2013年 02月 05日
当たり前を見直することが現状打破につながる~ライブイベントの工夫
不景気だから儲からないのは仕方ないとか、
業界の慣例だからしょうがないとか、
社会が衰退している多くの原因は、
過去の前例が通用しなくなっているにもかかわらず、
それを変える努力を怠り、
「当たり前だから仕方がない」とあきらめることだ。

しかしこうした当たり前のことを見直し、
過去にとらわれず、工夫をすることで、
おもしろいものにしようとがんばっている人もいる。
そんな人たちがバンドのWing Swingsだ。
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音楽業界の「衰退」はひどい。
CDが売れなくなり、ライブハウスもあまり盛り上がらず、
音楽ビジネスという意味では、すさまじい斜陽となっている。
でも多くの人が音楽を聴かなくなったのかというとそうではない。
音楽を聴く人もやる人も非常に多いが、
今の時代にあったビジネスモデルに変わることができず、
過去の慣習をそのまま客に押しつけているため、
どんどん客離れが起きてしまっている。

ライブハウスでのライブのあり方も問題点の1つ。
いい音楽や楽しいイベントを行うことで、
お客さんをたくさん集客し、
その収益をライブハウスとバンドが分け合うという形ではなく、
ライブハウスはまるで客入りのスタジオと化し、
バンドをお客さんにすることで、
客が入らなかろうが、バンドから金をもらえれば、
音楽がよくなくても、イベントが楽しくなくても、
それでいいといったような風潮も見られる。
バンド側も客を呼ぶことより、
ライブハウスでできることに喜びを感じ、
それで終わってしまっているから、カラオケのごとく成長がない。

ライブハウスの問題はいろいろあるが、
Wing Swingsは前例にとらわれず、
おもしろい音楽イベントをしようと、
2012年から「ノックアップストリーム」というイベントを行っている。

いろいろ工夫があるのだが、
私が12月のこのライブイベントに参加して驚いたことが2つある。
1つは、メインステージの対面にサブステージを設置し、
メインではバンドスタイルのロックを、
サブではアコースティックを交互に行っていることだ。
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これがものすごいいい感じ。
通常のライブハウスのライブでは、
メインステージで、似たようなバンドがいくつか演奏する。
正直いってお目当てのバンドでないと、
どれも似たような音楽で飽きてくるし、
バンドとバンドの間の転換の時間が長くて、
間延びした感じになってしまうのだ。

ところがこのイベントでは、
メインでバンドスタイルの演奏が終わると、
ほとんど時間のあきなく、
対面にあるサブステージで、
アコースティックのライブが始まる。
それが終わると今度はメインでバンドスタイル、
といった具合になっている。
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バンド/アコースティック/バンド/アコースティックと、
交互にやってくれると、どっちも非常に聴きやすいし、
聴いていてすごく楽しめる。
会場にいて驚いたのは、
アコースティックになると、
観客が自然にみな座り込んでじっくり聴く雰囲気になる。
それが終わると、今度は一斉に立ち上がって、盛り上がる。
このメリハリがものすごく効いているのだ。

しかも同じステージで交互にやっているわけじゃなく、
別ステージでやっているので、転換の時間がほとんどなく、
間があかないので間延びしない。
その間のMCにはお笑い芸人を起用していることも、
転換をさらにスムーズにしている要因だろう。
素人がだらだらしゃべるより効果的だ。
ちなみにアコースティック枠では
お笑い芸人のコントも一度あり、
音楽だけではないフックも用意している。

しかもステージが対岸に位置しているので、
会場の前後が毎回逆転する。
メインステージで最後尾にいた人が、
アコースティックでは最前列になるという、
逆転現象が起きる。

そのせいかライブハウスにありがちな、
前の方だけ異様に空いているとか、
前の1列目だけ熱狂的なファンが陣取り、
会場真ん中ががらんと空いてしまって、
その後にしらけた感じで後ろでみんな聴いている、
みたいなことがなく、
会場全体に人が入っている感じになり、
とてもいい雰囲気なのだ。

もちろんバンドだろうがアコースティックだろうが、
音楽そのものがいいかどうかは重要だけど、
それ以外の場の演出部分がよくないと、
音楽そのものもよく聴こえてこないこともある。
そういう意味でこのイベントの、
対岸にサブステージを設置し、
アコースティックを合間に挟むというのは、
非常に音楽イベントを盛り上げるのに効果的だと実感した。

もう1つはライブが21時で終わり、
ライブ会場で出演者と観客がそろって、
打ち上げができること。

私が継続的に取材しているバンド、
メリディアンローグ(現SONALIO)では、
数年前からワンマンライブでは、
ライブ会場でお客さんとともに、
打ち上げをするという試みをしていて、
それが盛況なのを知っていたので、これは非常にいいと思う。

「ノックアップストリーム」を企画・発案した、
Wing Swingsのボーカル、トムさんは、
21時ライブ終了、その後の打ち上げについて、
こんな風に説明してくれた。

「どのライブイベントも22時とか23時とか、
遅い時間に終わるものが多く、
終電気にしながら音楽聴くとかって楽しくない。
平日はともかく土日祝日なら、
何も22時、23時までライブをやっている必要はない。

むしろ21時にライブを終了し、店の移動の手間もなく、
一部の人たちだけとかでなく、出演者も観客もすべての人が、
ライブ会場で打ち上げできたら楽しいじゃないですか。
そんなこともあって、ノックアップストリームでは、
早めのライブ終了、会場で打ち上げというのも、
1つのウリにしているんです」

他にもいろいろな工夫がある。
出演バンドがお客さんを呼び込む人数に応じて、
主催者から「賞金」がもらえる、
「動員キャッシュバック制度」などもある。
この辺については、
Wing Swingsのメルマガのバックナンバーを見ると、
詳しく解説がのっている。
http://archive.mag2.com/0001565470/index.html

・・・・
ほんのちょっとしたことかもしれない。
聞けば「そんなことか」と思うかもしれない。
でも今までの常識や当たり前を疑わずに、
ただただ今まで通り、言われた通りにやり続け、
それが業界全体としてうまくいっていないとするなら、
そのやり方を少しずつでもいいから見直し、変えていくべきだ。
でも実際に変えられる人は少ない。
自分たちが変わる努力をしないことを棚に上げ、
時代や社会のせいにし、文句や愚痴ばかりいってあきらめてしまう。

うまくいかないならやり方を改めるべきだ。
過去の常識から考えたら、おかしいと思うことでも、
やってみなければわからない。

当たり前のことを当たり前だと思考停止しているから、
業界の常識が次第に世間の非常識になり、
業界全体が衰退していくことになる。

大雪だろうが台風だろうが原発が爆発しようが、
1000年に1度の大地震で余震が頻発していようが、
電車の本数が1/10になっていようが、
いつもと同じ時間に出て、
いつもと同じように会社に行こうとする思考停止。
「当たり前だから」「常識だから」で片づけていいのだろうか?
目的は仕事を円滑に行うことであって、
定時に出社することではないはずだ。
当たり前のことを見直し、
今までとは違うやり方を模索し、
そっちでうまくいくなら、そうする。
そういう考えがもっともっと浸透しないと、
いけないんじゃないかと思う。

・「ライブの組み方を変えれば、バンドはすぐに黒字化する」
新曲音源無料配信サイト「フリクル」を手がける、
株式会社ワールドスケープの社長・海保氏
バンドSONALIO(元メリディアンローグ)のドラマーのブログ
http://frekul.com/blog/kaiho/2012/06/21/kurojik/

・Wing Swingsホームページ
http://wingswings.web.fc2.com/

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by kasakoblog | 2013-02-05 22:50 | 音楽


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