2013年 01月 10日
体罰横行の体育会系部活とブラック企業の類似性~未だに気合いと根性と忍耐の日本社会
大阪の高校で教師の体罰によりバスケ部主将の生徒が自殺してしまったが、
この高校ではバレー部の顧問も体罰をしていたことが発覚したという。
このニュースを聞いてふと思った。
高校や大学での体育会系ノリの部活動っていうのは、
ブラック企業で働かせる人材育成養成所なのかと。
体育会系部活の仕組みとブラック企業の仕組みって、
ものすごく似ているのではないか。

最近になってブラック企業が大きな社会問題となっているが、
働いている当人たちが「それが当たり前」だと思って気づかない。
異常なパワハラ、セクハラ、奴隷労働をさせられても、
他の世間的常識を知らず、会社に洗脳教育させられているから、
怒られるのは自分が悪いと思い込み、
どんどん追い込まれ、逃げ場を失っていく。

今野晴貴著「ブラック企業」には、

「印象的であったのは、多くの違法行為が存在し、
凄惨なハラスメントの横行といった状況にもかかわらず、
相談者はみな『自分が悪い』と口々に訴えたことである」

と指摘している。

これだけブラック企業が社会問題化しても、
当の被害者は自分が被害者であることに気づかず、
自分の努力が足りないからだと思い込む精神構造は、
新卒時に研修と称して行われる、
カルト教団並みの人格破壊洗脳教育だけでなく、
もともと学校生活において、
体育会系部活でしごかれているから、
すんなり組織とはそういうものだと思ってしまうのではないか。

すべての体育会系部活がそうであると言うつもりはないし、
体育会系がすべて悪いとは思わないが、
ブラック企業をブラックと思わせない精神構造は、
体育会系部活が育て上げているのではないか。
うがった見方をすれば、
ブラック企業で低賃金長時間労働させる人材育成のために、
体罰横行の体育会系部活があると言えるかもしれない。

なぜならブラック企業と体育会系部活は、
組織の仕組みにおいて非常に似たものを持っている。
下記はかなり極端化・単純化したものだが、
例えば上からの命令は絶対であり、
どんな理不尽なことでも逆らわず、
大声で挨拶してやらなければいけないとか、
新人(新入生)は奴隷であり、
上(上級生)の様々なお世話を強制させられるとか。
暴力によるしごきは当たり前。
拘束時間が異様に長く、
活動時間外でも常に命令が優先される。

誰かが失敗したら連帯責任をとらせることにより、
仲間に迷惑がかかるから服従せざるを得ないという、
相互監視の仕組みを作り上げる。
誰か一人をターゲットにして、強烈に叱り飛ばすことで、
全員に恐怖を植え付け、恐怖で支配する。
裏切り、逃げることは絶対に許されない。
技術や工夫なんかより、気合いと根性と忍耐がすべて。
それができない人間はクズ扱いされるなどなど。

組織が目指しているのは目先の利益。
次の大会で優勝するとか翌月の売上を上げるとか。
その人一人ひとりの人生にとって、
物理的な負荷をかけることが、
寿命を縮めることになっても知ったことではない。

ここまでひどい体育会系部活が、
どのぐらい存在しているかはわからないが、
部活の主将を自殺に追い込むまでの、
恐怖追い込みが、実際に大阪の高校で行われていたとなると、
他の学校でも似たような「体罰」という名の、
顧問による暴力が行われている可能性は高い。
まるでその体罰横行の体育科系ノリをスライドするかのように、
ひどいブラック企業は多数ある。

でもこんなひどいブラック企業に入っても、
「自分が悪い」と自分を攻めて、
自殺するか過労死するまで働き続けてしまう人が多くいる。
体育会系部活の常識がブラック企業の常識に馴染みやすい、
といった面があるからではないか。

ブラック企業までいかなくても、
業績がふるわないのを、
「気合いと根性が足りない」と叱り飛ばし、
具体的な戦略的指示やアドバイスができない無能な上司は数多くいる。
結局、今の時代になってもなお、
仕事ができない、業績がふるわない社員は、
「気合いと根性が足りないからだ」という精神論で片づけてしまう。

だから日本経済は衰退し続けている。
「気合いと根性と忍耐」だけで業績がよくなるのは、
経済全体が右肩上がりの高度成長期の話であって、
今の時代に根性論で業績がよくなることはほとんどない。
いやあるかもしれないが、それは短期で終わってしまうだろう。

でもブラック企業ならそれでいい。
だって社員は使い捨て。
恐怖と暴力と洗脳で追い込み、
辞めるまでボロぞうきんになるまでしぼりとり、
しぼりつくしたら、そいつは退職強要の嫌がらせをして辞めさせ、
正社員募集と称して次なる餌食のフレッシュな、
体育会系ノリの若い人材を補充すればいいだけの話なのだから。

「気合いと根性」が口癖の上司がいたら、
それは「自分は具体的アドバイスができない無能な人間。
部下は使い捨てぐらいにしか思っていない」と宣言しているようなもの。

顧問が生徒を自殺に追い込むまでの体罰の横行も、
過労死や自殺に追い込むブラック企業の横行も、
日本社会全体に巣食う共通の病理ではないか。

もういい加減、体育会系部活で、
軍隊方式の組織絶対服従のイエスマンを養成するのはやめ、
一人ひとりが自分の頭で考え、
時には組織や上司の方針にも疑問を提起できるぐらいの、
論理的・合理的な思考や判断ができる個人を育成する方向に、
社会全体が変わっていった方がいい。

でも軍隊方式の組織絶対服従システムは、
すぐに結果が出やすいから、
部活でも企業でもハラスメントが横行するのだろう。

※念のためすべての体育会系がひどい実態だと、
指摘しているわけではありません。

・現役教師の嘆き~体罰と増加する生徒の校内暴力
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by kasakoblog | 2013-01-10 22:13 | 働き方


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