好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

kasakoblog.exblog.jp
ブログトップ | ログイン
2012年 10月 04日

成功の裏に大変な苦境も!働くことに勇気が出る本「起業家2.0」

人は他人の成功をうらやんでばかりいて、
「あの人は運がいいからだ」「あの人は才能があるからだ」など、
自分が努力しない言い訳を並べ立てて、
不満な現状の自分を必死に正当化している。

でも華々しい「成功」をした人にも、
とんでもない苦境や失敗があり、
それを乗り越えてきたからこそ、
「成功」した立場なり地位がある。
そんなことがとってもよくわかる、
とてもおもしろい本が「起業家2.0」佐々木俊尚著だ。

ミクシィやはてなの社長など、
次世代起業家9組を取り上げた本。
起業に至るまでの紆余曲折や、
起業後の失敗と成功などが描かれている。
出版されたのは2007年のため、
取り上げた起業家たちの最新の状況はないが、
起業前後の話なので、今、読んでも十分楽しめる。

それにしてもこの本を読むと、
起業前に「こんな苦境があったのか!」と思うほど、
とんでもないトラブルに見舞われている起業家が多い。

ここで紹介されている事例でいえば、
ネットサイトのオープンで、
華々しく事業をスタートさせるはずが、
オープン間近になって、発注したシステム会社が、
ほとんどサイト構築できていない事実が発覚したり、
共同出資していた人と大喧嘩になり、
出資した株を買い取らざるを得なくなり、
資金が大幅に不足するはめになったりと、
恐ろしいほどのトラブル話が続々と出てくる。

ここでトラブルにはまっている人をみると、
大手企業のサラリーマンとして長らく勤めた人が多く、
生ぬるい体質、守られた体質が抜けきれず、
ビジネスにからむ生々しいトラブルの現場に、
今まで居合わせたことがないから、
こんな世間知らずな大失敗をしてしまうんだろうな、
と思ったりもするが、
起業や出資といった金の匂いがする話には、
とんでもない金の亡者、時には詐欺師までもが集まってきて、
それに引っかからないようにするというのは、
かなり難しいことではある。

でもそんな困難があっても、
起業に向かってあきらめない姿勢を貫けば、
どこかで打開策が生まれてくる。
こういう話を読むと、
読者が自分の立場に置き換えて、
「自分はまだまだ恵まれている」と勇気が出てくるはず。
別に起業しようという人だけでなく、
今、会社に働いている人や、
転職を考えている人にも役立つ内容だと思う。

ただこの9組の話を読んで、
起業には2パターンあると気づいた。
1つは、自分でネットのサイトを構築できるような技術者出身の人で、
起業ありきじゃなく、
自分でおもしろいネットサービスを作っていたら、
それがビジネスになりそうだからと、
起業したという自然な流れ。
こういう人たちは「起業家2.0」だと思う。

ただもう1パターンあって、
「会社働きはつまらないからいつか起業したい」
「何の事業かはわからないけど、何でもいいから起業したい」
というのは、本末転倒な起業に思えて、
「起業家2.0」なんじゃなく、
単に会社員時代でやっていたことを、
自分が経営陣になってやりたいだけの話ではないかと思う。

ホリエモン全盛期の頃、
こういうおかしな起業ブームがあって、
会社が嫌、会社が頼れない、
だから起業っていう人が多かったような気がする。

本来、起業って、
こんなサービスがあったらいいなと思うけど、
今の世の中にはない、もしくは劣っているものしかないから、
ならば自分でやっちゃえっていうのが、
「正しい」あり方ではないか。
そういう動機で起業する人って、成功確率は高くなると思う。
なぜなら自分が一ユーザーとしてニーズを感じているから。

一方、起業自体に憧れている人、
会社員がイヤだからという理由で起業する人って、
机上の空論で必死にビジネスモデルを考え、
マーケットをリサーチしたりして、
「こんなビジネスモデルならうけるかも!」
と思いついて起業するパターンが多い。

でもそんなの会社員でやっていることと同じ。
自分が切に必要としているサービスではなく、
自分が起業するためにそれらしいビジネスモデルを考える。
そういうのって非常に弱い。
だって本当にそのサービスが必要とされているかなんて、
他人事の机上の空論にしか過ぎず、
自分事ではないからだ。

サラリーマンがイヤだから起業する、
という人は失敗するんじゃないか。
ビジネスモデルを頭でこねくりまわして、
考えて起業する人は失敗するんじゃないか。

起業ってサラリーマンよりも当然リスクも大きいわけで、
大変なことも多い中、
そういうのを乗り越えるには、
会社員がイヤだからとかでは続かない。
また自分が必要としているわけでもないのに、
パソコンに向かって思いついたビジネスモデルなんて、
血の通ったサービスにならないから、
いくら素晴らしいビジネスモデルであったとしても、
ユーザーの心を100%とらえることができず、
やがて廃れていってしまうのではないかと。

そういえば、音楽の無料音源配信サイト「フリクル」を立ち上げ、
2011年に起業したのはメリディアンローグという元メジャーバンド。
自分たちが必要なスキームが世の中にない、
ならば自分たちで作ってしまおう。
でもそれをやるには法人にした方がやりやすいので、
会社を設立し、サイトを立ち上げた。
そして2012/10/1には、有料会員を募る、
プレミアムサポーターの仕組みを導入した。
そういうことができるのは、
彼らがサービスの提供側でもあり、ユーザー側でもあるから。
「こんなサービスがあったらいいよね」
というのを自分たちの目線で考えられる。

お偉い大企業が大金使ってなんちゃって市場調査をし、
現場を知らないお偉いさんたちが会議室に集まり、
パワポのスライドだけ見て判断するような、
そんなサービス提供の仕組み自体、
もはや通用しない時代になったのだと思う。

最近になってまた起業ブームが再来しているような気がする。
それは、
・会社員でいることのリスクが高まっている
・311で生き方を変えたい
・フリーエージェントやノマドがもてはやされるようになった
・会社が設立しやすくなった
といった状況があるからだと思う。

でも思う。
会社がイヤだから起業なんて気持ちだけでは、
起業は成功しない。
やりたいことありきで起業は考えるべきだ。

そんなことを本書を読んで考えさせられた。
ぜひ読んでみるといいと思います。

・「起業家2.0」佐々木俊尚著

ちなみに働き方を抜本的に考え直すなら、
・「就職しない生き方
・「自由であり続けるために20代で捨てるべき50のこと
がおすすめ。

Amazonで買い物する際、下記よりお願いできればありがたいです。
Amazon
(有料メルマガに頼らない私の方法 http://kasakoblog.exblog.jp/18718552/

かさこツイッター(お気軽にフォローどうぞ。基本フォロー返しします)
http://twitter.com/kasakoworld


by kasakoblog | 2012-10-04 11:35 | 書評・映画評


<< 復興予算で沖縄と北海道の道路工...      空の下で >>