2012年 06月 07日
企画会議だけで売れる商品は作れない
「何がウケて何がコケるかがわからない時代になった」
という話をよくいろいろな出版社とする。
実際、最近の世の中ってそうなっていると思う。
思わぬものが流行し、これぞと思ったものが流行らなかったり。

でもそれでいて世の中はいまだに、
マーケティング信仰がはびこっていて、
新商品は会議室でマーケティング部の人たちが、
もっともらしく過去のデータや、
最近の流行を調査したりなんかして、
ストーリー付けした企画を作ったりして、
それで新商品を開発している。

昨日ポテチチップスメーカーの新商品開発の様子が、
テレビで映し出されていた。
それを見て唖然とした。
ああ、いまだに前近代的なマーケティングに基づいて、
会議室内でプロを気取って、
やれこの企画にはストーリーがないだとか、
ターゲットが狭められていないだとか、
商品名の意味はなんだとか、
この素材を使う意味はなんだとか、
くだらん議論をやっていて、
だからこうして、
しょうもない新製品ポテチや新製品スナックが開発されては、
すぐに消えていくんだなと。

タレントがマーケティング部に入り、提案した企画。
春だから出会い。
出会いだからターゲットは学生。
春で出会いだから初恋の甘酸っぱさを表現した梅を使う。
それにもっともらしくうなづく社内の人たち。
バカじゃないかと思う。
そんなことにこうしてムダ金使っているから、
オーソドックスな売れ筋商品の単価は下がらないのだろう。

ターゲットを狭めた方がマーケティング理論的にはいいという。
具体的なシーンが思い浮かぶ方がいいという。
で、梅味のポテトチップスは、
入学式前後の学生だけが食べるものなのか?
初恋をイメージして梅味のスナックを食べる人がどれだけいるのか。
そもそもポテトチップスに、春だから出会いがどうのとか、
夏だからなんだとか、そんなもの求めているのだろうか?

会議室で賢そうに議論している内容を見ていると、
まるでおままごとだなと思う。
コンセプトだのターゲットだの何でもいいから、
いろんな味のポテチを作ってみて、
消費者に食べさせてアンケートでもとった方が、
よっぽど確かなマーケティングになるんじゃないのか。

ちなみに私は中学校2年生からほぼ毎日ポテチを食べ続けている、
大のポテトチップス好きだが、
季節限定だとか奇をてらった新商品ポテチには一切手を出さない。
その多くが定番商品のおいしさにかなわないことと、
値段がたいがい高いこと、
すぐに商品が消えてなくなるから、
気に入っても食べ続けられないからだ。

よって私はカルビーののり塩、湖池屋ののり塩が基本で、
たまにカルビーのフレンチサラダを食べるぐらいで、
他の商品には一切手を出さないで、
毎日毎日ポテチを食べ続けている。

まあそれは私の個人的な好みであって、
他の人は違うだろうけど、
でもそれにしても社内の会議室で、
春だから出会いで学生がターゲットで、
梅だから甘酸っぱいからとか、
そんなことでポテチを買うやつがどこにいるんだとアホらしくなる。

その一方で企業って、
ほんのわずかな回答しかない消費者のアンケートとか、
ごく一部の変わり者のクレームとかを異様に気にして、
それが消費者の大半の意見を代弁していると勘違いし、
新商品を作ったりなんかしてしまう。

それは「消費者の確かな生の声」ということで、
社内の企画を通すのに説得力があるからだ。
でもそれは消費者の一部の声であって大半の声ではない。
そうやって間違ったマーケティングに基づき、
おかしな商品が作られているから、
世の中、新商品だらけで、
でもたいした印象もなく消え去っていくわけだ。

何がウケて何がコケるかがわからない時代の中で、
単なる後付け理論でしかない、
過去のデータに基づく推論でしかない新商品なんかより、
その担当者が「とにかくこれがほしい!」「これがうまい!」
でも「その理由なんかよくわからない」「コンセプトもよくわからない」
という商品の方がよっぽど売れる確率は高いのではないか。

それらしく理論をつけて説明するからおかしなことにある。
単にうまいだけで十分じゃないか。
あと売れるかどうかは、プロモーションの問題であって、
マーケティングの問題ではない。

でもそれだと多くの人が仕事がなくなっちゃうわけです。
それに大企業としては個人の味覚や直感を認めるわけにはいかない。
アホな新入社員でも組織の歯車として、
仕事ができるようにしなくてはならない。
すると、感覚的なものは否定され、
数字的な裏付けや説明ができるものしか作れなくなる。
こうして、先が読めない、
何がウケるかわからない時代に、
つまらない商品を量産するわけだ。
そして季節ごとに次々と新商品が出ては消え、
また出ては消える自転車操業営業を続けていく。

企業に限らず、個人でもそう。
ついつい頭で考えすぎてしまう。
すべての行動に理由や説明を求めすぎてしまう。

「わからないけどこれが好き!」
「直感でインドに行くべきだと思った!」

本当はそれでいいのに、
自分の行動を周囲から弁護するために、
後付けで理論武装をしてしまう。
結果、本来の目的とはずれてしまったり、
直感でしたいと思ったことではなく、
計算が成り立つ選択をしてしまう。
そして見事に失敗する。

調べることは大切だ。
過去のデータも知っておくことにこしたことはない。
今の流行を頭に入れておくことも無駄ではない。
でもそれにとらわれて導き出されたものなど、
いかにつまらないものか。
世の中、計算通りに行くなら、
みんな大ヒットしているはず。
そうならないのはすべてが計算で説明できるわけではないからだ。

これからの時代、もっともらしいマーケティング理論で武装するより、
計算して行動を考えるより、
自分の直感を働かせた方がはるかにいい結果が出ると思う。

余計な説明はいらない。
理由はなくてもいい。
「こんなモノがあったら絶対欲しい!」
「これだ!」と思った直感を大切にしたい。

・・・・・
もし何かAmazonで買い物する方いらっしゃれば、
下記よりお願いできれば助かります。
Amazon


by kasakoblog | 2012-06-07 22:28 | 一般


<< バンドと客を食い物にする音楽業...      忘れがちな目の前の人、時、日常... >>