2013年 06月 28日
「ブラック企業イヤなら辞めれば」をさせない日本の洗脳教育
ブラック企業に限った話ではなく、仕事や会社がイヤならさっさと辞めるべきだ。
イヤなのに働いているって自分の問題だけでなく、
はっきりいって会社や客にとっても迷惑な話。
イヤイヤ働いている人からサービスなんかされたくないし。

辞めたいと年がら年中、愚痴をこぼしながら一向に辞める気配がない人を、
これまで結構、見てきたが、正直イラっとする。
辞めたいなら辞めろ!辞めないならがんばれ!

そして会社を辞めると言いながら、いつまでたっても会社を辞めない人たちより、
たいがい私の方が先に会社を辞めていく。
今まで4社に勤めて辞めたわけだけど、
「えっ、なぜそんなに突然!本当に辞めるんですか!」って驚かれる。
でも人に「辞める」って口に出したら辞めるべきでしょう。
辞める気がないなら、不用意に辞めるとか言うな。
周囲のモチベーションが下がるし、
その人にどこまで仕事を任せていいのか、不安になる。

ただ「ブラック企業イヤなら辞めればいいじゃん」って言っても、
残念ながら辞めれない人たちもいる。
そんなアドバイスで辞めている人はとっくに辞めているだろうし、
みんなイヤなら辞めるという決断ができれば、
ブラック企業なんか消滅してなくなっているはずだ。
つまり問題なのはイヤなのに辞めれないで、
ブラック企業にしがみついてしまっている人たちなのだ。

ではなぜその人たちが辞めれないのか。
大きな原因は子供の頃からの「洗脳教育」が原因ではないか。

1:我慢や忍耐が美徳という教育
日本社会に充満している我慢や忍耐が素晴らしいという価値観は、
ありとあらゆる場面で、これまで生きてきた中で刷り込まれている。

逃げるのは悪。
途中で辞めるのは悪。

我慢することが偉い。
我慢できないのはバカだ。

耐えろ。わがまま言うな。
みんな我慢している。
そんなに社会は甘くない。
おまえだけ好きなようにやるなんて許さない。

などなど、どんなにおかしなことであっても、
自分は方向を見誤ったなと思ったとしても、
これは自分に向いていないと気づいたとしても、
途中で辞めてしまうことなど、能無しの問題児扱いされてしまいかねない。
しかも一度レールから外れた人間に世間は冷たい。

ブラック企業を辞めたい思ったとしても、
我慢できない奴はバカだという日本社会全体に充満する
「空気」や「価値観」があまりにも強烈なために、
会社を辞める際にブレーキがかかってしまう。

「おまえは我慢が足りない!」「すぐに会社を辞めるなんて社会人失格だ!」
なんて周囲の声を気にするあまり辞めれない。
辞めれないどころか、困ったことに、
「我慢が足りない自分が悪い」と本気で思い込んでしまっている。
カルト教団の教祖に洗脳されて、
「おまえの修業はまだ足りない。飲まず食わずで修行しろ!もっと寄付をよこせ!」
という言葉をまともに信じてしまっている状態と何ら変わりない。

2:自信を持たせない教育~ほめないで欠点ばかりを叩く
日本社会って誉めて育てることが少ない気がする。
子供を誉めると調子に乗って努力しなくなるから、
どんなに素晴らしい成績をあげたとしても、
ささいな欠点見つけて、そこを徹底的に叱るとか、
「おまえはまだまだだ!」といって限りなく上を目指させるとか、
そういう教育傾向が強いように思う。

スポーツや部活なんかがその典型ではないか。
地区大会で優勝しても誉めることより「まだまだ努力が足りない!」と叱り飛ばし、
県大会で優勝してもぜんぜんダメダメ扱いされ、
全国大会でそれなりの成績を残したとしても、誉めずに叱り飛ばすみたいな。

するとどうなるか。
自分に自信が持てないわけです。
結構、周りにいるんじゃないですか?
素晴らしい実力があるのに、謙遜ではなくほんとに自信が持てない人って。
すごい優秀な大学出ているのに、本気で「私はぜんぜん頭よくない」とか、
すごい優秀なスポーツ実績を持っているのに、
「私なんかぜんぜんたいしたことない。まだまだすごい人はいっぱいいる」とか、
ものすごい美人なのに「私なんてぜんぜんきれいじゃない」とか。

正直、そういわれた方からすると「嫌味かよ」と思ったりするけど、
謙遜でもなく嫌味でもなく、本気で自分に自信が持てない人って意外といる。
多分、家庭でも学校でも世間からも誉めてもらえず、
「まだまだ努力が足りない!」としきりに怒られたからではないか。

自分に自信が持てない。
自信が持てないから実力が出せない。実力がつかない。
こんな情けない自分を雇ってくれるところはこのブラック企業しかない。
辞めたら、何の取り柄もない私を雇ってくれるところなんかない。
だからイヤだろうが死にそうだろうが、
私にはブラック企業で働くしかないと思い込んでいる。

書籍「スイッチ」にこんな話が載っている。

子供が成績表を持ってきて帰ってきた。
5段階評価の成績表には5が1つ、4が4つ、1が1つ。
親としてどこに時間をかけるか?

どうだろうか?
5や4の多さを誉めるより「なんで1なんてひどい成績の教科があるの!」と、
まず一番ダメな部分を詰問する人が多いのではないか。

ようはそういうことだ。
いくら素晴らしい成績をあげても、誉められない。
欠点ばかりを過大に取り上げられ、
「努力が足りない」「忍耐が足りない」「我慢が足りない」と責め立てれば、
1がたった1つしかないのに自信が持てなくなるのは当然だ。
自信が持てないから会社に依存する。辞められない。

ブラック企業の場合、はじめの新人教育などで徹底的に全人格を否定し、
一度、完全に自信を失わせてから、企業の従順な犬になるようしつけるところもある。
するとろくに給料も上がらないのに、責任ばかり押しつける、
名ばかり店長に「昇格」させてもらっただけで、社員は大喜びするのだ。
「こんな何の役にも立たない私を評価してくれた。だからこの企業に尽くさなければ」と。

このため企業によっては新卒社員を好み、中途を嫌がるところもある。
新卒は社会経験が少ないから洗脳しやすいが、
中途は社会経験があり、ある程度の「善悪」を判断できてしまうから、
完全に洗脳させることは難しいからだ。

社会全体で子供の頃から自信を持たせない人間に育てれば、
転職する勇気も覚悟もなく、過労死するまでブラック企業に居続けることになる。

イヤなら辞めればといってしまえば、
すべては辞めない人間の「自己責任」になる。
でもそういう行動をしてしまう背景には、
日本社会全体の風潮としてかなり根深い問題があるのではないか。

どれほど脂ぎった小太りしたみっともない姿であったとしても、
環境が変われば、精悍な顔つきになり激やせして変身できるのは環境のおかげでしょう。
意志なんかより環境は偉大なんです。
人のアウトプットなんて環境に大きく左右されるわけで、
子供の頃から我慢と忍耐が美徳だと洗脳され、
少しも誉められずにダメだダメだと言われてきた環境で育った自信のない人間が、
ブラック企業という名のカルト教団に入ってしまったら、
自分の意志なんかで抜け出すことは容易ではない。
それほど取り巻く環境の力って大きい。

もちろんすべて環境のせいにするのはどうかと思うし、
最終的にはその人の意志力の問題だとは思うけど、
ブラック企業を辞められないって、
自分の意志力だけではどうにもならないほど、
強固な呪縛が社会全体に巣食っていることが大きい。

どんなにおかしな環境でも鋼鉄の意志を持ち、
まともな善悪判断や合理的判断が下せる人ばかりならいいが、
残念ながら子供の頃の体験だとか、会社に入ってからの洗脳教育によって、
まともな判断ができなくなってしまう人たちがいる。

考え方によってはそういう人たちを、
「イヤなのに辞めないんだから過労死しても仕方がない」
と切り捨てる方法もあるとは思うし、私も時々そんな風に思ったりもする。
「なんで辞めないの、バカじゃないの。死ぬぐらいだったら辞めろよ」
というのはすごく真っ当な意見だと思うけど、
でもこういう人たちの“洗脳”を解きほぐし、
おかしな働き方に自らノーと言えるような方法はないのだろうかとか、
こういう人たちが自分に自信を持てるようになり、
いい方向に人生を転換させない限り、
社会全体として良くならないんじゃないかとか、最近思い始めている。

ではどうしたらいいか。
それがほんと難しい。
かなりブラックな企業に勤めていて、強固に自己否定する人を知っているのだが、
「自分はダメな人間。このブラック企業に雇ってもらうしかない」と本気で思っていて、
どんなアドバイスも受け付けない。
自分に自信がない人間に他人が何を言っても、行動を変えるのは容易ではない。

ただ私自身の現時点での答えとしては、
「好きなことをネットで発信し、ささやかな楽しみや、
小さな成功体験を積み上げていくことで、人生を変えていく」
ことが一番いいのではないかと思っているが、
そこそこのブラックだとブログなんか書いている時間はないから、
解決策にはならないのかもしれないけど。

我慢や忍耐が美徳というあまりにもアホらしい価値観や、
ほめることよりけなすばかりで、自信を持たせない空気とか、
そういうバカらしいことに日々、疑問を投げかけながら、
ブラック企業の「信者」になってしまう、
「ブラック労働者」を少しでも減らせないかなと思っている。

まあそんな根深い問題はそうそう変わらないのだろうから、
手っ取り早いのは労働時間の上限を見直し、ズルさせないようちゃんと守らせ、
サービス残業させた企業とか、従業員の中で過労死した社員が出た企業の幹部は死刑にするとか、
企業自体がブラックにならない環境=法律を作ってしまうのがいいんだろうけど。

・体罰横行の体育会系部活とブラック企業の類似性~未だに気合いと根性と忍耐の日本社会
http://kasakoblog.exblog.jp/19509280/

・ブラック企業とカルト教団の7つの共通項
http://kasakoblog.exblog.jp/20620411/

・ブラック企業でもこれならまだ「許せる」2つの条件
http://kasakoblog.exblog.jp/20606407/

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by kasakoblog | 2013-06-28 02:53 | 働き方


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