好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

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2013年 01月 25日

SOSの猿・書評

久々に伊坂幸太郎作品を読んだ。
書評では賛否両論、かなりの伊坂ファンの方もが、
途中でやめたとか、この作品だけは読めないとか、
そんなレビューもあったけど、
すんなりさらっと読めて、
読後感も悪くなく、押し付けがましく訴えかける感じではなく、
物語の中でいろんなテーマをパッケージして、
優しくコミカルに展開し、とても後味のいい作品だった。

いろんなテーマが織り込まれているので、
何もこれだけ、ということではないけれど、
私が印象深かったのは、
「原因の原因の原因」というテーマだ。

何かが起きた裏には原因がある。
でもその原因が起きたことにも原因があり、
そのまた原因にもその原因がある。

いつまでどこまでさかぼればいいんかい!
という話なんだけど、
でも人々のいろんな営みが、
相互に影響しあって社会を形作っていて、
1つの出来事は上っ面で見れば、
1つの結果に過ぎないのかもしれないけれど、
でもそこに至る原因や要素が様々あって、
それをいろいろ探っていくと、
不幸な出来事が幸せな出来事に見えるかもしれない。

そういうポジティブに生きるために、
原因の原因をつなぎあわせて、
ハッピーエンドな結果にする、
“物語”を作ることが人には必要なんじゃないか。
そんな思いも感じさせた。

前半はややとまどうかもしれないが、
あまり深く考えず、
というか伊坂作品なんてこんなものだと思いながら、
読み進めていくと、この物語の輪郭が浮かび上がってきて、
それがどんどん相互に関連しあってきて、
1つの収束していく気持ちのいい読後感を、
私は味わえたと思います。

でも伊坂作品のこの不思議な小説の力ってすごい。
このテーマを論理的な言葉で箇条書きにして、
「人はこうすべきだ」「ああすべきだ」
といったところですべての人に伝わるわけではない。
でも小説という不思議な表現形態で、
なんとなくいろんなテーマをしのばせて、
なんとなくわかったような気にさせる、
そのふわふわした感じだけでも残れば、
きっとこの社会にプラスのものなっているのだと思う。

・「SOSの猿」伊坂幸太郎著

・最近読んだ小説の中で文句なしのおもしろさ!「下町ロケット」
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by kasakoblog | 2013-01-25 23:30 | 書評・映画評


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