2013年 03月 03日

映画をつくります~きっかけはかさこマガジン

ドキュメンタリー映画「しろうお~原発立地を止めた町はいま」(仮)。
2013年末完成めざし、3/9よりクランクインします。

スタッフ
■監督:かさこ
■製作・脚本:矢間秀次郎
■撮影:中井正義
■録音:田辺信道

報道機関などに配布している映画製作発表での、
私、監督かさこの映画製作に対する思い。

福島原発事故が起きるはるか以前、
原発立地を断念させた町が全国にいくつもあることを、
『奔流』第7号(注1)で知り、衝撃を受けました。
原子力が輝かしい未来のエネルギーとして喧伝されていた時代に、
しかも海外で大事故が起きる前にもかかわらず、
金銭的なインセンティブを断ってまで、
なぜ原発を拒否したのだろうかと。

原発を拒否した町の人たちは、
数十年も前になぜ原発事故を想定内のリスクと考えることができたのか。
賛成派との激しい攻防はどんな風であったのか。
今、原発を断念させた町はどうなっているのか、
取材をしたいと思いました。

原発立地を断念させた場所は全国に34カ所あるといいます(注2)。
2013年1月、『奔流』編集人の矢間秀次郎氏とともに、
原発立地を断念させた三重県紀北町・大紀町の芦浜原発、
和歌山県日高町の日高原発、徳島県阿南市の蒲生田原発の3カ所を訪問。
反対の立役者となった北村博司氏(芦浜)、
濱一己氏(日高)、椋本貞憲氏(蒲生田)らを取材しました。

彼らに共通していたのは、自らの生活を守り、
子孫に土地や海を引き継いでいくため、
自然を守ることの重要性を強く認識していたことです。
原発は他の発電方法とは違う破滅的なリスクを抱えていることを、
学者などから学び、断固として反対運動を行い、原発を阻止したのでした。

私は東日本大震災発生後、福島を中心に何度も被災地に足を運び、
被災地や被災者を取材してきました。
中でも2012年3月に福島原発20キロ圏内に入り、
高放射線量で「死の町」と化した、
無人の町を見た時の恐ろしさは今でも忘れられません。

我が家に帰れなくなった人の話を聞いた時、
これは福島の人だけの問題ではなく、
遠くない未来に誰もが起こりうる、他人事ではない話だとの思いを強くしました。

東日本大震災から2年。
3・11の記憶は急速に風化しています。
今後の日本社会のあり方を考える上で、
過去に原発立地を断念し、
豊かな自然と共生して暮らす人々の姿を映像に残したいと思い、
シナリオのもととなった『奔流』編集人・矢間氏とともに、
本映画の製作を進めていきたいと思います。

注1:『奔流』第7号(千曲川・信濃川復権の会・2012年6月7日発行)
特集「原発立地計画を『断念』させた町はいま
~寄せては返す“開発の波”に引き裂かれた人々を訪ねて~」収録、
矢間秀次郎著「中部電力芦浜原発の巻“生涯一記者”を宣言した北村博司さんの勲章」
「四国電力蒲生田原発・椋本貞憲さんの『夢』に喜ぶ白魚の群れ」

注2:『原発をつくらせない人びと』(岩波新書、山秋真著)

・・・・・

「かさこさん、映画の監督やってくれませんかね??」
今年の正月。
昨年10月に一度だけ会って、といっても、
40名以上の団体ツアーだったので、
ちらっとしか会話もしていない、
72歳の矢間秀次郎氏から電話がかかってきた。

「映画?の監督??」
何かの間違い電話じゃないかと思ったのだが、
矢間氏は本気のようだった。

矢間氏がなぜ電話をしてきたのか。
正月に「かさこマガジン3」を見たからだ。
「私も30年以上、編集の仕事やってますがね、
このかさこマガジンは見事ですよ。
よくここまでのクオリティのものを作れましたね。
しかも広告まで入っている」

ここまでは想定の範囲内だったが、
次に思わぬ発言が飛び出した。

「いろんな活動されているようですがね、
映画っていうのはやったことありませんよね?
挑戦してみませんか?」

挑戦することはやぶさかではないのだが、
いくらなんでも無謀ではないかと思った。
ただテーマが素晴らしかった。
原発を止めた町。

矢間氏はすでに原発を止めた町を取材し、
そのルポを書いた記事を10月に初めて会った時に見せてくれた。
別に私にだけ特別に見せてくれたわけでもなく、
柏崎刈羽原発反対運動の視察ツアーに参加した、
40人ぐらいの方々全員に配っていた。
この切り口は素晴らしい。
私も同じテーマで2013年は取材しようかとも思っていた。

ツアーの参加の際、私は、
ライターともカメラマンともジャーナリストも名乗っていなかった。
ツアーが終わった後、名刺交換を求められて、
「ライター、カメラマンさんなんですね」と矢間氏は知ったが、
それっきり終わった。

ところが正月に送った「かさこマガジン」に感銘を受けたらしい。
矢間氏は会う人会う人に、
かさこマガジン3のP33のレポート、
「死の町と化した福島原発20キロ圏内潜入」を絶賛し、
「最後の部分を読んでみてください」と、
渡したそばから朗読させる。

・・・・・
「原子力 郷土の発展 豊かな未来」
「原子力 豊かな社会とまちづくり」
「原子力 明るい未来のエネルギー」
「原子力 正しい理解で豊かなくらし」

誰もいなくなった死の町に残された大きな看板。
この町に訪れたのは豊かな未来ではなく、永遠の死だった。
・・・・・

「これ、どうです?
ここまではっきり断言している。
普通のメディアじゃ、こんなこと言えないですよ。
『死の町』発言で大臣が一人クビになっているんですから。
でもその通りじゃないですか。現状は。
でも、かさこさんには言う資格があるんです。
被ばくの危険を犯して、現地に入ってきているんですから」

こういうルポを書ける感性を持ち、
若い人にチャンスを与えたいので、
映画の監督になってほしいとのことだった。

私にしてみれば、原発を止めた町取材をしたいと思っていたので、
渡りに船ではあったものの、
それでも「監督」は無謀だと思ったので、
正月明けに会った際、ぜひ協力はしたいが、
監督ではない方がいいんじゃないかと話し、
結果、私は助監督兼広報という立ち位置で、
映画製作にかかわることになった。

ただ監督候補がなかなか決まらない。
決まらないうちに映画のシナリオハンティングのため、
私と矢間氏で1/16~1/20まで4泊5日をともにした。
三重~和歌山~徳島と旅をし、
夜は同じ部屋に泊り、毎日行動をともにする中で、
ここにもう1人、監督を加えるとなると、
また1から現地の説明・下見に来なくてはならなくなってしまう。

そこで2人の中では、
「監督を別に立てる必要はない。
私か矢間氏かのどちらかがやればいい」
という流れになった。

最後までどちらが監督をやるかは難航した。
私は無理ではないかという思いがあり、
矢間氏は若い私にぜひやってほしいという思いがあった。
長い話し合いの結果、私が監督をすることになった。
映画製作経験のある矢間氏が全面バックアップする体制で。

というわけで、映画をつくることになり、
監督という仰々しい肩書きをいただいた。

あと1週間で、東日本大震災から2年を迎える。
はっきりいって風化しきっている。
風化というのは何も被災地に関心が薄れているということだけでなく、
311に起きたことそのものが風化しているということだ。

大地震がいつどこで起きてもおかしくない状況にもかかわらず、
まるで地震などなかったかのように、
原発を再稼働し、企業はBCP(事業継続計画)もろくに立てず、
今までどおりのナンセンスな働き方を強要し、
被災地では何度も津波が来ている場所に、
家が建ち始めているところもある。

311というとてつもない災害を経験したにもかかわず、
我々は何も学ばなかったのだろうか?
過去の過ちから学ばなければ、
そう遠くない未来にまた同じ過ちを繰り返すだろう。

ところがだ。
原発立地を断念させた町は、
福島原発事故が起きる前、チェルノブイリ事故が起きる前から、
原発の胡散臭さ、破滅的リスク、環境への悪影響を察知し、
大金つまれたにもかかわらず、町を守ったのだ。

あれだけひどい原発事故が起きても、
原発を再稼働させる政党を容認してしまう、
圧倒的多数の愚かな国民がいたとしても、
数十年前に、福島の事故のようなことがいつか必ず起こると考え、
断固として反対して原発を阻止した賢人たちがいる。

今ですら原発再稼働に安易に流されてしまう状況にもかかわらず、
今なんかよりももっと安全神話に洗脳されていた時代に、
なぜ原発カルト教団に洗脳されなかったのか。

そんな興味があって、監督をさせてもらうことにした。
2013年1月にロケ地はおおよそ回り、レポートも書いたが、
文章や写真より映画の方が伝わるテーマではないかと思ったので、
映画にかかわることにした。

初挑戦なので何がどうなるかはわからない。
また映画はかかわる人も多く、お金もかかるので、
途中で頓挫してしまう例が多く、
つくりますといったものの、やっぱりできませんでした、
という可能性もあるかもしれない。

でも私は311を同時代に経験したものとして、
ジャーナリストのはしくれとして、
これからまだ何十年も生きる自分の人生のために、
それ以上に生きる子供の人生のためにも、
原発問題をテーマに取り上げ、
国民に問いかける必要があると思う。

その思いは矢間氏もまったく同じ。
真の豊かさとは何か。
未来に残すべきものは何かを問い続け、
様々な活動を行ってきた72歳の知恵を借りながら、
なんとか完成にこぎつけたいと思っています。

・映画製作発表・報道資料
http://www.kasako.com/2013eiga.files/20130304eiganews.pdf

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by kasakoblog | 2013-03-03 23:27 | お知らせ


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