2013年 09月 07日
初期の作品がすごすぎると、後の作品が厳しくなる~宮崎駿監督引退に思う
宮崎駿監督が今回は本気で引退するようだが、
よくここまで長く、第一線で続けられたと思う。
だって「風の谷のナウシカ」は今から29年前の作品で、
「天空の城ラピュタ」も今から27年前の作品ですよ。
30年以上もアニメ映画界を引っ張ってきたなんてすごい。
最新作「風立ちぬ」が駄作であったとしても何の驚きもない。
よくここまでやってきたと思う。

「風立ちぬ」を酷評したが、宮崎駿作品は素晴らしいと思う。
「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「魔女の宅急便」
「紅の豚」「千と千尋の神隠し」など何度見返したことか。
ナウシカやラピュタにいたっては30年ぐらい前の作品なのに、今見てもおもしろい。
特に原発事故が起きた後に「風の谷のナウシカ」を見返したらいい。
今までとはぜんぜん違った見方ができるはず。

映画監督に限らず、ミュージシャンや小説家なんかでもそうだけど、
初期の作品がすごければすごいほど、
次回作へのハードルはものすごく高くなる。
完成度の高い初期作品と同等ないしそれ以上の「おもしろさ」がなければならない。
鮮烈な初期作品のイメージとかけ離れたことをするのもまた難しい。
そして周囲の圧倒的な過剰な期待。
はじめにすごい作品を作ってしまうと後がつらくなる。

そういうプレッシャーに負け、潰れてしまうクリエイターもいるのではないか。
周囲の期待や雑音を気にしすぎてしまい、
自分が伝えたいこと、表現したいことがわからなくなってしまい、
周囲に迎合したような第2作でずっこけ消えていく一発屋たち。
もしくは路線変更しすぎて、奇をてらいすぎて失敗してしまう人たち。
そうした意味で考えると、宮崎駿氏の監督としての寿命の長さはすさましい。

村上春樹の新作だってそうじゃないですか。
これまでの過去の名作が素晴らしすぎる。
その素晴らしすぎる期待を背負わされて新作を読むから、
どうしたって「ああ、なんか村上春樹は終わったな」とか、
「過去の作品の方がよかったな」という感想を抱きやすくなってしまう。

若い人と話すと、すぐに成功したがる。すぐに結果を出したがる。
でもこれまでの蓄積や実力がなく、たまたま時流に乗って、
若くして一発目が売れてしまうと、その後、悲惨な目にあう。
期待に応えられるだけの経験や実力がないから、
過剰な期待が大きな失望へと変わり、二度と目を向けられなくなる。

初期の作品が売れても、次はこれ、その次はこれみたいに、
次回作、次々回作ぐらいまで自信を持って届けられる作品がないと厳しい。
その意味でいきなり売れるのが成功なんて勘違いするより、
きちんと下積みがあって、徐々に認められていく方が、
こうした変なプレッシャーを背負わず、長く作品を作っていけるのではないか。
私も若い時は焦っていたけど、今は焦りがなくなった。
焦ったってろくなことはない。たまたまうまくいったことなんて長くは続かない。
地力をつけていれば必ずチャンスはやってくるし必ず成功する。

私は遊びで曲を作っている。
所詮、遊びだがら、別に何を作ってもいいわけだけど、
でもそんなレベルの私ですら、新しい曲ができた時に思ってしまうわけです。

「これって前に作った曲よりはよくない」。
常に自分の過去の作品が基準になり、
そこが超えられなければ、できたとしても、
ぐちゃぐちゃとゴミ箱に捨てたい気分になる。

曲をネットで無料配信していて、5曲配信したが、
その後がぱったりとまってしまった。
曲は他にもいくつか作ってある。
それなりに自分ではいいと思いながらも、
「でも過去に配信した5曲に比べると弱いよな」なんて比較してしまうと、
お金と時間をかけてレコーディングしてまで配信するところまで踏み込めなくなってしまう。

いや別に私は音楽を趣味でやっているからそれでもいいけど、
職業にしている人は大変だ。
いいものができないから世に出さなければ収入が入ってこないんだから。

私のような趣味で音楽を作っている人間ですらそう思うなら、
それでお金を稼ごうとするミュージシャンなんていかに大変か。
いつも過去の自分の作品がライバルだ。
それと似たような作品をいくつ作っても仕方がないし、
前に作った曲よりあまりいいとはいえないものは出しにくくなる。

さすがのミスチルもマンネリ化してきた。
でも仕方がないと思う。
過去に数多くの名作を作ってきたのだから。

先日、ライブ撮影に行ったバンドの「SONALIO」が、
MCでこんなことを言っていたのが印象的だった。
「もうすでに世の中にはいろんな音楽があるわけで、
それと同じようなものを作っても仕方がない。
でもだからといって奇をてらったものを作るのは違うし、
というか奇をてらったものでも世の中にもうかなり存在している」

アーティストであれば自分のオリジナリティとは何ぞやってことを、
ものすごく考えるんじゃないか。
人気アーティストのモノマネの二番煎じでも売れるかもしれないが、
そんなことをして何になるんだろうみたいた。

そういえば、今、私は映画監督として初作品を作っているのだが、
プロデューサーが「相当、かさこさんはプレッシャーを感じている」といったので全否定した。
プレッシャーなんかぜんぜんない。
だって初作品だから、比較される過去の自分の作品がないし、
ましてや私は映画監督を専門に仕事をしようとは思ってないので、
仮にこの作品で評価が低かったとしても、
「やっぱり執筆業、撮影業が本職の人なんだ」で済まされる。
だからぜんぜんプレッシャーなんかないし、ただ楽しいだけだ。

でももしこれがたまたま評価されたりなんかして、
第2作を作らなければならないとなったら、
私は映画のど素人でこれまで経験も実力もないわけだから、
1作目の評価というハードルを課せられたら、
プレッシャーで1作目よりいいものができるかどうかは微妙だ。

ただ私が思うのは、見せ方とか表現方法とか技術などに進歩がなくても、
毎回似たような手法を使ったとしても、
テーマ設定がしっかりしていて、かつ前作のテーマとは違い、
作品で伝えたいメッセージさえよければ、飽きられずに長く愛されるのではないか。

新しいテーマを見つけて、そのことについて新しく伝えたいメッセージがあれば、
過去の自分作品がどんなに素晴らしくても、毎回、新鮮な驚きを与えられるのではないか。

そんな風に思いながら、私もいろんな表現手段で、
いい作品を作っていきたいなと思う。

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by kasakoblog | 2013-09-07 00:01 | 働き方


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