2012年 10月 20日
復興の足を引っ張る地元意識
「おまえは陸前高田を見捨てる気か」
陸前高田で被災したしょうゆ醸造業の八木澤商店が、
一関市に新しい工場を建てて再スタートを切ったが、
地元の人の中には「陸前高田を見捨てる気か」
といった批判をする人もいるといった話をテレビで報道していた。

もう被災地に行くとこんな話ばかりで、
うんざりすることもある。
絆なんかじゃなく歪みが広がった被災地での現状。
こうした狭小な勘違い郷土愛をふりかざす、
意識の古い人間、既得権益にしがみつく人間、
今までのやり方を変えようとしない人間、
視野の狭い人間、自信のない人間、
批判ばかりで行動しない人間がいかに多いことか。
残念ながら東北の復興が遅れている理由の1つは、
こういう人が結構いることにある。

私が被災地をいろいろ見てきた中でも、
陸前高田の壊滅ぶりはどこよりもすさまじかった。
しかも何度も何度も津波がきている場所だ。
高台もそう多くなく、海沿いの平坦な市の中心部に、
また町を作ることが可能なのかどうかとも思う。
陸前高田でボランティアをしているある人は、
「100年に4度も津波でやられているのだから、
町の復旧・復興は根本的に考え直さなければならない」
といっていた。

4度とは、
1896年の明治三陸津波、
1933年の昭和三陸津波、
1960年のチリ地震津波、
2011年の東日本大震災、
のことだ。

町が壊滅した陸前高田を訪れた後、
東京に戻るため、一関まで行ったのだが、
車で30~40分走った一関は、
ほとんど家の倒壊もなく、
普通の街並みが広がっていた、
その落差が印象的だった。
東京に引っ越すとかいうのは、
あまりにも現実的ではないかもしれないけれど、
ちょっといけばそれなりの都市があるのに、
と不思議に思った。

でも見ての通り、現実的に商売を再建する選択肢として、
陸前高田から一関に工場を移しただけでも、
地元を見捨てるのかといった批判をする人がいる。
こういう人がいるから、
復興しようという人の足を引っ張る結果になる。

福島で取材していると同様のことが何度もあった。
福島から避難するものは、
郷土を見捨てた許せない奴という雰囲気がある。
一時期東京に避難していて、
数ヵ月後に戻ってきて、
復興に力を入れようとした地元の被災者は、
「逃げた奴が何を今頃」と批判の目で見られたという。

偏狭な郷土愛しかり、ナショナリズムしかり。
自分に自信がない人たち、
口ばかり達者で行動ができない人たち、
よその土地で暮らしたことがない人たち、
昔ながらのやり方でラクして生きていきたいという人たちが、
時代や環境の変化に合わせて、
やり方を変えて生き残ろうとする人の足を引っ張ろうとする。

原発維持や復興予算の流用に見受けられる、
公共事業のバラマキも同じ志向。
変わりたくない。
行動したくない。
今まで得た地位や権力を守りたい。
だからやり方を変えるべき時期にもかかわらず、
もはや時代に通用しなくなったやり方を踏襲し、
ああだこうだ文句をつけて、
変わろうとする人たちを、
様々な圧力をかけて縛りつけようとする。

でも多くの被災地が、
震災が起きなくても過疎化で、
徐々に活力が奪われていた。
これをきっかけに変わらなければ、
復興なんてあり得ない。
でも今までのやり方に固執しようとする人がいかに多いことか。

変わりたくない人が、過疎化した自治体で、
税負担も重く、公的サービスも低下する中、
勝手に死んでいくのは価値観の問題だから、
そういう生き方もあるだろう。
でも変わろうとする人の足は引っ張らないでほしい。
ジャマをしないでほしい。
若い人まで道連れにしないでほしい。

結局、今の日本で起きていることは、
八木澤商店への批判と同じ。
新しいやり方をするものを叩き潰し、
未来への希望や発展を閉ざそうとする。

そういうことにだけ労力を使う暇と知恵があったら、
時代の変化に応じて生き残るためのことに、
力を注げばいいのに。
変わらない人間の道連れにされるのは懲り懲りだ。

変わろうとする人は、
変わらない人間の言うことなど気にする必要ない。
それに気を使って妥協した行動をすれば、
自らも命を落とすことになりかねない。

日本は変わった。あなたは変わった?
既得権益はあなたです。

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by kasakoblog | 2012-10-20 13:12 | 東日本大震災・原発


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