好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

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2012年 10月 16日

ホリエモンになりきれない男~かわいそうな生き方~与沢翼

こんなかわいそうな生き方している人がいるなんて。
なんだかとっても気の毒。
この人は一生ジェットコースターのような人生を歩み、
社会に役立つこともできず、
家族や恋人との大切な時間を過ごすこともなく、
ただビジネス上の数字転がしのために、
生きていくんだろうな。
ひたすら高得点を狙うために、
ただゲームだけ夢中になっているみたいな。

「スーパー フリーエージェント スタイル」与沢翼著という、
本を読み終えて思ったのは、
この人を批判したいとかそんなことではなく、
あまりにもかわいそうで気の毒な人だということだった。

前半はものすごくおもしろかった。
はちゃめちゃな人生にすごいなと思った。
小学生の頃から仕事をし、
中学生時代にはいらない服を転売するビジネスで
高校中退後もバイクの転売事業を始めて、
月収50~70万円もあったという。
さらには車の転売事業も始め、
ローンを組ませるために、
自分で金貸しを始めてまた荒稼ぎしていたという。

子供の頃からものすごく頭がよく、
商才があったのだろう。
ただものすごい不良で逮捕歴もあったが、
心を入れ替えて猛勉強し、
高校3日で中退したにもかかわらず、
大検をとって早稲田に合格した。

大学時代は弁護士をめざすも、
ビジネスの血が騒ぎ、学生時代に起業。
3年半で月商1億5000万円の会社に成長させるが、
6年目に倒産させてしまう。

ここまでは話としてものすごくおもしろかった。
しかし倒産から立ち直るために、
ネットのアフィリエイトや、
ネットワークビジネスという名のネズミ講で荒稼ぎし、
結果、何百坪のオフィスを持ち、何百人もの社員を雇い、
月うん十万円の六本木の高級マンションに住み、
高級車を即金で買い、月収が1億円で、
今後は年商1000億円のグループを作ると豪語している。

後半、ひたすら金の話ばかり。
給料がいくらだとか月の売上がいくらだとか。
始めに立ち上げて倒産してしまった会社は服を売っていた。
きちんとした製品があり、その売上を伸ばすために、
サイトをどうするとか、プロモーションをどうするとか、
フラッグショップを出すとか、ビジネスとしての実態が見えた。

しかし在庫を抱えるビジネスは儲からない、難しい、
自分ではできないと感じ、
今はひたすら「フリーエージェント」という流行の単語を使っただけの、
単なる情報商材のネットワークビジネス業まがいが主のようだ
ひたすらいくら稼いだとか、
倒産したのに起死回生でまた金持ちになれたとか、
そういう話ばかりで、
一体このビジネスの実態がどういうもので、
何のためにやっていて、誰の役に立っているのか、
さっぱり見えてこない。

いや、はっきり見えているのは、
在庫リスクも店舗リスクもない、
ネットと情報を組み合わせたネズミ講のようなもので、
ラクして稼げる、自己増殖できる、
マネーゲームに夢中ですという話だけだ。

当たり前の話だけど、
ビジネスって誰かの役に立つからお金をもらえるわけです。
こんなサービスがあったらいいな、
こんな商品があったらいいな。
それを実現するからこそビジネスを起業し、
社会の役に立とうとビジネスを拡大していくわけです。

でもここに書かれているのは、
そのビジネスの基本視点がまったく抜け落ちている。
ラクして儲かる方法を見つけ、
それをひたすら増殖していけば、
みんなもラクして儲かります。
それをフリーエージェントなどという、
聞きざわりのいい言葉を使っているだけ。
やっていることを例えていうなら、
パチンコで儲かる方法教えていたら、
それで月1億円の収入になりました。
どう、すごいでしょ。
もっとみんなほめてほめて、
といっているような内容だった。

だからホントにかわいそうな人だなと思った。
年商をいくらにするとか、
給料が月最低限1億円はいるとか、
それで、それが実現できると幸せなの?
社会にどれだけの価値を与えることができるの?
社会をどんな風に変えられるの?
マネーゲームで1万点とってうれしいですか?
ってただそれだけの話。

写真をみるとあまりにイタイ。
似合わない高そうな服着て、
こんなにみにくく太っちゃって、
こんな写真を堂々とのせてしまえるほど、
かっこいいと思っているのだろうか。
そんなに金あるんだたら、
まず太りすぎをどうにかした方がいいんじゃないと真っ先に思う。
キャラにあった感じの太り方ならともかく、
ぜんぜんあってない。
月収1億円あってもダイエットすらできないのか。
なんてかわいそうな人生。
金の稼ぎ方も使い方も根本的に間違っているのだろう。

不幸なことにこの人はものすごく頭がいいようだ。
会社を立ち上げた当初、
仲間に逃げられてしまった時も、
サイトの運営を自分でするため、
デザインからプログラムから、
本を買ってきて読み、短期間でマスターしてしまったらしい。

ものすごく頭がいいのだ。
だから小手先のテクニックで、
簡単に金が稼げてしまう。
ほんともったいないなと思う。
そこに社会をこうしたいとか、
もっとこんなサービスや製品があったらとか、
そういう思いがあって、その頭脳があれば、
本当に素晴らしい起業家になれるだろうに、
給料や年商の数字を上げていくゲームに夢中になっているだけで、
なぜそのゲームをやっているのか、
肝心要の人生の核が抜け落ちてしまっている。

もしかしたらホリエモンとダブる方もいるかもしれない。
ホリエモンもM&Aを利用し、
企業を早期に拡大し、売買ゲームに夢中になっていたから。
でもホリエモンの著書を読んでも、
マスコミが報じる言動を見ても、
ここまで心の芯がない、
ただ金だけという人とはまったく思わなかった。
ホリエモンがやろうとしたことは、
今のあまりにも日本社会の非効率なやり方にうんざりし、
効率よくやってみせただけであって、
そうした行動に若者たちが拍手喝さいを送った。

野球にしてもそうだけど、
既得権益まみれの利権老害集団のせいで、
あまりにもふがいない情けない球団経営していて、
なんでそんなバカなことしてんの?
もっとうまくやれるでしょ。
ビジネスという力を使えば、
社会はもっと活性化するのに、
というシンプルな動機も見えた。

この著者もホリエモンに感銘を受けたのか、
ボクシングで似たようなことをしているようなのだが、
なんか単なるホリエモンに憧れた真似事で、
なぜそれをしたいのか、心からの動機が見えない。

月収1億円は最低限。
なんかほんとかわいそうな人。
そんなにないと生活楽しめないんですか?
なんて不自由な人生なんだろう。
別に他人の生き方だから関係ないけど、
この人がほんとのフリーエージェントで、
他人を巻き込まず、自分のこれまでの商才を活かし、
1人で稼いでいるならいいが、
フリーエージェントクラブなどと称し、
ラクして稼げるかもという、
目先の金に目がくらんだ、
頭のよわい人たちをいっぱい集めた、
ネズミ講まがいのことを行うことで、
多くの人を巻き込んでいくのがこわい。

前半の人生はおもしろかった。
しかし倒産にまで至ったにもかかわらず、
この人は変な方向に人生をシフトさせてしまったようだ。

せっかく商才もあり頭もいいのだから、
ラクして稼げるという視点でビジネスをするのではなく、
本気で実現したいことを愚直にビジネスやったら、
さぞ多くの人から感謝されるだろうに。

もったいない。
このままで行くと、
メディアには絶好の色物として扱われ、
数年後にはまた倒産なのか何なのか、
今まで以上の大失態が待っていると思う。
ほんともったいない。
でもゲームの高得点を稼げる、
ズバ抜けた才能を持ってしまったがために、
何度ゲームでゲームオーバーになっても、
また次のゲームを見つけて、
ひたすら高得点をめざす人生を続けるのだろう。


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by kasakoblog | 2012-10-16 10:10 | 書評・映画評


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