2012年 09月 17日
加速する脱中国~中国なんかよりベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー
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反日デモで日系の店が襲撃されるなど、
中国ではとんでもない事態になっているようだ。
日系の店を襲撃しても、そこで働いているのは中国人だったりするわけで、
困るのは日本企業だけでなく中国人も困る。
このため中国版ツイッターでは、
一部の暴徒化する中国人を批判する冷静な意見も多いというが、
95%の人が礼儀正しくても、
中国政府が裏で煽動しているかはともかく、
たった5%の暴徒化する人がいて、
そこを重点的に報道すれば、それですべてはぶち壊し、
場合によっては戦争に発展する可能性もある。

こうした反日デモが起きているからではなく、
その随分前から、すでに日本企業の脱中国化は進んでいる。
高度成長がすさまじく、もはや人件費が安くないからだ。

中国の一人当たりのGDP推移
1995年 約600ドル
2000年 約945ドル
2005年 約1726ドル
2010年 約4421ドル

この15年で7倍以上にもなっている。
日本の一人当たりのGDPに比べればまだ1/10だが、
東南アジア諸国に比べると割高感がある。

東南アジアの一人当たりGDP
インドネシア:3509ドル
フィリピン:2223ドル
ベトナム:1374ドル
ミャンマー:832ドル

中国より安い。
特にベトナムなんかは中国の1/3だ。
政治リスク、治安リスクの大きい中国より、
ベトナムやミャンマー、カンボジアなど、
人件費が安い東南アジア諸国に工場を移転する動きが、
近年活発になっている。

先月、日本企業のアジア進出をサポートしている、
コンサルティング会社など数社に取材をしたが、
「中国」という言葉はほとんど出てこなかった。
インドネシア、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、
インド、タイといった国の話が圧倒的に多かった。

「中国はどうですか?」と話をふると、
「中国はむしろ撤退支援のニーズがあります」という話だった。
今回の反日デモでより撤退ニーズは高まるだろう。
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もちろん中国が高度成長するにつれ、
工場として進出するというより、
商品を売る市場として進出する動きはある。
しかし見ての通りのこの騒ぎだ。
中国人従業員をいっぱい雇っても、
日系企業というだけでターゲットにされるなら、
たまったもんじゃない。
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いやでも中国は13億人もの巨大市場だし、
というが、ご存知の通り、中国の国土はむちゃくちゃ広い。
民族も違えば、気候も違い、時差もある。
沿岸部の漢民族主体の大都市はともかく、
ウイグル、チベット、モンゴルなど、
何十万、何百万といる「少数」民族がいっぱいいる。
「中国」という一くくりで見て、
同じ商品を同じやり方で売れるかというとそうでもない。

だったら反日リスクが少なく、
人件費も中国よりも安く、でも結構、人口もいて、
これから成長する国に重点を置くというのは当然の流れだ。

例えば先ほど挙げたアジア各国の人口だが、
インドネシア:2億3800万人
フィリピン:9401万人
ベトナム:8784万人
ミャンマー:6242万人
もいる。

最近では「CLMB」という言葉もにわかに流行っている。
C=カンボジア、L=ラオス、M=ミャンマー、B=バングラデシュの4カ国だ。
まだまだ発展途上の「未開地」ではあるが、
インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイなどよりも、
さらにこれからの国なので、
人件費も安く、うまく進出すれば、
経済成長過程で儲けられるのではと、
日本企業は期待している。

ただ経済発展段階の格差を利用した儲け商売というのは、
永続的に続くわけではなく、
人口減少とかいったところで1億人以上もいる日本向け商売が、
外国相手の商売よりもリスクは格段に低く、いいとは思うが。

こうして反日デモが起きなくても、
中国パッシングが進みつつある中、
あれほどまでの暴動を行ってしまった。
たった5%の人が行った暴動であったとしても、
日本企業はもちろん、中国に進出する外国企業にとっては、
相当ショッキングな映像だろう。
店が襲撃され、壊される。
こんな国なんかに進出したくない、
もう撤退するかと思う企業がいてもおかしくはない。

こうなればますます中国の経済停滞は加速する。
しかも中国は東南アジア諸国と違い、
一人っ子政策というとんでもない政策を実施してしまった。
日本が今、年金問題をはじめ、
世代間詐欺が問題となっているのは人口減少ではなく、
少子高齢化という歪な人口ピラミッドのせいだ。
社会に大問題を引き起こす、
子供が少なく老人が多いという状況を、
中国は自ら政策によって誘導してしまったことにより、
若年人口の多い他の東南アジア諸国に比べて、
今後の成長が期待できないというウィークポイントを持ってしまっている。

また中国では三重帳簿が当たり前という。
税務署提出用の帳簿、銀行提出用の帳簿、本当の帳簿の3つだ。
こういう「イカサマ」が当たり前の国ゆえ、
日本企業が進出しにくい環境もある。

これに追い討ちをかけるように、反日デモ騒動だ。
いよいと中国のバブル崩壊が始まったのかもしれない。

ただ恐ろしいのは、国内経済や国内問題が深刻化すればするほど、
尖閣諸島への強硬手段が考えられる。
「尖閣諸島は日本のものだ」なんてわめいても、
国際社会でははっきりいって何の意味もない。
これまでの自民党政権や島を持っていた地権者が、
無人島にしてほったらかしていたツケが、
中国に突き入れられるスキを与えてしまった。

戦時中の日本と同じですよ。
国内景気が悪化すれば、国民の不満が高まるから、
ナショナリズムを煽って、対外強攻策に打って出て人気をとる。
1000隻の中国漁船が尖閣諸島に向けて出発したというが、
こうした人海戦術でこられて、
島に上陸し、島に住まわれたら、
はっきりいって尖閣諸島も第二の竹島、
中国に実効支配され、領土を奪われることになる。

まだ尖閣諸島でおさまればいいが、
石垣島や沖縄本島への派兵なんてことも、
中国の国内不満分子が高まったら、
政府が統制できず、現場で暴走し、
そんなことになりかねない危険性もある。

ただ幸いないことに沖縄本島には米軍基地がある。
もし米軍基地を沖縄から追い出したら、
中国はなんなく沖縄を占領するだろう。
しかし米軍基地があると、対日戦争だけでなく、
アメリカにケンカ売る話になるので、
尖閣諸島まで乗っ取ったとしても、
米軍基地があるうちは沖縄本島への進出は、
さすがに避けるかもしれない。

しかも皮肉なことに、沖縄は中国人観光客のおかげで、
たいそう儲かっているらしい。
2011年に比べて27倍もの中国人が訪れているという。
ここまですごいともはや中国人なしでは、
経済は成り立たない可能性も高い。

中国本土では日本企業の脱中国化が進んでも、
むしろ日本国内で中国人観光客に依存して、
経済を成り立たせている地方や観光地にとって、
日中関係の悪化は深刻な問題だろう。

とにもかくにも一部の暴徒がきっかけで、
日中戦争になることだけはなんとしても避けたい。
そんなことしたら被害があるのは両国民だけ。
何の得にもならず、多くの人が戦争で犠牲になる。
こんなバカなことになることだけは避けなければならない。

ただ世界各地でこれだけデモが起きているのは、
国境にしても国籍にしても国土にしても、
もはやこのグローバルな時代に国家という枠組みが機能していない、
国民のためにあるはずの政府が、
国民のための政治をしていないということなのかもしれない。
もう国家なんていう枠組みはなくしてしまえばいいのにとも思う。

※写真は2012年7月、北京で撮影したもの

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by kasakoblog | 2012-09-17 22:08 | 一般


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