2013年 10月 21日

日本人が英語を話せない本当の原因は同調圧力~留学生の経験から

日本人はなぜ英語を話せないのか。
カナダに約2年、留学した日本人女性に話を聞くと、実に興味深い答えが返ってきたので紹介したい。

彼女のクラスメイトである日本人留学生がこんなことを言った。
「英語を勉強しに海外留学にきたのに、
先生が授業で私のこと、さしてくれないんです。
そのせいで私はいつまでたっても英語が上達しない・・・」
しかし彼女はそれはおかしいと感じたという。

「先生がさすとかささないとかの問題ではないんです。
日本人以外の外国人留学生は、率先して授業中でも自ら英語で意見を述べている。
たとえその英語が下手だろうが間違っていようと。
ささないと話さないというスタンスでいるから、
いくら英語を覚えたところで英語が話せないのではないでしょうか」

日本人が英語を話せないのは英語能力以前の問題にありそうだ。

「そんな文句を言っているのに、授業中は英語以外はダメという決まりなのに、
先生がちょっといなくなった途端、日本人同士が日本語で話をし始めてしまう。
英語を学びにきたのに日本語で話したら、英語が上達するわけがありません。
だから私は日本人にも英語で話しかけるのですが、そうするといやな顔したりする」

英語ができないのは先生が悪いといいながら、
日本語ばかり話していればそりゃうまくならないに決まっている。

「日本人が英語が話せないのが、
徹底して受け身の姿勢の教育を叩き込まれているからだと気づきました。
日本の教育は先生が一方的に話して、その指示に従う形式ばかり。
しかも英語では会話力とはあまり関係のない、文法や文章力ばかりに時間を割く。
話す力をつけたいのに、授業中に話す機会がほとんどない。
テストも文法問題や筆記問題ばかり。
話す勉強をしているのだから生徒に話させなくてはいけないのに、
授業は生徒が受け身で、先生が一方的に話すのを聞くことばかり。
これでは英語に限らず自ら話をするという力は身に付かず、
結果『先生がさしてくれないから英語が上達しない』といった、
おかしな結論になってしまうのではないでしょうか」

せっかく海外に留学しに来て、英語を話すチャンスがいっぱいあるのに、
いつまでたっても受け身の姿勢が抜けないのは、こんな場面にもあったという。
「ある日本人の留学生から外国人の友達を紹介してほしいというので、
食事する場をセッティングしました。
ところがその人はぜんぜん話をしない。
紹介してほしいと自分から言ってきたのに、
自分から話そうとせず、相手から話しかけられるのをひたすら待っている。
そんな受け身な姿勢では、会話が成り立つわけがありません」

英語力の問題ではなく、根本的に会話力、コミュニケーション力を抹殺するような、
教育がなされているから、英語を話す技術があっても、
人に率先して話しかけることができない。

日本の大手英会話学校で講師をしていた外国人が、
この留学生にこんな話をしてくれたという。
「日本の英語教育は完全に失敗だ。あんな教育で話せるわけがない」

日本人が英語以前の問題として会話下手なのは、
教育の仕方もさることながら、日本社会の風土にも問題があるとこの留学生は感じたという。

「日本では自分の意見をはっきり言うのを嫌う傾向があるから、
英語に限らず、話ができないのだと思います。
先生や上司の言ったことに逆らえない雰囲気。
みんなの意見と同じでなくてはならない雰囲気。
変に目立つことをよしとしない雰囲気。
自分で積極的に発言などせず、周囲の空気を必死に読みながら、
自分はできるだけ目立たないようにして、
上の言ったことには逆らわない、周囲に同調することが当たり前という社会で、
長年育ってきたら、いくら英語を勉強しても、
自分の意見がない、もしくは自分の意見は言ってはならないと思っているから、
話せないのではないか」

同調圧力が強くて、日本では違う意見を言ってはいけないと、
彼女が強く感じたのは、中学生の時だった。

授業でピューリッツァー賞を受賞した写真「ハゲワシと少女」を見せられた時のこと。
この写真は内戦化のスーダンで飢え寸前の少女が、ハゲワシに狙っているというものだ。
先生の授業の雰囲気からは、
「写真なんか撮っている場合ではない。まず少女を助けるべきだ」
というニュアンスが醸し出されていた。
その上で、先生は生徒に聞いた。
写真を撮るべきだったのか、まず助けるべきだったのかと。

10人の生徒のうち9人は、まず助けるべきだと手を上げた。
しかし彼女だけは、写真を撮るべきだったに手を上げた。
「この写真によって多くの人に問題を訴えることができたし、
この写真家はきっとこの後、少女を助けたのではないでしょうか」と。
1人だけ違う意見を言った彼女は翌日から無視されるようになったという。

「日本では他人と違う意見を言ってはダメだという雰囲気があります。
むしろ空気を読んで周囲に合わせろみたいな無言の圧力があります。
だから知らず知らずのうちに、自分の意見を押し殺すのが当たり前になり、
いつしか大人になると、自分の意見すらなくなってしまう。
自分の意見がない人が英語を学んでも、話せるようにはなりません。
話す意見がないのだから」

確かに言われてみればそうだ。
英語うんぬんの前に、日本語でも自分の意見を、
自ら積極的に言えるような雰囲気の社会でなければ、
どんな言葉だろうと話せない。
日本人が得意なのは、誰もが言葉を発せず、
その場の空気を読み、以心伝心、全会一致、みんなと同じ意見に従うことだ。
そういう能力を磨かされたのだから、言葉を教えてもろくに話せない。

ちなみに彼女が留学してまで英語を学ぼうと思ったのは明確な理由があった。
「親からはお金がないから大学には行かせられないといわれ、
高校卒業後、フリーターとして職を転々としていました。
幸いにして何社目かの会社で、社員として雇ってもらえることになりました。
ただそこで何か仕事でミスする度に『あんたは高卒だから』と見下されていた。
この見下した連中に勝る何かを身に付けたい。
そう思って日本で英会話学校などに通い、英会話力を身に付けたおかげで、
コールセンターの仕事で英語を話す外国人対応の担当になり、一目置かれるようになりました。
いつも電話で英語で会話をしている中で、
いろんな外国人の方と直接会って英語で話せるような仕事をしたいと思うようになり、
もっと英語を上達させて仕事に活かしたいと思い、
ワーキングホリデーぎりぎりの年齢で留学することにしました」

彼女のように英会話を学ぶ目的がしっかりあれば、
留学先で日本人とだけ日本語でしゃべってばかりなんてしないだろう。
彼女は文法のテストはボロボロだったらしいが、
率先して外国人や先生に話をすることで、
実践的な会話力を他の日本人留学生より身に付けていった。

日本の英語教育がそもそも失敗であることや、
教育そのものが受け身を強要するのが当たり前であること、
さらには社会の同調圧力かける雰囲気があり、自分の意見を言いにくいことが、
日本人が英語を学んでも話せない理由ではあるものの、
なぜ英語を学ぶのか、明確な目的があるかどうかも大きい。

明確な目的がないなら英語なんか学ぶ必要はない。
何に使うかがはっきりしていれば、必死で勉強するだろう。

ただそれにしても、日本の受け身教育や意見を言わせない雰囲気は、
日本社会の非合理性、非効率性の要因となっているのではないかと思った。
そんなんだから空気に負けて台風でもいやいや出社しなければならないのだと思う。

まずは英語の前に日本語で自分の意見を堂々と言えるようにしたらどうだろう?
閉塞した日本社会を一人一人が変えるために。

・日本に半沢直樹が足りない~おかしなことはおかしいと言うべき
http://kasakoblog.exblog.jp/20920160/

・言いたいことは言いなさい。
http://kasakoblog.exblog.jp/13739883/

・言わなくてもわかると思うから不満がたまる~「声の小さな人」も声をあげること
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・空気に負ける日本人
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by kasakoblog | 2013-10-21 22:04 | 生き方


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