好きを仕事にする大人塾「かさこ塾」塾長・カメライター・セルフマガジン編集者かさこのブログ

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2014年 06月 06日

40歳でガン宣告。24年間勤務した会社を辞め、カメラマンとして独立~写心家・永田知之さんインタビュー

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酒もタバコもしない。
大学卒業してからはずっと自動車部品メーカーに勤務。
仕事にむちゃくちゃストレスがあったわけではない。
にもかかわらず、まさかの40歳でガン宣告された永田知之さん。
しかも、診断は「4期B」。
かなりガンが進行し、完治が難しい状態だった。

永田さんの病状は一般的に、5年生存率は35%。再発率は85%と言われていた。
「3人に2人は5年以内に死ぬのか……」

でも病気と闘うしかない。
5種類の抗がん剤治療を8クール行った。
全身の毛はすべて抜けた。
副作用もひどかった。
でもなんとか一命を取り留め、回復していった。

ただドクターからは「骨髄移植をしないとダメだ」と言われた。
しかし調べれば調べるほどリスクは高い。
西洋医学だけに頼らない他のアプローチを模索し、
福島県三春町のラジウム温泉施設に長期滞在することにした。

そこは末期のガン患者が集まる場所。
中には亡くなってしまう人もいる。
こうした中、初めてこの施設に宿泊した時に、
永田さんは施設の前に輝くきれいな大きな虹を発見。

「幸先がいい!これはカメラに収めなくては!」
永田さんは高校、大学時代は写真部で、会社員時代も趣味でカメラをしていた。
さすがにこの病状では一眼レフは持てない。
コンパクトデジカメで撮影し、希望をもらったこの感動を、
施設にいる人にも伝えたいと思い、写真をプリントアウトして渡していった。

すると普段は暗い表情のガン患者たちが明るい笑顔になった。
「こんな素晴らしい虹、見たことない!」「励まされる!」
その時、永田さんは感じた。
たった1枚の写真がこれほど多くの人を勇気づけることができるなんて。
ガンを治し、職場に復帰したら、また写真をしよう。
そんな風に思った。

1年半の休職後、職場に復帰したのは2009年のこと。
リーマンショック後の不景気や、外資に買収された後の会社は、
今までの活気がなく、沈んだ雰囲気だった。

幸いにして会社の理解があり、休職後も、
もとの営業職を任された。
今までのお客さんも担当させてくれた。
こんなにうれしいことはない。

でもガンが完治したわけではない。
この先、自分の体がどうなるかもわからない。
永田さんの胸に命の儚さや人生の儚さが去来する。
このままでいいのか。
仕事に不満があるわけではなかったが、
ラジウム温泉施設の時に写真を見せて多くの人が喜んだ姿が、
脳裏から離れなくなっていた。
施設で知り合った人で何人かは突然連絡がとれなくなり、
後から亡くなったという知らせを家族から聞くこともあった。

人生一度限り。
写真で人を喜ばせたい。
写真を仕事にできないか。
そんな風に思い、2010年から仕事帰りに、
写真の専門学校に通うようになった。

でも。と思う。
カメラマンなんかで食べていけないのではないか。
今でもこびりついている大学の写真部の顧問の先生の言葉。
「カメラなんかで食べていけるなんてそんな甘い世界じゃないからな!」

あの言葉がいつも心につかえていて、
いつしかカメラマンで食べていけるわけがないと思い込んでいた。
心のブレーキとなっていたのだ。

そんな矢先に東日本大震災が起きた。
はかない命。はかない人生。
やっぱり本格的に好きな写真を仕事にしたい。
そんな風に思った時に天職塾を主宰する三宅哲之さんに会い、
独立準備を始めるようになった。

「すぐに会社を辞めても食ってはいけない。
2年間は独立準備した方がいい」
三宅さんのアドバイスに従い、会社で働くかたわら、独立準備する、
パラレルキャリアを実践。
少しずつ写真の仕事が入るようになっていった。

2年間、独立準備をしたおかげで、
かなり写真の仕事が入るようになった。
さすがに二足のわらじではしんどくなってきた。
そこで2013年12月末、24年間務めた会社を辞め、
2014年1月、46歳でカメラマンとして独立起業した。
(取材日:2014年6月6日)

・・・・
私が永田さんを取材しようと思った理由は2つある。
1つはまさかのガンになったことがきっかけで、
長年勤めた企業を辞めて好きを仕事にする決断をしたこと。
もう1つは、私を撮影した写真があまりにも素晴らしかったからだ。
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(撮影:永田知之さん)

5/24、5/25に三宅さんが主宰するキャンプに取材に行った。
その時、カメラマンとして永田さんが来ていた。
私は撮影のジャマにならないようにと、
できる限り、永田さんがカメラを構えている時には、
写り込まないようにと気を使っていた。

ところが!
後日、撮った写真がネットにアップされていて驚きだった。
私のごく自然な表情が何枚も撮影されているのだ。
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(撮影:永田知之さん)

私はカメラマンとしても仕事をしているので、
人が撮影しているとすぐ気になってしまう。
撮るのは得意だが撮られるのは大の苦手。
いつもいろんな人に「笑ってない」とか「表情が硬い」とか言われれる。
そんな私がまったく撮られていることも気づかず、
あの短時間の中でこんな自然な表情を撮影していたとは。
私が39年間生きてきた中で、撮られ慣れていない私を、
これほどまで自然に撮影したのは永田さんしかいなかった。
しかもまったく私が気づかなかった。

この人の写真はすごい。
だからこの方を取材しようと思った。
たとえ、ガンになったことがきっかけで、
好きを仕事にということでカメラマンで独立したとしても、
写真がしょぼかったら絶対にこのブログで取り上げなかっただろう。

でも永田さんの写真を見て改めて思ったことがある。
よく人物写真を撮るのがうまいのって、
その人物に話しかけて自然な表情を引き出す人だという。
でも私は違うと思う。
私のように撮影が苦手な人は、カメラ構えられて、
話しかけられても、余計に不自然な表情になってしまう。
私も永田さんと同じ、自然な表情を撮影するには、
できるだけ透明人間になって、カメラマンがいるということを、
意識させないで撮ることではないかと。
それを見事に実践しているのが永田さんだった。

ちなみに普段は個人や企業のプロフィール写真や、
家族のアニバーサル写真、講演やセミナー写真を撮影している永田さんだが、
奥さんの誕生日にプレゼントしようと、
飼い猫を撮影した写真を集めたフォトブックを作成したところ、
キャノンのフォトコン編集部が選ぶフォトブック10選に選出!
Kindleでも発売することになった。(著者名は「とも太郎」)
こうしたことから最近はペット関連の撮影依頼も増えているという。

また写真を通じて多くの人を笑顔にしたいとの思いから、
不定期で「フォトシェアリング会」を実施。
「写真がいいとか悪いとか関係なく、
みんなが思い出の写真を持ちよって、その時のことを話す会です」
という。とっても素敵な試みだと思う。

かさこ塾二期生の最終講義でも話をしたが、
人生に言い訳している時間なんてない。
したいことをしなければ人生なんてあっという間に終わってしまう。
いつ何時、自分が思わぬ病気になったり、事故にあったり、
もしくは自然災害や戦争に巻き込まれるかもわからない時代。

今を精一杯生きる。
言い訳している暇なんかない。
やりたいことをやるか、やらないか。
人生ただそれだけ。

40歳の若さでガンになったからこそ、
かつて好きだった写真に目覚め、その写真の素晴らしさを再認識し、
大学顧問のネガティブな言葉による心のブレーキも取り払い、
写真家として独立起業した。

「会社員の時より目が輝いているって言われます」

もしかしたら会社で仕事をしているより、
好きな仕事をすることで病気が治ってしまうかもしれない。

自分が実際にガンにならなければ、
いつまでたっても言い訳だらけの人生を送る人が多いんだろうけど、
ほんと人生なんてあっけないんだから。
人生の有限に気づき、死がそう遠くはない存在であることに気づいた時、
人は目が輝く人生を歩めるんだと思う。

それにしてもこの人の私の写真はすごい。
私の写真を撮ってほしいことがあったら、永田さんに頼もうと思っている。

・生き方・働き方インタビュー
http://www.kasako.com/life1.html

・永田さんのホームページ
http://photo-thera.com/

電子書籍「まんまる まる子」

<お知らせ>
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http://www.kasako.com/2013eiga4.html

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7月22日、7月29日、8月5日、8月12日の19:30~21:30。
http://www.sanctuarybooks.jp/eventblog/index.php?e=739

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by kasakoblog | 2014-06-06 23:31 | 生き方


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