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誰かがおかしいと言わなければならない

「かさこさんは家にいることあるのですか?
ほとんどどこかに出張で出かけっぱなしなんじゃないですか?」
とよく質問されるが、意外と家にいることが多い。
取材で海外や地方に4~5日ぐらい家をあけることはあるけど、
実はそんなにしょっちゅうではない。
先月末なんかは4日連続ほとんど家にひきこもり状態で、
一歩も外に出ないなんてこともわりとある。

サラリーマンが当たり前だと思っていた。
平日は必ず朝、通勤電車に乗って出社し、
仕事が忙しくない時でも基本的には定時までいなくてはいけない。
それが当たり前で、何の疑問も思っていなかった。

でもこうして毎日、電車に乗ることもあまりなく、
会社に行くこともなく、ほとんど家にいて、
プー太郎かひきこもりみたいな生活していて、
食べていく方法もあるんだなと感心してしまうことも、
フリーになるとそれが当たり前になり、少なくなったが、
考えてみれば世の中の「常識」から考えたら、
とんでもない「非常識」なことしてるんだなと思ったりもする。

当たり前って何だろう。
常識って何だろう。
狭い世界に閉じこもっていると、
異常なことまでもが「当たり前」「常識」として、
何の疑問も抱かず受け入れるようになる。
洗脳だ。

でもおかしな常識に疑義を呈した、
勇気ある人たちもいる。
暴行パワハラされた柔道女子選手たちが、
監督を辞任させることで、何の業界体質も改善しないまま、
幕引きしようとした全日本柔道連盟や、
日本オリンピック委員会(JOC)に対して、
新たに失望と怒りの声明を発表した。

私なりに解釈すれば、
監督1人辞任させればいいって問題じゃない。
あんたらお偉いさん方含めた、
腐った業界体質をこの機に抜本的に改善しろって言ってるんだ。
このまま監督1人辞任させたぐらいで、
問題をうやむやにするなんて絶対に許さないと。

アイドルの恋愛禁止にしても、強豪高校の体罰指導にしても、
大企業の当たり前のごとく行われるサービス残業や、
社員を過労死させるまで働かせることも、
トンネル工事を平然と手抜きすることも、
除染作業を平然にいい加減にすることも、
すべては業界では当たり前。
当たり前のことに文句言うほうが頭おかしいとてもいわんばかりの、
腐った意識が根付いている。

日本社会の衰退と閉塞感の原因は、
狭い業界内の悪習を当たり前だとか常識だとか、
過去の前例だとか称して、
おかしなことを改善しようとしないどころか、
おかしいとすら思わせないほど、
完全にそこに従属する人間を洗脳していることだろう。
どこの業界も業界の常識=世間の非常識がまかり通り、
だから社会や客や組織のメンバーに対して悪事を働こうが、
「そんなの業界の常識だろ」の一言で、
問答無用で片づけてしまう。
だから衰退し続けているのだ。
だからおかしな事件や事故、犯罪がなくならないのだ。

毎日会社に行くことが当たり前なのか?
毎日定時に行くことが当たり前なのか?
大事なことは客のためになり、社会の役に立つことで、
会社の利益を増やし、それで社員も幸せになる、
その目的を達成するために何をしたらいいのかを考えることであって、
「昔からそれが当たり前だから」
「みんなそうやっているから」
というのは業界の常識に洗脳された思考停止状態だ。

学問の基本は疑ってかかること。
これは本当なのだろうか?
違うんじゃないか?
もっといい方法があるんじゃないか?
そうやって非効率・非合理的な過去の悪習を改め、
より今まで以上によい方法を模索することで、
社会は成長してきた。

しかしアイドルにしても学校にしてもスポーツ界にしても、
まるで思考停止状態。
考えることをせず、今までが当たり前だから、
そんなことに疑問を持つ方がおかしいという思考回路に留まり、
目的を達成するための最適な手段を考えることなく、
一度決めた手段を必死に守るためにそれにすがりついている。

だから日本はダメ。
だから日本にはアップルのような会社が生まれない。
横並びでアホみたいに春モデルだ夏モデルだって、
何の進歩もなくたいして代わり映えもしない商品を、
量産しては売れ残り、どんどん収益を悪化させ、
世の中を圧倒させるような画期的な商品は出てこない。
アイデアがあっても社内で叩き潰しているのだろう。
「そんな前例のないもの売れない」という、
いつまでも過去のデータが正しいという、
おかしなマーケティング理論にしがみついて。

そんな中、業界の常識はおかしいと声をあげ、
それをもみ消そうとした業界におかしいと声をあげた、
柔道の選手たちは素晴らしいと思う。
そういう声がいろんな業界で沸き起こってくるべきだ。

おかしいことはおかしいといえるまともな人間はいないのか。
おかしいといったら権力をふりかざして叩き潰すのが、
まさにパワハラであり暴力だ。

いつまでもおかしな常識に屈していてはいけない。
みんなおかしいと思いつつ、
批判を恐れて自分から声をあげないから、
よりおかしな業界常識がまかり通ってしまう。

でも勇気をもって告発し声をあげればいい。
きっと同じようにおかしいと思っている人は多いはずだ。

先日、雑誌のインタビューの際に、こんな質問をされた。
「随分、言いにくいことや話題を、
堂々とブログで書いているので、
相当反発があるんじゃないですか?」と。

実はそんなに反発はない。
むしろ「実は私もそう思ってました。
でも言いにくいし、そんなこと言ったら叩かれると思い、
ブログなどに書くことはできなかったのですが、
よくぞ書いてくれました」という、
隠れ共感の方が結構多いのだ。

誰かがおかしいと思った、「当たり前」や「常識」に、
勇気をもって声をあげなければならない。
でも誰かが声をあげれば応援してくれる人もいて、
おかしな常識が変わるきっかけにもなる。

先日AKBの恋愛禁止について、
「誰かがおかしいと言わなければならないだろう」と思い、
「恋愛禁止こそ最低のパワハラ行為」という記事を書いた。
以前にも書こうと思ったことがあったが、反発が多いかもしれないし、
別にAKBのメンバーがどうなろうが、
私には知ったこっちゃないので、書くのはやめた。

でも今回、あまりにもひどいし、あまりにもおかしいので、
反発覚悟であえて書いたが、
むしろ「よくぞ書いてくれました」と、
まったく知らない人からメールが何通かきたりもした。

みんな思っているけど、反発が怖くて言えない。
そこで私が怖いと思って言わなければ、
私こそが「既得権益」であり、
体制を無言で擁護する「老害」になってしまう。
私の意見が正しいかどうかは別にして、
その「当たり前」を考え直す必要があるのでは、
という記事を書くことこそが大事なことであり、
他の人が言いにくいからこそ、
言いやすい私が書くべきことではないかと。

「誰かが言ってくれるだろう」という態度は、
「既得権益はあなたです」ということを意味する。
誰かではなく自分で言う。
ただ自分で言うには自分に力がなければならない。
暴力ふるわれ過労死させられ、
そんなおかしな組織に対して、
きちんとノーを突きつけられるよう、
自分に力をつけること。

自分に力をつけるのが面倒だから、大変だから、
だから多少おかしなことでも我慢してやり過ごせば、
安穏として暮らすことができる。
だから既得権益はあなたなのだ。

業界内からおかしいことにノーといえる人たちが増えないと、
いつまでも日本には悪習がはびこり、
おかしなことがまかり通って、被害者、犠牲者が増えるだけ。

だからかさこマガジン3では、
「100の言い訳より1の行動」と題し、
最後のところでは「他人を変えるより自分を変える」と結んだ。

他人が行動するのを待つのではなく、
自ら勇気を持って行動すること。
そういう人が増えれば社会はよくなると思う。

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by kasakoblog | 2013-02-05 01:16 | 生き方

好きを仕事にするセルフブランディング&ブログ術を教えるかさこ塾主宰。撮影と執筆をこなすカメラマン&ライター。個人活動紹介冊子=セルフマガジン編集者。心に残るメッセージソングライター。


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