好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

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2013年 05月 08日

ローカライズなき海外直輸入は失敗する~ハフィントンとマクドナルド

「海外で成功しているものをそのまま日本に持ってくれば成功する」
という幻想が昨今のグローバル化で肥大化している。
また「これがグローバルスタンダードだから日本もそれに従うべきだ」
という押しつけもまた最近ひどくなっている。
でもはっきりいって、そういうのってたいがい失敗する。

例えば、最近不振のマクドナルドだが、
不振の理由を原田社長は本国のせいだと吐露してしまっている。

「日本のマクドナルドは世界の中で利益率が低く、
米国本社から利益を底上げするようプレッシャーをかけられていた。
このためリピーターを増やせるビッグマックの販売を強化して、
運営コストのかかる季節限定商品をやめた」
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130330-00010001-biz_bj-nb

日本とアメリカとでは外食産業の事情は違うのに、
アメリカ基準を押しつけてしまう。
マクドナルドに限らず、この手の話はよくある。
外資系企業に非常に多い。
本国に逆らえない日本支社が、
「これは日本でやっても成功しないだろうけど、
本国から言われているのでは仕方がない」
と取り組んだところで成功するわけがないのだ。

5/7に日本に“上陸”して話題になっているのが、
アメリカのニュースサイト「ハフィントン・ポスト」の日本版だ。
アメリカでは月間訪問者数が4600万人だという。

これについて非常におもしろい批評をしていたのが、
ジャーナリストの藤代裕之氏の記事。

「さっそく見に行ったら写真のように本家アメリカのスタッフが
「HELLO,NIPPON!」とドヤ顔で並んでいた。
いったいこれは、誰に向けたメッセージなのだろうか」
http://bylines.news.yahoo.co.jp/fujisiro/20130507-00024775/
e0171573_2285196.jpg
冒頭のこの文言にハフィントン・ポストの批評が凝縮している。
こんな写真を平気で載せてしまうようでは前途は暗い。
だって創設者とスタッフの写真をでかでかと載せられても、
別に日本人の多くは知らないでしょ?
知らない人の顔写真を並べられても意味がない。

例えばイギリスのサッカーチーム、
マンチェスター・ユナイテッドの集合写真なら意味がある。
「すげえ!ルーニーもいる!香川もいる!
すごいメンバーが勢ぞろいだ!」
と多くの人の顔と名前がわかり、そのすごさがわかるからだ。
しかし「ハフィントン」なるものも知らないし、
創設者の名前も顔もほとんどの人が知らない。
そこに無名のスタッフの集合写真載せられたところで、
読者にとってその写真はまったく意味のない情報だ。

それならむしろこのサイトに投稿している、
ホリエモン、津田大介、佐々木俊尚、堀潤など、
日本でよく知られた人の写真をずらりと並べた方が、
日本の読者にとっては意味があるし、
日本版の魅力が何なのかを端的に示すアイコンになる。

ローカライズ(地域化)とはそういうことだ。
そのままグローバル基準や本国基準を押しつけても、
地域によって受け止め方はまったく違う。

以前、ラスベガスのガイドブックの編集をしていた時のこと。
予算が少ないので、ホテルやレストラン写真は極力撮りおろしせず、
ホテルや店から写真を借りようと思った。
ところがいい写真がない。
やたら気取った外国人モデルが一緒に写りこんで、
いちいちわざとらしく感じてしまうのだ。
e0171573_2295631.jpg

(海外のレストランの紹介ページでよくある写真の一例。この写真は日本じゃ使えない・・・)

外国人にはこのような写真の方が受けるのかもしれないが、
日本人に紹介するのにこの手の写真を載せたら、
むしろひいてしまうだろう。
というかモデルいらないから、
店の雰囲気がわかる自然な写真を見たいと思うだろう。

外資系企業の広告なんかもよくこの手のことがある。
欧米で受ける広告写真やデザインのテイストと日本とでは違うのに、
「グローバルでこの広告イメージですべて統一するから、
日本でもこれを使うように」と強制されたりするが、
明らかに日本人好みではなく広告効果は低い。

そうなるとどうなるか。
日本にろくに来たこともないのに、
アジア拠点のシンガポール支社なり香港支社の欧米人のお偉いさんが、
「なぜ日本だけ広告効果が悪いんだ!」と怒鳴り散らす。
マクドナルドの失敗と同じだ。
地域事情を無視してグローバル基準を押しつけても、
失敗するのは目に見えている。

私は海外で発行されている雑誌の、
日本語版の副編集長を長らくやっていたのだが、
いつも困るのが翻訳記事。
記事の前置きに数十行にも及んで、
記者の私生活ネタみたいなことが書かれていて、
いつもばっさり削除していた。

本国では記者の知名度もあり、
また私生活ネタで出てくるレストラン名などの固有名詞が、
読者にはピンとくるから意味があるのかもしれないが、
日本人が読むと正直、
「そんな壮大な前ふりはいいから早く本題いけよ!」
と思ってしまう。

日本語版に翻訳記事の編集権があったからいいものの、
オリジナル記事に手を加えてはいけないとかだったら、
日本の読者からはそっぽを向かれてしまっていただろう。

最近は日本の企業経営者の中にも、
なんでもかんでもグローバル基準にすればいいとか、
統一すればいいとか勘違いしている人も増えてきた。
日本語でサービス提供しているのに、
なんで社内で英語強制されなきゃいけないのかみたいなことも、
その一例だろう。

グローバル化すればするほど、
その地域地域に密着したローカライズがより重要になる。
デジカメとかスマホとかパソコンとか、
ハードの物ならローカライズなく世界均一に広まる可能性はあるが、
ソフトなサービスならローカライズしないと、
いくら本国で流行っていても、
日本に持ってきた時に日本人気質に合わない、
ピントがずれたものになりかねない。

そこを無視してグローバル展開しても、
うまくはいかないだろうなと思う。

e0171573_23262217.jpg

そうそうハフィントンについては、
毎日号外みたいなみっともないデザインのトップページは、
今すぐやめるべきだと思う。
この記事タイトルにしても写真にしても、
ここまででかくする意味ないだろうに・・・。
本国版のデザインと合わせているのかもしれないが、
多分これはローカライズ以前の問題。

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by kasakoblog | 2013-05-08 22:11 | ネット


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