ったらCDアルバムとしての価値を。
http://frekul.com/artists/profile/mr

メルマガ登録が面倒という方は、
ライブ動画「幻想羅針盤」を見て判断していただければいい。
http://www.youtube.com/watch?v=pn5cbGcX5q8&
(メリディアンローグのライブはなんと動画も音声も写真も撮影自由!)

ライブ動画「ウェイストランド・イン・メトロポリス」
http://www.youtube.com/watch?v=str7HCYlubU&

とにかくすごいです。
CD予約受付は3/8まで。
後はライブ会場での販売(直近のライブは3/23)になるので、
メルマガ登録するなり動画を見るなりして、
気に入ったら予約申し込みして、
アルバムを堪能するといいと思います。
http://meridianrogue.com/pc/yoyaku.html

※後日、メンバーによる全曲解説インタビューを掲載します!


by kasakoblog | 2012-03-05 22:03 | 音楽


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