好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

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2013年 03月 29日

働き方を考える良書。日本の労働環境の異常さがわかる「ノマドと社畜」

おすすめの本を1冊。
「ノマドと社畜~ポスト3・11の働き方を真剣に考える」谷本真由美(@May_Roma)著。

正直タイトルだけ見たら買いたくない本だ。
「ノマドと社畜」。いかにも軽薄な内容そうじゃないか。
だからスルーしていたのだが、
書店に行ってたまたま中身を見てみたら、
こんな軽薄なタイトルとは違い、
きちんとした内容のある本だったので買ったが、
非常に興味深く読み進め、働き方を考える上での良書だと思うので、
おすすめしたい。

本書の要点は3つ。

1:ノマドブームにあやかり、
高額なセミナーや情報商材を売るのは、
ネズミ講やキャッチセールスと変わらない、
いかがわしいノマド商法だ。
ノマド=脱サラ=フリーランスはバラ色なんかではなく、
きちんとした専門知識のあるプロフェッショナルしか稼げない。
ならば社畜の方がはるかにマシ。

2:日本でフリーランス社会が発展しないのは、
日本が契約社会でなく、仕事の発注の仕方があいまいだから。
日本の仕事の頼み方や労使関係は、
海外では裁判沙汰になりかねない「違法」ともいえる、
信じられない行為。

3:これからの社会を生き抜くには、
会社員として働きながら、
プロフェッショナルな知識や技能を身につけ、
場合によってはダブルワークをし、
個人商店たる意識を持って働くべき。

私はブログでも講演でもノマド的働き方を礼賛している。
私が言うノマドとは場所にとらわれない働き方であって、
フリーランスになることではない。
先日のセルフブランディング術でも話したが、
会社が頼りないからといって会社をすぐ辞めてはならない。
フリーは想像以上に大変だからだ。
ただ会社が頼りないことは間違いないから、
ライフワークを充実させて複業化することを勧めている。
本書でいうところの「3」と合致する。
今の時代を考えれば、現時点での最大の防衛策は、
正社員として働きながら、
リスクヘッジとして自分の仕事を持つことだ。

また本書の要点の「1」もものすごく同感。
会社不安を煽って、やたら脱サラ勧めて大儲けしようみたいな、
いかがわしいセミナーや情報商材が多い。
私もブログや講演でも、
金儲け第一でビジネスを考えるとまず失敗することや、
ネットワークビジネス的なものには手を出さない方がいいと、
度々指摘している。

私の講演に参加した方が、
「この手のジャンルのセミナーなのに、
ガツガツ金儲けようみたいないかがわしさがなく新鮮だった」
といった感想を述べてくれた方がいたが、
本書の筆者と同感で、ノマドブームにあやかり、
いかがわしいセミナーには引っかかってほしくないのだが、
でも今のまま、単なる社畜でいることに未来はない。

だからこそ個人商店的な意識、
すなわちセルフブランディングを行い、
またライフワークバランスの観点からも、
ノマド的な働き方は人の幸せにとっては重要なものであり、
自分でコツコツ努力して技能を磨き、
場所や時間にとらわれず、会社に縛られない、
ノマド的なフリーランスになれるのなら、
それは理想的なことだと思う。

ただ本書で非常に重要な指摘をしているのが、
要点の「2」の部分。
筆者は海外での豊富な労働環境の実例をもとに、
日本のあり得ない、いい加減な労使関係が、
ノマドやフリーランスを阻み、
国民を社畜化させている原因だというのは同感だ。

ブログ記事「サラリーマンは自営の気持ちがわからない」でも書いたが、
日本はフリーランスに対する仕事の発注が実にあいまい。
ギャラも事前に提示されない。
どこからどこまでが仕事の範囲なのかもよくわからない。
本来、発注されたうちの中の仕事じゃないよね、
っていう部分も、おまけ、サービスとして、
やらなければならないみたいなことが多すぎる。

欧米みたいに事前に何でも契約でがちがち決めるのが、
素晴らしいとは思わないし、
日本のあいまいさの良さみたいなものもあるし、
私も日本で長らくサラリーマンとして勤めた後、
フリーになっているから、
よくいる海外在住の長い日本人のように、
すべて事前に言わないとシャットアウトしてしまうような、
そういうやり方はいいとは思わない。
実務上はかなりあいまいな仕事内容で引き受けているし、
流動的に仕事内容が増えていくことにもむしろかなり対応しているが、
あまりにひどい取引先は1年に1~2回ぐらい遭遇する。

そういう取引先とは早々に縁を切ることにしているが、
フリーになってからなら自分の一存で切れるからいいけど、
会社員時代はそうはいかない。
おかしなクライアントが明らかに依頼範囲を超えた要望を、
追加のギャラを払わず、
まるで自分の部下と勘違いしているかのように無理を言ってくることもあるが、
自分がイヤでも会社や上司が、
「いいから我慢してやれ」と言われたらそれまでだ。

まさにこの本書で指摘しているように、
海外で言ったら日本のいい加減な仕事の発注の仕方などあり得ない。
それは外注に限った話ではなく、社内でも同じこと。
当初決めた仕事の範囲を超えて、
上司が部下に業務を強要した場合には、裁判沙汰になるという。

今後の働き方を考える上でも、
日本の労働環境の特殊性を知る上でも、
非常に参考になる本なので、
ぜひ読んでみるといいと思います。

・「ノマドと社畜~ポスト3・11の働き方を真剣に考える」谷本真由美(@May_Roma)著

・セルフブランディング術講演再録
http://kasakoblog.exblog.jp/19987729/

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by kasakoblog | 2013-03-29 23:43 | 書評・映画評


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