好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

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2012年 09月 10日

サービスをよくすることがサービスじゃない

JAL:18470円
ANA:18970円
スカイマーク:8800円
エアアジア:8280円※成田発
ジェットスター:8990円※成田発

1カ月後の東京ー那覇間の航空運賃である。
同じ行き先なのに2倍も料金違うのかと愕然とした。

世界ではLCC(格安航空会社)が当たり前になっているが、
日本は既得権益を守るために、
参入を拒んだり、高い障壁を課していたせいか、
やっとここ数年になって格安航空会社が就航するようになった。

私はこれまで約20年間、46回海外旅行に行っている。
何回かは船に乗って行ったが、
そのほとんどは飛行機だ。

何回か飛行機に乗るうちに、
ずっと不満に思っていたことがある。

分厚くてがさばる航空券じゃま。
機内食まずいからいつも空港で食べるからいらない。
機内で酒は飲まないからその分、運賃安くしてほしい。
数ヶ月前に予約したら安くなるとかないのかな。
別に映画とかゲームなくても、
本とガイドブックとパソコンがあるからいらない。
荷物預けないのに面倒なチェックインする必要あるのか?
なんで航空会社の直販チケットが高いのか不思議。
旅行会社によって航空券代がバラバラで、
いちいち電話かけて料金かけて予約するの面倒。

そんな風に思っていた。
いらんサービスいいからもっと安くしてくれればいいのにと。

それを実現したのがLCC(格安航空会社)だ。
まだLCCに乗ったことはないのだが、
「格安エアラインで個人旅行が変わる」下川裕治著を読み、
うんうんうなずくばかりだった。
ずっと前から思ってたことを実現してくれたから安いんだと。

搭乗券はペラペラの感熱紙。
旅行会社に無駄な手数料を払わず、
ネット直販でコスト削減。
機内食は有料。荷物を預けるのも重さに応じて有料。
サービスはできるだけ省力化し、
サービスを利用した人が料金を払う仕組み。
ビジネスクラスなんかもない路線が多く、
とにかく運賃を安くしたいという利用客のニーズに応えた。

私はずっと航空会社のニュースに違和感を覚えていた。
新しいビジネスクラスではこんなラクなシートで、
スペースが広くて、こんなエンタメ施設がついていて、
とか言われても別にビジネスクラス乗らないから関係ないしとか、
機内食はどこどこのシェフの監修のもと、
季節ごとの旬の食材を取り入れとかいっているけど、
そんな変なこだわりいいから、
カップヌードルでもいいし、キムチ丼とかでいいんだけどとか。
なんかこう、ごく少数の金持ちのために、
どんどんグレードの高いサービスやこだわりのサービスを導入しても、
私をはじめ多くの人は別にそんなサービス求めてないし、
それよりも飛行機代1円でも安くしてくれた方が、
よっぽどありがたいんじゃないかと。

独占業界って競争にさらされていないから、
真に客が求めている声をきちんとひろえず、
一部のうるさい客や自己満足的なことばかりに注力し、
サービスが向上したと思い込んでしまうのだろう。
だから破綻したんだろうな。
ほぼ2社独占業界なのにもかかわらず。

「格安エアラインで個人旅行が変わる」下川裕治著のなかで、
非常におもしろい話があった。

日本航空では機内で配ったイヤホンの回収を誰がやるかで、
経営陣と客室乗務員で議論が白熱したという。
なぜか。
客室乗務員は機内清掃みたいな下等な仕事なんか、
したくないし、するべきではない、
という意見だったようだ。

この著書ではこうしたエリート意識による高コストが、
日本が競争が立ち遅れた理由の1つと解説する。
客室乗務員が当たり前のように、
機内清掃やイヤホンの回収をして、
別のいらぬ人件費をかけないLCCとは大違いで、
あらゆるところで高コストが当たり前になってしまっている。
こんな高慢な意識ではコスト削減などできるわけがない。

私は前からずっと不思議に思っていたことがある。
スッチーって新幹線や特急列車の車内販売の人と、
別に仕事内容変わらないようね。
それなのになぜスッチーが憧れの職業で、
新幹線の車内販売の仕事が憧れの職業で高給取りではないのだろうか。
新幹線の車内販売の仕事を見下しているとかではなく、
客席を回って飲食を提供するという意味では、
スッチーも新幹線も変わりないのに、
なぜ待遇や給料が変わるのだろうかと、
ずっと不思議だと思っていた。

そういう不思議なところこそコスト削減のポイントがある。
そこを格安航空会社は当たり前のようにコスト削減した。
別に飛行機の乗務員だけが特別な仕事ではない。
バスや電車と同じようにあるべきじゃないか。

競争がない業界ってこうしてどんどん客が見えなくなり、
自己満足の高サービスこそが、
客のニーズに応えていると勘違いし、
そこにエリート意識や高慢意識が生まれ、
高コスト体質になり、無駄な経費ばかりかけて、
利用者の低価格ニーズに応えられなかった。

とかく価格競争の弊害ばかりが言われるけれど、
でも公平な競争がない業界って、
こうやって衰退していくんだなという典型的な例をみるようだった。

航空業界だけではなく、あらゆる業界で、
自分の仕事に置き換えてみて、
価格が高かろうが高品質のサービスをすることが、
客のニーズに応えていると勘違いしていないか、見直した方がいい。

別に価格がすべてではない。
価格が高くてもこのサービスがあるからいいんだよ、
っていうのはもちろんあると思う。
でも無駄に価格が高いのはやっぱりおかしいし、
サービスや商品を決める上で、
価格が大きなウエイトを占めていることは確か。

もちろん安いからといって、
安全を軽視するとか、ミスが多くてもいいということにはならない。
ただ無駄なコストを削減したから安くなっただけの話で、
安全コストを削減したら本末転倒だ。

ぜひ自分の仕事や業界を振り返ってみて、
本当に客が求めているサービスなのかどうか、
本当はそこを省いて価格を安くした方が、
客は喜ぶんじゃないだろうかという視点で考えてみたい。

そんなことを考える良書です。
・「格安エアラインで個人旅行が変わる」下川裕治著

LCCで海外旅行に行く計画を立てるなら
・「LCCで行くぶらり格安世界の旅」下川裕治著
がおすすめ。

私もLCCに乗ってどこか行こう!
※ただ最近はLCCより既存の航空会社の方が安かったりすることもある。

・日本はガラパゴス化ではなく鎖国共産主義で崩壊~航空業界と電力業界の相似形
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by kasakoblog | 2012-09-10 23:18 | 一般


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