2013年 03月 30日
人間であることを忘れたサラリーマンはつまらない部品
ものすごいおもしろい本を1冊。
「鉄の骨」池井戸潤著。
建設業界の談合がテーマになっている小説で、
談合が悪いとかいう以前に、
それぞれの立場で織り成す人間模様とドラマが非常におもしろい。

しかも単に建設業界の談合という話のみならず、
社畜として平然と社会に反する行為を受け入れる、
サラリーマン全員に向けられた警句の書と捉えると、
ひと味もふた味も違っておもしろさが倍加する。

談合を取り仕切るフィクサー三橋が、
本書でこんなセリフを言う。

「人間であることを忘れたサラリーマンはつまらない部品になってしまう。
部品から人間に戻れなくなった者にとって、人生はただ不毛な瓦礫だ。
そしてそういう部品は往々にして腐る。」

さて今の日本のサラリーマンに、
人間であることを覚えている人がどれだけいるか。
業界の慣習だから仕方がない。
上司の命令だから従うしかない。
世間の非常識であっても会社の常識には、
従順と従うサラリーマン。
それは給料をもらっているのだから義務だと「言い訳」し、
時に反社会的な行為すれすれのことにも手を出してしまう。

えっ、今はそんなことしてない?
本当だろうか?
認められた有給休暇を社内の「空気」のせいで、
まもとに取れない会社がどれだけあるか。
サービス残業が当たり前の会社がどれだけあるか。
明らかにおかしいことでも、上司や会社の命令だと何でも従うのなら、
どんな犯罪行為であっても、教祖様が言うことを何でも聞く、
カルト教団と何らかわりはない。

まあそんな深いテーマを考えなくても、
純粋に企業小説として非常に楽しく読めます。

ただはじめの50~60ページはやや退屈なので、
その後、間違いなくおもしろくなってくるので、
はじめの方で「えっ、おもしろいって言ってたのに、
つまらないじゃないか」と投げ出さないように。
前半はさらっと読み飛ばしてもいいと思います。
後から必ずおもしろくなるので。

生き方・働き方を考える良書です。

「鉄の骨」池井戸潤著

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by kasakoblog | 2013-03-30 23:49 | 書評・映画評


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