2013年 01月 09日
現役教師の嘆き~体罰と増加する生徒の校内暴力
「教師がちょっとでも手を出せば、体罰だとバッシングの嵐。
でも自分と同じ体格ぐらいの生徒に、授業中の私語を注意したら、
胸ぐらつかまれ、壁に押しつけられる。
昔と違って、やり返すなんて絶対にできない。
教師の権威もまったくない。
だから教師は一方的にやられるしかない。
それで仕方がなく警察に通報すれば、
『生徒を警察に突き出すのか!』
『教師として子どもを育てる責任を放棄している!』
とまたしても教師・学校のバッシング。
それを家庭のしつけのせいにしようものなら、
『親に責任を押し付ける気か!』とまた非難。
一体、教師はどうしたらいいんでしょう?」

少し前に上述のような現役の中学校の先生の話を聞いて驚いた。
数年前ぐらいから生徒の校内暴力が増えており、
手に負えない生徒も多いというのだ。

今の教育現場についてまったく知らない私は、
「まさか、校内暴力なんて、数十年前の話じゃあるまいし。
ゆとり世代の子どもたちが暴力なんてふるうのだろうか?」
とも思ったのだが、統計データを見ると、ここ最近、
学校の校内暴力が急増していることがわかる。

文部科学省の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、
2011年度の小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は約5万6000件。
2008~2010年度の約6万件からは減少傾向にあるものの、
2006年度の約4万4000件から比べると相当な数だ。
校内暴力で最も多いのは、生徒間暴力で約3万2000件だが、
対教師暴力は約8500件、器物損壊は約1万3000件に及ぶ。

これに呼応するかのように、
警察が取り扱った校内暴力事件数も増加傾向にある。
内閣府の統計によると、
2001~2004年は1000件未満だったものの、
2005~2010年まで1000件を突破し、
2008年と2010年には1200件を突破している。
私が話を聞いた先生の話は、
個別の学校の特殊事情というより、
全体的な傾向にあるようだ。

大阪で高校2年生の生徒が、
教師の体罰が原因で自殺したという、
痛ましい事件が起きた。
行き過ぎた体罰は許されるものではない。
体罰というより暴力であり犯罪行為だ。

しかし逆の場合、すなわち生徒が教師に暴力をふるっても、
教師がこれを抑止する手段を持つことも、
自衛する手段を持つことも許されない。
「教師だから当然」「相手は子どもだろ」
「学校の指導が悪い」「教師の指導力がない」
と他人事のように片づけてしまえばそれまでだが、
じゃあおまえがやってみろと言われたとして、
注意しても言うことを聞かず、
家庭のしつけも悪く、でも警察にも通報できない状況で、
暴力をふるう生徒をどう指導できるのか?と考えてみると、
すべて教師が悪いというのは、あまりにも現実を直視していないし、
何の解決にもならないような気がする。

私は現役の先生の話を聞くまで、
そうはいっても教師や学校が悪いだろうと思っていたけど、
暴力生徒やクレーマー化する親のすさまじさを聞くと、
すべてが教師が悪いという、
学校に責任をなすりつける態度こそが、
暴力生徒を増やしている要因なのではないかと思う。

教師の体罰を正当化する気は毛頭ないし、
暴力を暴力で抑えこむことがいいこととは思わない。
しかし“丸腰”の教師が、
どうやって大人のように言うことを聞かない、
赤の他人の子どもの暴力生徒を指導できるのか。
残念だが警察介入する以外、方法はないんじゃないか。

そういえば、先日読んだ本
不愉快なことには理由がある」橘玲著に、
こんなことが書いてあった。

・・・・・・
なぜ公立学校ばかりでいじめが問題になり、
私立学校ではいじめがないのか。
それは、私立学校では問題のある生徒を退学処分にできるから。
評判が悪くなれば倒産してしまうから、
強制的な措置をとることができる。
公立でいじめ問題をなくしたいなら、
民営化して、学校に生徒の退学処分の権限を与えればいい。
・・・・・・

義務教育の公立学校で生徒を排除することはできないだろうが、
だからこそいじめも校内暴力もなくならない。
子どもだけでなく大人もそうだけど、
人間、痛い目にあわないとわからない人が多い。
その手段として何らかの罰を認めない限り、
学校や教師を批判しても、
いじめや校内暴力はなくならないのではないだろうか。

教育って難しい。
個別個別によっても違うのだろうが、
何かあったら教師が悪い、学校が悪いというのは、
思考停止の一面的な見方ではないかと、
先生の話を聞いて気づいた。

そもそも歩きながらケータイやるような、
他人に迷惑をかけることを平然と行い、
それが悪いこととも気づいていない、
自己チューの大人が多いのだから、
子どものしつけなんてできない親の問題が、
何より大きいのかもしれないが、
子どもは親を選べないから、
だからこそ学校や教師が必要なんだとは思うけど。

ただ権限も権威もろくにない教師が、
責任だけ押しつけられて、
何か出すぎたマネをしようものなら、
親からもマスコミからもバッシングされ、
生徒からは暴力ふるわれると思えば、
触らぬ神に祟りなし、問題児は注意せず、
授業ができず、他の生徒の邪魔になろうが、
スルーを決め込むしかないのは、
致し方がないようにも思える。


※読めばわかると思うが、念のため、
教師の生徒に対する体罰を正当化するものではありません。


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by kasakoblog | 2013-01-09 21:28 | 一般


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