2013年 05月 23日
「声の大きい客」を優先し「声の小さい客」を犠牲にしていないか
記事広告制作の仕事をしている際、
ふと疑問に思うことがある。

口うるさい客に自分の労力が7~8割使われていて、
礼儀正しい客に自分の労力が2~3割しか使われていない。
これってほんとは間違ったことなんじゃないかと。

口うるさい客が礼儀正しい客の3倍も4倍も金を払っているなら、
それはある意味フェアだといえる。
でもそうじゃない。
どちらの客もまったく同じスキームの仕事で、
デザインフォーマットも決まっており、ギャラも同じだ。

どちらの客にもはじめのオリエンで、
ゲラの確認は3度までとしている。
礼儀正しい客は、3度で確認が終わるよう、
きちんと社内調整をして修正をとりまとめてくれる。
だからスムーズに仕事が終わる。

ところがうるさい客は当初の打ち合わせと異なり、
10回以上もゲラを提出させられるハメになった。
「今回だけ特別にもう1回余計に確認したい」というので、
1回だけならいいかと、
うっかりイレギュラーな対応を丁寧にしてしまうと、
「いやあともう1回」というのが延々繰り返されることになる。

こちらの善意による「サービス」でやっている対応が、
いつしかやって当たり前と当然視され、
しまいには要求がエスカレートしてきて、
23時ぐらいにメールが入って、明日の7時までに直せとか、
そういうのを3日続けて要求されるとか、あり得ない話になっていく。

この無礼な客のために自分が振り回されれば、
きちんと礼儀正しく対応している客の方に、
どんどん時間が割けなくなってくる。
でも礼儀正しい客は内心どう思っているかはわからないが、
文句は言わないので、文句を言う客を優先してしまう。

しかもうるさい客が有名な会社だったりすると、なおやっかいだ。
「こんなイレギュラーな対応、断りましょう。
ミスのもとですし、他のお客さんに迷惑が及んでいます」
と会社に言ったところで、
「あそこは大企業だから文句言わず対応しろ。
あの会社から『うちは対応が悪い』とか騒がれると、
他の仕事にも影響がでかねないから」と言われ、
しぶしぶ対応したことも過去にはある。

こうしてギャラは同じなのに、礼儀正しい客を後回しにして、
クレームになるとやっかいな口うるさい大企業客に何倍もの労力をかけることになる。

うるさい客が文句を言っている理由が、
こちら側に非があるなら、それは仕方がない。
でもまったくそんなんじゃない。

単に客の側で社内調整ができておらず、
はじめはAの図表を入れたいといっていたのに、
やっぱりBを入れてくれといい、
いやでもやっぱりCにしてくれ、
いやAに戻してくれみたいなことを延々繰り返す。

「社内できちんと決めてからにしてください」といっても、
「いいからとにかくゲラを出せ」と言われてしまう。

こういう客の意識の根底には、
「うちは大企業。みんな、わがまま聞いてくれる。
下請けなんてはいて捨てるほどある。
金払ってやってるんだから下請け会社が、
なんでも言うこと聞くのは当たり前。
文句言うなら騒いで悪い評判たててやる」
みたいな意識があるからではないか。

大企業とか有名人とか政治家とか、
地元の有力者とかメディア関係者とか、
「声の大きい客」に騒がれて、
クレームになると困るから、
他のクレームなど言わぬ「声の小さな客」を無視して、
「声の大きい客」のわがままな対応をすることに、
現場が疑問を持ったとしても、
上から「いいからやれ!」と言われ、
疲弊し、不満を持ち、会社の方針に疑問を感じている人も多いのではないか。

ただ声の大きい客はやっかいだ。
発言力があるから、たとえこちら側に落ち度がなかったとしても、
報道されたが最後。
ろくに詳細な事実確認などしない視聴者や読者は、
報道のイメージだけ刷り込まれて、
「あそこの会社ひどい対応だな」と悪印象を与えられてしまう。
こうなったら下手すると倒産リスクさえ出てくる。
たとえこちら側にまったく非がなかったとしてもだ。

わざと悪い評判を立てるために狂言をする人もいる。
以前、ファーストフード店で働いていた時のこと。
「ハンバーガーに髪の毛が入っている!最悪!」
と店内で騒ぐ客がいたのだが、
この客が「髪の毛が入っている」と騒ぐのは一度や二度ではなく、
何度となくクレームをつけるので、
明らかにおかしいと、社員が調査に乗り出し、
自作自演をしていたようで出入り禁止を言い渡した。
事実が明らかになればいいが、
狂言であっても大きな声で騒がれて、
ろくに事実確認もしないでメディアが取り上げたりなんかして、
他の客が不快に思ったら、イメージの挽回は相当厳しい。

狂言までいくと極端な例かもしれないが、
客は王様だと勘違いして、
明らかに誇大な要求をしてくる客も中にはいる。
声の大きい客に媚びへつらい、その客に対応しがたがめに、
声の小さいおとなしい客をないがしろにしてもいいのだろうか?

私の仕事でもそんな疑問を感じる時がある。
きっとどんな仕事でも似たような葛藤を、
抱えている人が多いんじゃないか。

ただ会社の時は会社の方針に従わざるを得ないケースが多かった。
私は何度かあまりにも横柄な客に、
「それは違うんじゃないですか」と怒ったために、
会社の上司とケンカしたことは何度かあるが、
フリーランスになってからは、
こういう変な客はできるだけ断るようにしている。
なぜなら他のお客様に迷惑がかかるからだ。

ぜひみなさんの職場でも、
過大な要求をする客のために、
他の客がないがしろなっている状況があるのなら、
勇気を持って改善する努力をした方がいい。

でないと声の小さい良客が、
どんどん逃げてしまうだろう。

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by kasakoblog | 2013-05-23 00:02 | 働き方


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