2013年 04月 16日
読者はこう思っているはずだ!という机上の空論論争
読者はこんな記事を読みたいとは思っていない。
むしろもっとより実践的な内容の方がいいはずだ!

いやそんなことはない。
むしろ読者は文章なんかあまり読んでいないんだから、
もっとビジュアルでわかるものを示すべきだ!

ライターとして仕事をしていると、
編集とぶつかることがある。
なぜぶつかるかというと、
「読者はこういう記事を読みたいはずだ」
という考えがお互いにズレるからだ。

「うちの読者は20代の男性が中心で、
こんな志向を持つ人が多いから、
この部分をもっと強調して、
あっちの部分は削除しても構わない」
「いやそんなことはない。
むしろこっちの部分は削除してもいいから、
もっとあっちの部分を強調すべき」
みたいなことで文章の中身でもめることもある。

ただあくまで日頃読者に接し、
読者をわかっているのは編集者のはずなので、
私がライターとして仕事を受けている場合には、
おかしいと思ったら異議申し立てをするが、
最終的には編集者の要望を優先するようにしている。
だって船頭が多いと何も決まらないから。

船頭は一人でいい。
誰かが責任を持って決める。
組織はフラットがいいなんて議論もあるけど、
そんなもんは何も決められない、
何の特色もない合同合議制による玉虫色の、
毒にも薬にもならない物を作ってしまいがちだ。
誰かが最終的には決断しなくてはならないと思う。

とはいえそれはどうしてもおかしいんじゃない?
と思う場合には、兵隊であるライターの立場でも、
一応、自分の意見はいう。
お互いの目的はその本なり雑誌が売れて、
多くの人に読んでもらえること。
そこは同じ。
だから「こんな内容じゃ読まれないよ!」ということが、
わかっているのに黙っているのは、
編集者からすると、下請けイエスマンでラクかもしれないが、
長期的、最終的に見たらそれはお互いにとってマイナスになってしまう。
イエスマンじゃないと嫌がる人もいるかもしれないが、
それで仕事を切られたらその程度の編集者だったということだ。

ただこの論争をしていて時々空しいと思うのは、
本当に読者のことをわかっているのか?という点。
お互い机上の空論や机上のリサーチで、
「読者はこんな人だからこんな記事が読みたいはず」
と読者に聞いてみたわけでもないのに、
お互い言い争っていても正解ができるわけがない。

編集側でありがちなのは、
たった1通のアンケートはがきとかで、
「こう書いてあったから読者の多くはこう思っているはず!」
と拡大解釈することだが、
アンケートをわざわざ書いてくる人は珍しいわけで、
アンケートだけをみて読者全体の意見だと考えるのは、
非常に軽率なわけです。

ただ最近、非常に素晴らしいなと思ったところがあった。
机上の空論でみんなが記事内容について話をしている時、
「じゃあ読者ターゲットとなる職業だった人、
今、連れてきますから、その人に聞いてみましょう!」
といって実際に話を聞いてみたことだ。

これは説得力がある。
編集者もライターも「読者はこう思うはず」と、
勝手な解釈をしているが、
実際の読者属性に近い人が出てきて、
「ああ、こういうのは読まないです」
「むしろこういう情報があったら読みたいです」
という方がはるかに説得力を持つ。

もちろん読者サンプルが1人だと、
アンケートと同様、偏る危険はあれど、
生の声は机上の空論論争に終止符を打つ、
決定的な力を持っている。

読者がどう思っているか。
本当はどんな記事を読みたいと思っているのか。
そもそも読者とはどんな属性なのか。
それはリアルに会って聞いてみないとわからない。
そういう手間を編集者がおしんで、
「いや読者はこうなはずだから、
この企画でこのトーンで文章を書いてくれ」
といわれても、ズレていってしまい、
結果的には読まれない、売れない記事になってしまうと思う。

その辺はいかに普段からアンテナはって、
読者に限らず世間の空気感が読めるかにもかかっているわけだけど。

机上の空論で読者像を語っていてもダメ。
それは本や雑誌に限らず、
一般企業のお客様像、利用者像でも同じことだと思うけど。

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by kasakoblog | 2013-04-16 00:31 | 働き方


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