2014年 08月 11日
起業ごっこ、売上至上主義で道を踏み外さないために読みたい本「30歳で400億円~」杉本宏之著
寝る間もおしんでおもしろくて一挙に読めたおすすめ本、
「30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由」杉本宏之著をご紹介します。

急成長を遂げるベンチャー経営者がいかにして失敗するか。
これほどまでに物の見事に描かれた本はない。
ぜひビジネスごっこ、起業ごっこに夢中になっている方、
独立起業に憧れる方々、月収いくら稼いだとか自慢している方、
売上至上主義で数字を作ることに必死になっているビジネスマン、
右肩上がりで急成長している企業に勤めているサラリーマンなどは読むべき。
この本を読んでおけば、どれだけ一時的に仕事がうまくいっているように見えても、
この著者のようにマヌケな失敗をしないで済む。

本の内容は、2001年24歳で不動産会社を立ち上げ、
2005年に不動産業界史上最年少で上場。
2005~2007年のバブル期のおかげで、
レバレッジを効かせた借金経営で、
不動産会社として事業を急拡大させるも、
2008年のリーマンショックで急転落し、
2009年に民事再生申請に至るまでの過程を、
克明かつ赤裸々に書いている。

これほどまで短期間に栄華を極め、
これほどまで短期間に奈落の底に突き落とされるのは、
見事という他ないのだが、
この本を読めば、なぜ成功していたはずのビジネスが失敗してしまうのかが、
実によくわかる。

一言でいえば、理念なき売上至上主義とレバレッジ経営。
これに尽きる。

はじめは業界にはないデザイナーズワンルームマンションを作りたい、
との想いで起業するも、
たまたま運よく世界的なバブル期に起業したため、
いとも簡単に業績が上がってしまい、
それを自分の実力と勘違いし、
バブルの風に吹かれて、また当時の起業ブームにのっかり、
自己資本ないままばんばんレバレッジをかけて借金経営した結果、
一時的には飛ぶ鳥を落とすがごとくの急成長・無敵ぶりを発揮したが、
バブルが崩壊したらあっという間に資金繰りに窮して死亡という、
見事なまでの絵に描いたような企業失敗例だ。

本書はその非常に恥ずかしい、成功した時の傲慢ぶりをしっかり描いている。
なるほど有頂天になるとこんな心理になって失敗するのかとよくわかる。
理念があって起業したのに、
いつしか売上という数字を作ることが楽しくなってしまい、
理念なき倍々ゲーム、マネーゲームに興じていく過程が実に鮮明だ。
また成功していた企業が逆回転しはじめて、
あっという間に業績悪化していくとどんなことが起こるかもよく描かれている。

本書の部分でその後、復活したことや、
奈落の底に突き落とされても、助けてくれる元社員や、
ITベンチャー経営者との親交話ははっきりいってどうでもいい。
何よりもいかにして成功者が失敗するかの過程がためになる。

それにしてもあぶく銭を手にした成功者って、
なぜこんなバカげたことをしてしまうのだろうか?
プライベートジェット機を借りてマカオに遊びにいくだとか、
芸能人やミュージシャン呼んで忘年会をするだとか、
一着50万円以上もするスーツを着て喜ぶとか、
毎晩のように飲み歩き遊び歩くとか。
著者のように子供の頃に貧しい経験をしている人ほど、
あぶく銭への欲求が強く、
手にした時にアホみたいな使い方をしてしまう人が多い気がする。

またこの本を読むともう1つためになることがある。
バブル期の投資は失敗するということだ。
かつてのバブルは2005年~2007年。
株価も地価も上がり、投資ブームで、
猫も杓子も株式投資や不動産投資に目がくらんだ時代。
著者の会社も所詮は借金して倍々ゲームをする不動産投資家と変わらない。
結果、どうなるかといえば、バブルが崩壊して、
資金が回らなくなり、破綻というお決まりのパターンだ。

著者が復活でき、今、好調なのはまたバブルが来ただけに過ぎない。
リーマンショック後のバブル崩壊直後は、
あらゆる投資商品の価格が下がった。
みんなが経済を悲観し、資金や体力がない時に、
割安なものを買いあさり、次のバブルが来たら売りまくり、
バブル崩壊前までに撤退する。
きっと世界経済はしばらくこの繰り返しだろう。

見ての通り、リーマンショックの教訓はどこへやら。
世界的な金融危機を乗り切るために、
世界各国で金をじゃぶじゃぶ垂れ流したために、
またしてもバブルが今まさに訪れている。
日本もしかり。
リーマンショック前と同じように、株価が上がって、株式投資本が増え、
リーマンショック前と同じように、不動産投資が増え、
マンション投資の広告を見ない日はないぐらい、
不動産投資ブームにわいている。

そしてこの著者が大失敗したように、
バブル崩壊前にさっさと売り払わないと、
借金して投資したものは首が回らなくなり、
仕入れ値を下回る値段で売らざるを得なくなり大損するという構図だ。

今まさにこの本で描かれた失敗と同じような時期にある。
投資で儲けようと思わない方がいい。
ましてや借金したりレバレッジ効かせて投資するなんて、
多くの場合は大失敗する。

ラクして儲けようとするから失敗する。
理念なきビジネスごっこに事業や企業の永続性はない。
著者は復活した気になっているようだが、
所詮はバブル崩壊後の安値で不動産を仕入れて、
バブル絶頂期に高値で不動産を売り払うという、
マネーゲームをしているだけに過ぎない。
仮に復活した著者が不動産業で成功しているとするなら、
その陰で、高値でつかまされて後で痛い目にあう、
第二、第三の著者が量産されているに過ぎない。

所詮、不動産業界なんてババ抜きの世界。
いい加減、不動産バブルの生成と崩壊によって、
実体経済をめちゃくちゃにする仕組みを、
世界的に規制しないとダメなんじゃないかなと思う。
そんな世界のアホみたいなマネーゲームのからくりもよくわかるので、
非常に素晴らしい本だと思う。

この本を読めば、ビジネスや投資で、
アホみたいな失敗をしないで済むようになると思う。
良書。おすすめです。

「30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由」杉本宏之著

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by kasakoblog | 2014-08-11 12:47 | 書評・映画評


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