2012年 09月 03日
この本が「ふんばろう」。書籍の内容としては非常に残念「人を助けるすんごい仕組み」
「人を助けるすんごい仕組み――
ボランティア経験のない僕が、日本最大級の支援組織をどうつくったのか」
西條剛央著を読んだが、非常に残念な内容だった。
残念というのは、著者が行っていた支援活動は、
ものすごい素晴らしいにもかかわらず、
書籍の内容は散漫で、焦点が絞れておらず、
はっきりいって「人を助けるすんごい仕組み」はこれではわからない。

なぜこんな情けない内容になってしまったのか。
3つの要素を中途半端に混在させたからだ。

1:ボランティア経験のない著者が2人で立ち上げたプロジェクトが、
最大級の支援組織になるまでのドキュメンタリー

2:国や他のボランティア団体ができなかった支援の仕組み

3:著者の専門である構造構成主義

この3つをどれも中途半端に混在させているので、
ドキュメンタリーとしても細部が不十分、
すんごい仕組みについても、
具体的なオペレーションがわからず不十分、
そしていわずもがな、というか、
これいるのか?と思う構造構成主義が出てくることにより、
せっかくの具体的な活動記録が、
あまりにも唐突な理論説明によって、
読者の心をぶったぎってしまう。

1か2、どちらかに絞って書くべきだった。
個人的には今後の災害のことを考えれば、
2についてもっと具体的に詳細に書いてほしかった。
そうすれば著者がいなくても、
他の人がそれと同じことができるから。
これは著者の責任というより編集の責任。
年末年始に缶詰して書かせているところをみると、
内容より発売時期を優先させたのかとも勘ぐってしまう。

ただ疑問なのは、この活動がうまくいったのは、
方法論が素晴らしかったからなのか、
たまたま有名人のリツイートがあったからなのかという点。
素晴らしい方法論を思いついたところで、
有名人のリツイートがなければ、
この仕組みは機能しないのではないかと考えると、
かなりの偶然性に頼らざるを得なくなってしまう。

この本の中できちんとまとまっていて、
非常に優れた提言になっているのは第8章の一部分。
今回の災害で行政がなぜうまく機能しなかったのか、
要請主義、公平主義、民間との非連携など、
被災地支援に行った人にとっては、
苛立たしいほど感じた壁だったに違いない。

活動内容や仕組み内容が素晴らしいだけに、
この消化不良の内容は非常に残念。
2の仕組みに絞ってまとめた書を出せば、
他のボランティアにも参考になると思う。

ただこの本を読めば、
ボランティア経験がなくても、
想いがあって行動力があれば、
多くの人を助けることができるという、
熱い想いは伝わってくるので、
今回の震災であまり支援ができなかったと感じる人は、
読んでみるといいと思います。

・「人を助けるすんごい仕組み

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by kasakoblog | 2012-09-03 22:42 | 書評・映画評


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