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選択肢が多すぎて束縛を求める「自由から逃走」する人たち

選択肢が多い世の中って素晴らしいと思うはずなのだが、
最近はどうもそうでもない人が増えてきたように思う。

例えば職業。
自分の意志でいろいろな職業から選べる時代の方が、
豊かで幸せな人生を歩める可能性がある反面、
多くの職業の中から自分で探し、選ばなければならない面倒を考えると、
むしろカースト制度や士農工商、
親の職業を問答無用で引き継ぐぐらいの方が、
迷わなくていいとも捉えられる。

例えば結婚相手。
自由恋愛で誰でもいいとなると、
選択肢が多すぎて誰からも選べず、
婚期を逃し、結婚できなくなってしまう。
ならば親同士が勝手に決めてくれるぐらいの方が、
迷わず、選ぶ面倒なくいい。

例えばファッション。
スーツという「制服」があれば、
会社に着ていくものに迷いはしないのだが、
スーツじゃなくて服装自由とか突然いわれても、
結局何を着ていいかわからず、スーツを着ていくみたいな。

例えば勤務時間。
決まった時間があるからその時間に出勤するけど、
フレックスで何時でも来ていいとか、
別に会社に来なくてもどこで働いてもいいなんていわれると迷う。
自由はいやだ。決めてくれ。
定時で会社のオフィスで働くと「強制」してくれた方が、
よっぽど楽だといったように。

例えばラーメン。
味の濃さ、脂の量、麺の太さ・硬さ、にんにくの量など、
事細かに聞いてくるラーメン屋が時々ある。
自分の好みがはっきりしている人にとっては、
こんなにうれしいサービスはないが、
こだわりのない人にとっては質問されるのが苦痛。
だから「全部普通でいい」と答える。

例えば音楽制作。
新曲「あたりまえ」のレコーディングをした時のこと。
エンジニアの人がこんなことを言った。
「今は安い機材、安いソフトでも何十種類もの音を出せる。
自分にとってはこだわりの音を探せるからいいけど、
普通の人にとってはあまりにも音の種類が多すぎて、
選びきれないかもしれない」。

選択肢があるということは選ばなければならない。
選ぶには選ぶ力がいる。
選ぶ力がある人、自分の好みや志向が明確な人にとっては、
選択肢が多い社会は豊かで幸せに感じる。
ところが選ぶ力がない人、自分の好みが明確でない人にとって、
選択肢が多いことは苦痛以外の何者でもない。
だから束縛してくれとこういうわけだ。

選択肢が増えるにつれ、
選択力の格差が広がっている時代になっていて、
そのせいでむしろ選択を狭めた束縛を求める人が増えているような気がする。
そういう人はそういう人で勝手にすればいいのだが、
迷惑なのはそういう人が増えるせいで、
選択肢が多いことをよしとしている人までとばっちりを食うことだ。

すべてにこだわりがある人なんて少ないと思うし、
すべてにこだわる必要なんてないとも思う。
でも「自由から逃走する」束縛を求める人が増えてきたせいで、
せっかく選択肢が多い自由な社会なのに、
選択肢を狭められるような社会にはしてほしくないなと思う。

最近、思うこと。それは、
自己管理ができる人ほど自由を求める。
自己管理できない人ほど束縛を求める。
ということだ。

力がない人ほど束縛を求める。
力がないんじゃなく、力をつける努力を怠っているからだ。
でもそんな人たちに足を引っ張られる社会って、
生きにくくてイヤだなと思う。

大企業志向とか公務員志向とかも、
きっと力がない人間の束縛志向の表れなのかな、
とも思ったりもしている。

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by kasakoblog | 2012-09-01 23:16 | 生き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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